それでなくたって心地よい温度と明るく澄んだ大気の下を短パンとTシャツ1枚で過ごすのを好み、何よりうれしく感じている人間にとって冬の暗さと寒さはじっと耐える存在であるだけでなく、場合によっては心身への悪影響を及ぼしかねない歓迎すべからざる存在なのだ。
今冬は暖冬だというから、そうか、例年より寒さは厳しくないんだな、とひそかに期待していたのだが何のことはない、12月は寒さに慣れるのに苦労して風邪を長引かせてしまったり、天気も安定せずに曇りや雨の日が多かったりと、例年の冬とは明らかに違っていたのだ。
おまけに年末から寒波がやって来て、その寒波は年明け後もしばらく続き、時に緩むものの、緩む時間の方は申し訳程度に短くて、立春を過ぎたというのに平年を下回る日々が相も変わらず続いている。
それでも晴れた日の、北風が強く吹かない日を選んでは体を動かしに散歩に出たりするが、前述したように安定した天気が続かないのだからそれだっておぼつかないのだ。
立春を過ぎてからは初音を求めて起伏の激しい尾根伝いの道をたどりながら2、3時間近所の尾根道や谷戸の奥に入り込んで耳を澄ましたりするが、ウグイスの方が季節の移り変わりには敏感なようで、今日は少し暖かいから鳴くかな? と期待してもそれはニンゲンの手前勝手というもので、まだあの澄んだ鳴き声を聞くチャンスは巡って来ていない。
ここ2、3日は本当にどんよりとした雲が低く垂れこめ、気温は平年より低い日が続き、こんな日にはウグイスだってヤブの奥でじっとしているだろうから、こちらだって家の中でじっとしているのが上策というもので、昨日も一昨日も掘り炬燵にもぐりこんで音楽を聴き、読書三昧の日々と言えば聞こえはいいが、何のことなない炬燵布団のシミになっているに過ぎないのだ。
こういう生活ははっきり言って、せいぜい4、5日から1、2週間程度までならなんとか心身の平衡は保てるが、今年に限っては年明けからこれに近い生活を余儀なくされているから何をかいわんやなのだ。
現にボクの腹回りは既にこれまで経験したことがないくらいにだぶつき気味だし、いや〝気味〟という表現は自己弁護が過ぎようというもので、事実を包み隠さず述べるなら、はっきりと〝だぶついてしまった〟と断言しなければなるまい。
それくらいに醜い体つきになってしまったのだ。
たかだか2か月前後の期間! にである。
思えば春風が吹き始める2月と3月の境目辺りから木枯らしが吹きすさび始める初冬辺りまでの身体を十分に動かす日々から比べれば、この冬の間の運動量というのが25%以下程度に減ってしまっているのだから、腹回りがだぶつくのも当然なのだ。
日中でも氷点下の日々が続く北海道東部の街に暮らすボクより年上のご仁のブログを拝見すると、寒さなんてものかわ、毎日3~4キロを歩いていて、その万歩計のデジタル表示された歩数の写真が証拠写真として掲げられている。
同じ画面の一角には血圧計の表示も掲げられていて、これが何と上が110前後、下が70前後という理想的な血圧で、寒さに縮んでいてはかないっこない数値が並んでいる。
ふむ、北の大地というところはすごい所だ。寒さなんてへっちゃらな鉄人が暮らしているんですなぁ。
畢竟、DNAの問題かとも思うが、いや、そう思い込みたいが、まったく顎が外れる思いである。
かくして、もうそろそろ春風が吹いてくれてもよさそうなのに、と初音と共に心待ちにする日々なのだ。
はぁ~るよ こい はぁ~やく こい♪
何を血迷ったか1月の初めころから開きかけていたアネモネがここまで開いてきた
こちらの白いアネモネも。庭の植物を見る限り春めいてきてはいるようだ
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事