解禁日が近づくと仕事場に行きつけのバーや飲み屋から“ボジョレーまつり”“ヌーボー到着 ! ”などと案内状が舞い込んで、仕方なく仲間を誘ってワイワイ飲みに出かけたりしていた。
街に出れば、酒屋の店頭やら駅ビルのコンコースなどにボジョレーの瓶がうず高く積まれ、普段ワインを飲まない連中までもが群がって買っていたような光景が思い出されるが、あの熱気は今どこに行ってしまったのだろう。
メッキがはげたというか、新し物好きのニッポン人の心変わりの早さは相変わらずである。
熱しやすく、しかも冷めやすい国民性。少々悪さをしたって、ちょっとの間おとなしくじっとしていれば、すぐに忘れてくれる国民の性は、政治家にとってこんなに有りがたいものは無いんじゃないか。
そうだろ ? アベちゃん !
そもそも大方の人は新酒を楽しもうなどと言う気持ちなどサラサラ持たず、コマーシャルベースに乗せられ、煽られているだけなのだ。
もっとも、乗せられる側もそんなことは百も承知、二百もガッテンで乗せられているのだ。
アベちゃん、本当のところは侮れないんだぜ !
わが家では東京・高輪台の隠れ家的なフランス料理店のオーナー兼ソムリエから紹介されたガメイヌーボーを毎年飲んでいるのだ。
ガメイ種のブドウで造られたボジョレー地区の新酒ワインをボジョレーヌーボーと呼ぶが、ボジョレー以外の地区で育てられている同品種のブドウから造られる新酒がガメイヌーボー。
“灘の新酒まつり”などと言って騒いでいるところに、他の地方でできた新酒を飲むようなもので、かえって地方の隠れたものの方が美味しかったりするものなのだ。
輸入業者から直接買うので値段も1本700円程度と手ごろなので1ケースを注文しておいたのである。
去年はやたら早く解禁日の2~3週間前に届いていたような気もするが、今年は昨日13日にやっと到着。
生まれたばかりの赤ん坊のいる二女のところに手伝いに出かけていた妻も久しぶりに帰ってきたので、ちょうどおあつらえ向きに栓を開けた。
きれいなルビー色したワインで、フルーティーな味わいの、軽い味の、まさに新しいワインである。
“家政婦”として住み込みで過ごしてきた妻をねぎらってあげようと、台所への立ち入りを禁じ、夕餉の支度はすべて吾輩が行ったのである。
何という優しい旦那でありましょう。
大量のタマネギをスライスしてニンニクと一緒にあめ色になるまで炒めたところに青いピーマンと昨日、千葉の千倉の道の駅で買ってきた鮮度抜群のスルメイカを入れ、サラダ油少々とバターと極少々の塩、そして日本酒を入れて軽くいため、最後に醤油をひと垂らししただけの、冷蔵庫にある材料だけで作った勝手な料理である。
これに妻が作り置きしていった煮込みハンバーグとラタトゥユ、そしてフランスパン。
ワインが引き立ちましたな。イヤ、逆か。手作りの勝手な料理がヌーボーに引き立てられたのか。
なかなかおいしい食事でしたな。後片付けも全部、最後まで吾輩がやりましたとさ。
だからと言って、今日は雨だそうだが、まさか雪に変わることもあるまい。
今年もガメイヌーボー
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