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平方録

ちょっとかもしれないが、狂いが来ているのは間違いない

自家発電能力の低下によるところが一番の原因なのだろうが、夜明け前の部屋にじっと座ってパソコンのキーボードを叩くだけでは寒くてかなわない。
暖房が効いて暖まった部屋から、突如、真冬の身を切るような寒気の中に放り込まれて思わず身震いして首をすくめるような寒さとは別次元なのだが、どこからともなく寒気が忍び寄ってきてじわじわ染みてくるのだ。
で、これが不思議なのだが室温は19℃ある。「も」を付け加えて「19℃もある」と言い換えてもよい。
この温度だけで判断すると、けっして寒くて身震いするような気温ではない。

いくらなんでも19℃で暖房を入れるわけにもいかないから、下半身にウールの布切れを巻き付け、ダウンの入ったベストとフリースを着込み、まるでオコモのようになって寒さをしのいでいる。
今朝起きた時点での外気温は13℃しかなかった。その差6℃。
例年いつごろから暖房を入れていたのかと振り返っても11月中ってことはあり得ず、どう考えたって12月に入って木枯らしが吹き始めるころに決まっている。
となると、あとひと月はこのオコモ状態が続くことになるかと思うと切ない。

例年になく秋の気温が高かったせいか、未だに夏の30℃前後の高温モードが体に染みついているようで、それが体感温度を狂わせてしまっているとしか思えない。
18℃から19℃といえば快適気温と言われているのはずなのに、それが寒く感じられるのだから何とも言いようがないのである。
でも、調子を狂わされているのはヒトだけではないようなのだ。

今秋初めて出掛けた横浜イングリッシュ―ガーデン。
15号、19号と度重なる台風で例年とは違うだろうなと思って出かけたのだが、強風にもまれて確かに花びらや葉っぱが痛んだり株の形が崩れてしまっていたり、一目でそのくたびれようは分かった。
それでもこうした光景は想定内で、まぁ仕方のないことと思っていたのだ。
しかしそうした台風被害を割り引いても、どこか物足りないなぁという気がしていたのだが、ガーデナーのK君の話にヒントがあった。
「やっぱり2度の台風で花と花がこすれちゃって、花びらが痛んじゃってるな」とボクが感想を言うと、「そうなんです。それに加えて今年は一つ一つの花が小さくありません? 花の数も少ないように感じるんですよ。何故だかわからないんですけど…」という。

確かに、秋バラは初夏と違って一つ一つの花が大きく、香りも濃いというのが特徴であり、魅力なのだ。
それは夏が過ぎ、朝晩の気温が下がる時期に蕾を膨らませるため、十分に育って花開くまでに時間がかかるのだが、その時間がかかる分、花自体が大きくなり、香りも立つというのが秋バラの秋バラたるゆえんなのだが、その特徴が出ていないという指摘である。
そう言えばわが家のバラも今年は押しなべて花は小さく香りも思ったほどではない。
わが家のバラが夏の暑さにすっかりくたびれてしまったのは承知していたので、来年初夏に期待だと思って、秋はあきらめていたのだ。それが本家のバラたちも変調をきたしていたとなると、梅雨から盛夏、そして長引いた夏の影響がもしかしてバラたちの変調を招いた理由の一つかもしれない。
南関東に秋が来たのは、11月になってようやくだものな。

ヒトも植物も、生きているものは何かとデリケートなんだということを思わずにはいられない。
グレタ・トゥーンベリさんが怒り心頭に発するわけなのだ。


横浜イングリッシュガーデンの秋バラはそこそこに咲いてはいるのだが、やはり2つの大型台風の影響は避けようがなく、どこかくたびれているように見える

こちらはの名前は不明だが、きれいに咲いていた

「ストロベリー・アイス」。見出し写真は「志野」
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