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平方録

おぉ ♪

富士山というのは不思議な山で、よく晴れた日、今日は富士山がきれいに見えるだろう…と期待して高台に上がっても、山体のほとんどが見えていたとしても頭の部分だけに雲がへばりついていたり、たとえ晴れていたとしても曇りガラス越しのように、うすぼんやりとしか見えなかったり、一方で今日は期待できないなと思いつつ散歩の途中で灰色の雲の連なりの下に、全身をさらした姿が浮かんでいるのに出くわして、へぇ~!と感嘆させられたり…

かくれんぼ好きというか、いたずら好きというか…常に惜しげもなくその美しい姿をさらすなんてことは、端から考えていないような山である。

そのデンで行くと、昨日の富士山は一点の曇りもない真っ青な大空を背景に、その秀麗な姿ですっくと立ち、歌舞伎の名優が芝居の見どころで盛大な喝采を浴びながら大見得を切る如く、誠に見事というほかない姿を披露してくれていた。

こういう姿を見るとなぜか「おぉ♪」という感嘆符が口の端からこぼれ、背筋がピンと伸びてしまうのだ。

 

9:50 近所のビューポイントから


3,4日前に降った雨のおかげか、元旦と比べて雪の量が増えていた




江ノ島越しの伊豆半島には雲がかかっていた


谷戸を一つ越えたビューポイントから


運動公園の一角から


運動公園の階段から


野球場では雲水たち20人余りが二手に分かれ、ソフトボールに興じる珍しい光景に出くわす
頭には手ぬぐいをかぶり、作務衣姿に地下足袋のようなものをはいている


それにしても、鎌倉でこれだけの雲水がいるのは臨済宗の建長寺か円覚寺
だとすれば、そのいずれかで僧侶を目指して禅の修行に励んでいる出家の若者たちだろう
若いうえに日頃の厳しい坐禅修行のたまものか、動きは皆きびきびとしていて、バッターが打ったゴロやフライの処理もそつがなく、感心した
しかし、禅の修行中の雲水とソフトボールという取り合わせと、わざわざ野球場に出向いてきてボールと戯れるという、そもそもの動機は奈辺にありや…と気になった
いまどきの若者は、こういうレクリエーション的なものを挟まないと修行が続けられないのだろうか…
雲水たちが修行の拠点にしている僧堂にはきっと、備品としてグローブやバットが備えられているんだろうね
ちょっと意外…! でも、おぉ♪
知らなかっただけで、ひょっとして雲水たちで建長寺対円覚寺対抗ソフトボール大会でもやってんのかしらん
 
 
 
 

コメント一覧

heihoroku
@faraway farawayさん こんにちは。

運動なら連中は床の雑巾掛けやら何やら、そこそこ全身を使わなければならない作務を持っています。
しかも飽食とは無縁で酒も飲まず、一心不乱に自己と向き合っているのです。
修行そのものが健康的ですから、何もわざわざエクササイズとして運動を取り入れる必要もないんじゃないでしょうか。
暖かくなって円覚寺の日曜座禅会に行ったら、坊さんに聞いてみましょうかね。
faraway
>ひょっとして雲水たちで建長寺対円覚寺対抗ソフトボール大会でもやってんのかしらん〜

あはは、超可笑しいご指摘ですよ。雲水さんも時代の流れにあって。レクレーションを入れなければ修行が続かない・・というより、私は健康医学の観点から修行にも運動を取り入れる動きになってきた、と考えたいですね(笑)。
heihoroku
mannma_2005さん おはようございます。

あいつらの身のこなし、実に堂に入ったものでした。
やってますよ絶対、早慶戦みたいな建長寺対円覚寺の対抗戦。
ちなみに、あの球場、地元じゃ“鎌倉の甲子園”って呼ばれてるんです。
試合の後は托鉢しながら寺まで歩いて戻るんだと思います。
mannmo_2005
おはようございます。
おおー、いいですね「建長寺対円覚寺対抗ソフトボール大会」!
ぜひとも、お願いします。

そりゃあ、日頃お世話になっている円覚寺雲水さんたちを応援するに決まっています、はい。
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