エデュパな日々

受験指導20年のカリスマ講師が
理数系受験個別教室を開設
新たな挑戦が始まる!

島根が熱い

2007-05-15 23:51:30 | 教育
先日,友人から一人の手本にすべき教師の話題が出た。

島根県の公立中学校に勤める田尻悟郎先生は,01年日本英語教育界における最高の栄誉「パーマー賞」を受賞,04年ニューズウィーク誌「世界のカリスマ教師100人」の一人に選ばれた。

田尻先生はまず子供を楽しませることを大切にする。ゲーム,クイズやカード,様々な道具を駆使して子供達を乗せていく。さながら教室は舞台,生徒は観客,教師は演者だ。「英語を勉強することは苦い良薬みたいなもの。そこに『楽しさ』という糖衣をまぶすことが先生の重要な役割」「大切なことはまず、英語を好きになること」と言う。

様々なメディアで田尻先生を見て思ったことは・・・一般に,その大道芸人ぶりに目が行きがちだが,実は授業そのものは外国人教師のそれと大差はない(留学生の授業アシスタントにヒントを得たようだ)。

マスコミは日本人の英語コンプレックスを刺激する,「読めても話せない,書けても聞き取れない日本の英語教育」というありがちで浅薄な批判とともに,田尻先生のような教師を先進的と奉る。皮肉にも先生が注目されたのは島根の中学生から英検という「試験」で合格者が沢山出たためという(私見では,日本人が外人を前にドギマギして対処に困るのは学校教育の所為に寄るところはせいぜい原因の上から5,6番目程度でしかないが,これについて述べるのは別項に譲る)。

先生の真骨頂はむしろ生徒一人一人をつぶさに観察し,各々に適当なタイミングできちんと声をかけ必要な刺激を与えていくところにある。まさに教師としての基本の部分であって英語はその題材に過ぎない。英語を使って,勉強とは,努力とは,人との関わりとは等について生徒に伝えているのだ。

数理系の指導と語学の指導は技術的な部分において参考になることは多くはないが,講師として生身の生徒に如何に立ち向かうかべきかについて,再認識するとともに大いに学ばせていただいた