昨夜、友人から嬉しそうな声で電話がかかってきた。
4人目の孫が生まれたという。
友人にはすでに娘さん2人にそれぞれ女の子の孫がいるが、昨年末に3人目の女の子が、そして昨日とおめでたが続いている。
しかも、昨日生まれた女の子は長いこと独身を続けていた長男がやっと身を固め、あきらめかけていたところに生まれたのだから喜びもひとしおで、加えて「なんてったてウチマゴだから…」と、そういう意味での喜びも隠そうとしないところが微笑ましい。
しかも、「11代目に当たるんだから」という言葉に、雪深い東北の地で庄屋の家系の血をつないできている人間の、ボクらにはうかがい知ることのできない「安ど」のような気持ちが集約されているようだった。
もう対面してきたんだろう ? と聞くと、急に産気づいた上に隣県の病院なので改めて出直すと言っていた。
代わりに、先方の親御さんにプレゼントする「初孫」という名の地酒を買い込むとともに、タイミングよく仲間から地元でも手に入りにくい「十四代」をゲットして 「11代だけど十四代で祝杯を挙げているんだ」と言わんばかりに弥栄ぶりを表現するところが、いい年をしてはしゃぎすぎるきらいはあるが気持ちは分かり過ぎるくらい良く分から、まぁ許すとしよう。
メデタシメデタシ ♪
こういう喜びのお相伴にはボクだってあずかりたいところだが、大腸の内視鏡検査で小さなポリープ1個をつままれたので2日ほど飲酒禁止の託宣をもらってしまって、実に残念なことである。
医者曰く「悪いものじゃありませんが、大きくしない方がいいし、念のためですから」という。イヤも応もないのだ。
検査のたびの儀式みたいなものだが、毎年検査当日は素直に休肝日としているが、何も律義に2日も続けるほど素直な性格じゃないので、今日はおめでた続きのお相伴にあずかろうと思っている。
祝杯って言えば日本酒が今欧米でものすごく注目を集めているらしい。
「日本酒ブーム」ってのはこれまでにも耳にしたことはあるが、今はブームを通り越してカリフォルニア米や南仏の米を使った現地生産の酒まで造られ、日常的なものとして定着しつつあるんだとか。
つまり文化になりつつあるってんだな、日本酒が。
そのことを書くのはまた別の機会にして、ほんの一例を紹介すれば、フランスで「ドンペリの帝王」とかなんとか呼ばれて崇められていたレジェンドがその地位と名声をあっさり脱ぎ捨て、富山県の立山のふもとで日本酒造りの蔵を立てて酒を仕込み始めたんだそうな。
ドンペリよりも日本酒だ ! って言うんだから大したものだ。
素晴らしい舌と鼻の持ち主であることよ。
余談だけど、蔵を設計したのが五輪のメーンスタジアムを設計した隈研吾氏で古くからの友人なんだとか。
一体どんな酒が出来上がるんだろう。利き酒してみたいねぇ。




東慶寺の佇まい(見出し写真も)