「おう、八っあん、どしたい機嫌の悪そうな顔しちゃって」
「ふん! 放っといてくれってんだ」
「ははぁ~ん、なんだな、例の桜を見る会の件でアベなんちゃらが辞めると思ったのに辞めないんで、それでオカンムリってわけかい」
「だったらどうだってんだぇ、熊さん。でぇち(第一)ロクに説明もしてねぇじゃねぇ~か。やましい所が何にもねぇ~んだったら国会できちんと説明して見ろってんだ。コソコソしてねぇ~で堂々と説明すりゃいいんだよ。説明責任も果たさねぇ~で、何がソーリデェ~ジンだ ! まさかこれで逃げ切っちまおうってぇ魂胆じゃぁねぇ~だろうな」
「心配ぇすんなってことよ。例え今の臨時国会は逃げ切れたとしたって、来年早々から始まる通常国会じゃぁ予算委員会開かねぇってわけにゃぁ行かねぇよ。予算委にはソーリは出席しなきゃなんねぇから、そうなりゃアベなんちゃらは野党の集中砲火を浴びて火だるまよ。つじつまの合わないことを言って立ち往生したり、カッとなって思わず暴言を吐いたり…、審議は止まっちまうしな」
「なるほど、熊さんの言うとおりだ。そうなりゃ新年早々から大騒ぎになるよな」
「まだあきらめるのは早ぇってことよ、八っあん。楽しみにしとこうぜ」
「分かったよ熊さん。それは先の楽しみに取っておくとしてさ、あんにゃろアベなんちゃらってのはつくづくあきれけぇった野郎だぜ」
「まだ何かあんのかぃ。今度は何が気に入らねぇってんだい」
「あのさ、国営放送のニュースで見たんだがよ、今、バチカンてぇところから頭のてっぺんに皿を乗っけたローマ教皇って伴天連の一番偉ぇ坊さんってのが日本に来てるらしいじゃねぇ~か」
「おう、来てるよ。フランシスコ教皇ってんだ。でもな、頭に乗っかってるのは皿じゃねぇ~よ、『ズケット』っていう帽子だよ。教皇だけが白いズケットをかぶれるんだ。枢機卿は赤、司教は赤紫、大修道院長は黒色だ」
「へぇ~、モノ知りだねぇ~熊さんは」
「にゃはは…ちょこっとググってみただけよ。そんなことよりほかに腹立ててることがあんじゃねぇ~のかい」
「オッと、それよそれ、あんチクショー ! 」
「言葉が悪いね、どうも。あんチク…おっといけねぇ、こっちにもうつちまいそうだ。そいつはまたアベなんちゃらのことかい ? 」
「そう、またまたあのアベなんちゃらのこと ! 」
「今度は何だい ? 」
「伴天連の教皇がソーリ官邸を訪ねた時のことだよ。アベなんちゃらと会見したニュースをたまたま見たのさ。それを見ててのけぞり虫唾が走ったね」
「何を見たんだよ」
「教皇がな、訪問してきたばかりの長崎と広島への原爆投下に触れてな『破壊が二度と繰り返されないよう、阻止するために必要なあらゆる仲介を推し進めてください』と呼びかけたんだよ。このほかにだって随分いいこと言ってたよ」
「おう、それで ? 」
「アベなんちゃらが何て応じたと思うよ」
「じれってぇな、早く先を言えよ」
「アベなんちゃらは教皇の先に演説したんだけどな、多分、後からやったら多分笑われるんで先にやっちまったんだぜ、そうに違ぇねぇ」
「で、何て言ったんだ、早く言えっての」
「慌てんなよ」
「怒るぜ」
「あのな、耳の穴かっぽじってよく聞いてくれよな。こう言ったんだ。『唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向け国際社会の取り組みを先導して行く使命を持つ国』とはっきり言ってさ。その上で『私たちはこれからも、核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を促す努力において決して倦むことはありません』って得意顔しながらいけしゃあしゃあとのたもうたのさ」
「ふ~ん。2017年に国連で核兵器禁止条約が122か国の賛成多数で採択されたけど、日本は無視しちゃってるからなぁ」
「決して倦むことはないって、アベなんちゃらの奴、意味が分かってんのか ? まっ、それよりも核兵器廃絶に関しちゃぁ日本は何にもしてないってのがオイラの理解だけどね熊さん」
「だよなぁ、そんなことを言ったのかぁ。ちゃんちゃら笑わせるなぁ」
「だろぉ~! あんな嘘八百を平気で並べ立てられる奴がのさばってる…恥ずかしくってしょうがねぇ~よ。お天道様ぁどこ見てるんだろうなぁ」
「それにしても国営放送はよくその場面を放送したなぁ。国民は呆れたろう」
「逆だよ! 国営放送はソンタクしてさ、アベなんちゃらさまが如何にご立派なご意見を伴天連の親玉の前でお述べになったかと言うことをだな、どこかの半島の北にある国のわがまま坊やをほめちぎるマネをやってんだよ。で、国民の大多数はコロっと騙されちまうって寸法よ」
「うん、残念ながら一理あるな。ったく嫌になっちまうぜ。でもな、それもあと少しじゃねぇ~のか。来年の予算委を期待しようじゃねぇ~の」
「それしかねぇ~よな。あ~ヤダヤダ」
以上、横浜イングリッシュガーデンの秋バラから