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平方録

ドジを踏んじまった

用事があって自転車で北鎌倉の円覚寺に向かう途中、寺の手前にある郵便局に立ち寄った時のこと。

送金の必要があってのことだが、ヘルメットにサングラス姿のまま局内に入りかけて「まてよ!」と足を止めた。

年末のこの時期に強盗と間違えられて非常ベルでも押されたら面倒なことになると、ヘルメットはそのままにサングラスだけ外して中に入りかけた時…

なぜかサングラスがボクの手からコンクリートの床目指して勢いよく飛び出していった。

勢いが良かったのだから「落ちる」のではなく「激突」。

思わず目をつぶってしまったが、明けた目に入ったのはレンズは無事ながらツルの部分から真っ二つに離れ離れになった残骸。

全部プラスチック製部材で出来ているから、ちょっとやそっとの衝撃では壊れそうもないが、よほど当たった角度が悪かったと見える。

パトロールの相棒としてもう10年くらい仲良くしてきただけにがっかりさせられた。

何より大損害である。

現場は局舎の中ではあるが、カウンターの並ぶ室内ではなく、その手前のATMの前のスペース。

だから、だれもこの"事件"の目撃者はいないし、強盗のような恰好をした人物が暮れの郵便局に現れて局員に緊張が走る…なんてことも、ついぞなかったのである。

ボク一人、勝手に独り相撲を取っただけで,ATMを操作し(実は郵便局でこの種の機械を使うのは初めて)無事に送金を済ませて"やれやれ"と息をつきつつ、もう一方の失敗にも別の"ヤレヤレ"を漏らして円覚寺に向かったのでありました。

 

上り坂を避けて平らな道を選んで走っていくと富士山が見えた


円覚寺の総門前のモミジの紅葉に間に合ったようだ


まさに名残の紅葉♪


光に透かすととてもきれいに見える♪


しばらく愛でていると踏切の警報機が鳴りだしたので通過する電車を待って1枚パチリ


総門をくぐって境内に入ると工事中で出入りのない居士林の山門前が落ち葉で埋もれかけている
 

境内最深部の黄梅院 
ここには大きなモミジの木が何本かあるので期待していったが、それほどではなかった


まだ残っているイチョウもあった


白雲庵前の通路からも富士山がよく見える


円覚寺を後に、建長寺を過ぎ、鶴岡八幡宮の前から若宮大路に出て一直線に南下、由比ガ浜に出る


時刻はほぼ正午 それにしても冬至直前の太陽の位置の低いこと!


稲村ケ崎まで来る頃になると富士山には雲がまとわりつき始めていた
 

さらに西へと漕ぎ進むが、富士山の周りだけますます雲が増えていく=鵠沼海岸


午後2時、隣町の「古〇家」でタンメンを食べる
野菜がたっぷりなのはいいのだが、たくさん入っているのは白菜の茎の部分ともやし
口の中でもごもごするだけでなかなか減ってくれない
一生懸命に顎を動かしたので顎にはいい運動になった♪
60年ほど前の高校生時代、横浜に暮らしていたころだが、伊勢佐木町通りの1本裏に清正公通りという路地があって、そこの「一〇香」というカウンターだけのちいさな中華料理店があった
そこのタンメンがおいしいというのが横浜中に鳴り響いていて、学校が休みの日など部活仲間とよく食べに行った
ラー油を垂らして食べるとおいしいと言われ、言われるままに食べると確かにおいしく、くせになるような味だった
今はちょっと評判が立つと店の前に長い行列ができるが、あの頃はそんな長蛇の列なんてのはあり得ないことだったように思う
当時と今では情報伝達の仕方に雲泥の差があるとはいえ、受け取った情報に踊らされる人間がそれほど多くなかったということもあるのでは無いだろうか…
「一〇香」は今でもあるようだが、もう何十年も食べていない
「古〇家」のタンメンの味そのものはおいしかった
何より自転車で風を切って走ってきて冷えた体に、野菜エキスの染み出たアツアツのスープが身に染みた♪
 
 
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