【はじめに】
こんばんは、ひでです。
先日8月12日に開催された、ゲーム音楽を演奏する管弦楽団
“リトルジャックオーケストラ”さん(以下、リトルさん)の第9回定期演奏会に行ってきました!
遅くなりましたが、その様子をレポートしたいと思います。
今回の演奏会では、『ファイナルファンタジーV』を中心にFFの楽曲が多数演奏されましたが、
全体を通して、リトルさんのFFという作品への愛に満ちあふれた演奏会でした!
この記事では、残念ながら演奏会に足を運べなかった方や、
リトルさんをご存知なかった方にも疑似的に演奏会を楽しんでもらえるように、
演奏会当日の様子を、最初から最後まですべてを追う形でなるべく詳しく書いていきます。
そのため(当ブログでは毎度おなじみ…w)長大な記事となっていますが、
お時間のある際にごゆっくりお読みいただければと思います。
リトルさんの魅力を、ひとりでも多くの方にお伝えできれば幸いです。
今回の会場は、横浜みなとみらいホール 大ホール!
毎年夏に開催されているリトルさんの定期演奏会ですが、
今年はFF5の特集ということで、僕はずっと楽しみにしていました。
それこそ、去年のリトルさんの演奏会で告知があってからずっと…。
(※リトルさんは、去年もここみなとみらいホールで演奏会を行っていました。レポートはこちら)
本当に、待ちに待ったという感じでしたよ。
演奏会の前日はなかなか眠れませんでしたから。w
会場内に入ると、すでに行列ができていました。
すぐさま行列に並びつつ、あー今年も始まるなあとわくわくしながら
自分の順番が来るのを待ちます。
チケットをもぎってもらった後、パンフを受け取りました!
パンフには、ゲーム音楽演奏楽団さんなどのチラシがたくさん挟みこまれていたのですが…
パンフよりも重量がある!w
さすが人気楽団のリトルさん、チラシを入れる団体の数もすごいなあと思いつつ
階段をのぼると、すでに人だかりが。
でもってその中心には、楽器を持った団員さん数名の姿が!
リトルさんはほぼ毎回、開演までの時間でロビーコンサートをやってくれるのです。
今年も、アンサンブル形式で多数の曲を演奏してくれました。
◆演奏曲
・FF6「スラム・シャッフル」「霊峰コルツ」
・FF11「Autumn Footfalls ~ Selbina ~ Vana’diel March」
・FF5「暁の城」「おれたちゃ海賊」
・FF3「悠久の風」
・FF1「カオスの神殿」
・FF2「パンデモニウム城」
最後のパンデモニウムは、コーラスも入っていて美しかったですね~。
というか、ロビコンなのに30分近くのボリュームがあって、
正直これだけでもけっこう満足しておりましたw
でも本番はまだまだこれからなのです!。
知り合いの皆さんとロビーで軽く話した後、ホール内へと入ります。
※ホール内は撮影禁止だったので、みなとみらいホール公式サイトより写真を引用しています。
去年の演奏会以来1年ぶりに目にした、立派なパイプオルガンが目を引きます。
残念ながら、今年の演奏会ではパイプオルガンを使用しないんですけどね;
僕はとてもお気に入りのホールです。
着席し、一息つきながらパンフを開き、プログラムに目を通すと・・・
第1部はFFシリーズの曲をピックアップ、
そして第2部と第3部は『交響組曲ファイナルファンタジーV』!
いやー、やばいですね。
FF5の楽曲を、ストーリーに沿った形でほとんどやってしまうという。。。
まさに、FF5好きとしてはたまらない演奏会なわけです!
あと、リトルさんは毎回のことなんですが、びっしりと楽曲解説が書かれていてすばらしい!
楽曲への愛情と思い入れが伝わってきますね。
しばらく読みふけっていました。
・・・さて、そうこうしているうちに開演時間!
リトル団員の皆さんと、ゲーム音楽合唱団、Chor Crystal Mana
(コール・クリスタル・マナ。以下、CCMと略します)の皆さんが
ホール内に続々と入ってきました。
お、そろそろはじまるかな!
【第一部】
と、思いきや。
パイプオルガン前に、金管部隊のみなさんとスネアドラムの方が並びます。
なんだろう。と思った瞬間、
FF5の「王家の宮殿」(ウォルスやタイクーンなど、城で流れる曲)が
開幕ファンファーレとして演奏されました!
プログラムに書かれていなかったので意外性があり、おお、と声が出ちゃいました。
演奏会の幕開けにふさわしい旋律が、華やかに奏でられたのです。
演奏後、会場は拍手に包まれます。
パイプオルガン前のみなさんたちが、ステージ上にスタンバイ済みの
楽団メンバーの皆さんに合流したのち、オーケストラの音合わせ。
この音、始まる!って感じがして好きなんです。
そして、指揮の志村健一さんが入場。大きな拍手で迎えられます。
ステージの全方向に客席があるホールなので、会場全体に対して数度お辞儀をしたのち、
タクトをかかげます。・・・静まり返るホール。
◆Liberi Fatali(FF8)
まずはFF8のオープニング曲「Liberi Fatali」!
CCMの皆さんによるコーラスと、オーケストラの荘厳なハーモニーが
みなとみらいホールを揺るがします。
サントラで何百回と聞いた曲ですが、やはり生の演奏は全く違いますね。
身体へダイレクトに伝わる音圧や音の振動、奏者の皆さんの懸命に音を奏でる姿、
そのすべてを自らの五感で体感することこそが
演奏会の醍醐味だなぁ、と喜びをかみしめていました。
演奏後、志村さんがマイクを取って挨拶されました。
「本日はご来場ありがとうございます。
この日のために、1年間準備してきました」
志村さんいわく、「第一部は、料理に見立てると“前菜”。
しかし、とてもヘビーな内容になっている」とのことです…!
団員のみなさんに向かって、「体力はだいじょうぶですか!?
最後までがんばれますか!?」と呼びかける志村さん。
「おー!」と力強く答える団員のみなさん。頼もしいです!w
続いて志村さんは、観客に向けて「今日はFF5を演奏しますが、
FF5を予習されてきた方は…最後までプレイされてきた方はいますか?」と質問。
観客の半分くらいの手があがります。
「もちろん、みんなは・・・予習しましたね?」
同じ質問を今度は団員のみなさんに対して言うと、ほとんど全員の方が挙手!
「ハイ。あたりまえです!」
さすがですww これには会場からも笑いが起こりました。
さすがリトルさんですね~、プロのオーケストラだと、
あくまで仕事として元作品を知らないで演奏するってことも多いと思いますけど、
リトルさんは本当に、FFというゲームの音楽が好きでやっているんですね。
◆Shadow Lord~Awakening(FF11)
さてお次はFF11!
FF11の“闇王”との対決を表したメドレーですね。
「Shadow Lord」は重厚な音の響きが、闇の王の城という
まがまがしい雰囲気をよく表していました。
そして「Awakening」は闇王とのバトル曲。
僕はFF11は未プレイなのですが、この曲好きです!
ハイテンポで奏でられるストリングス、パーカッションの音が迫力満点で、緊張感を煽ります。
そこに入ってくる美しくも哀しげなコーラスがたまらないですね。
闇王を倒したあとは、重厚なCCMさんのコーラスが。。。
どこかで聴いたことがあるなと思ったら、FF11オープニング曲の「石の記憶」ですね!
ラストは、闇王を倒した喜びを表現するかのように晴れやかなファンファーレで
締めくくられます。
演奏後には、会場にいらしていたFF11の作曲家・谷岡久美さんが紹介されました。
普通に客席に座って聴かれていましたよ。
ツイッターによると、とても満足されていたようです!
次はFF1~3のバトル曲メドレー!
志村さんは「まだ1部ですけど、完全燃焼します」と宣言。
演奏前に、志村さんや団員の皆さんは腕まくりをしておりました。
「全力疾走で演奏しますよ!!」
超~気合入ってますw いいなぁ。熱いw
◆戦闘シーン(FF1)~戦闘シーン1(FF2)~戦闘シーン2(FF2)
~バトル1(FF3)~バトル2(FF3)~最後の死闘(FF3)
おなじみのイントロからはじまったバトルメドレー!
特筆すべきなのはFF3の「最後の死闘」ですね。
この曲はメインメロディだけでなく、イントロ部分もきっちり演奏されてました!
ゆっくりめのイントロから、ちょっとずつテンポが早くなっていくところはもちろん、
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンで音をずらして弾くことで、
原曲と同じ“うねる”ような響きまでもが忠実に再現されていて。。。
会場にいる全員が、闇に取り込まれるんちゃうかってくらいの恐ろしい雰囲気!
まさに、今にもくらやみのくもが出てきそうなほどでしたよ。
第1部なのにクライマックス感満載でした。
さてさて。
休憩をはさんで、いよいよ今回のメインディッシュであるFF5が始まりです!
【第二部】 交響組曲ファイナルファンタジーV
◆メインテーマ
FF5を語るうえでは欠かすことのできないメインテーマ。
原曲のイメージを大切にしたアレンジになっていました!
1周目では木管楽器がメインの、やさしい印象の音だったんですけど、
2周目ではストリングスが入ってきて音の厚みがさらに増えて。。。!!
ストリングスが「風」のイメージにすごくぴったりで、
うおおおおお…!! っと思わず声が出そうなくらいにシビれましたね。
原曲も、FFで1、2を争うほどとてもさわやかな曲ですけど、
それが更に美しく進化を遂げていました。
昔みんなでよく遊んだ草原に、チョコボに乗って久しぶりに帰ってきたような感覚でしたね…
リトルさんの新たな息吹で爽やかな風を感じる。。。
そんな名演奏にじーんと来ていました。ありがとうありがとうリトルさん!!
◆オープニング
朝焼けのタイクーン城のシーンは、ゆったり穏やかに奏でられ、
風の異変によって生じる不穏な空気は、ストリングスが演出します。
そして、砕け散ってしまうクリスタルのシーンの破壊的な響きは、
会場をも壊すのではないかと思うほどのすさまじい盛り上がり。
FF5のあのオープニングが、リトルさんの演奏で鮮やかに蘇ってきました。
いやあ、この曲をオーケストラで聴ける日が来るとは!
実際にオーケストラで聴いて、あらためてドラマチックだなあと思いました。
まだキャラクターの表情もうかがい知れないドット絵であったスーパーファミコンの時代に、
冒頭からこれだけ吸引力のあるドラマが演出されたのは、
間違いなく植松伸夫さんの作った音楽の力があったからこそでしょうね。
◆4つの心~ダンジョン~バトル1
まずは第1世界! 「4つの心」は金管がメインの力強い演奏で、
バッツたちが元気一杯に進む様子が良く表現されていました。
続くダンジョンの曲。この曲はあんまり目立たないですけど、美しいですねー。
ひんやりとした冷たい印象や怖さの中に美しさがあるなあ、と
リトルさんの演奏で改めて認識しました。
でもってバトルに突入!
おなじみのイントロがしっかり入っており、原曲と同じテンポで、
さらに音色も原曲のイメージを崩さない、再現度の高い演奏でした。
曲が一巡したあと、突然曲が変わり、隠し曲として「レクイエム」が演奏されました。
全滅しちゃった……! かなしいw
「勝利のファンファーレじゃないんかい!」と、
思わず心の中で突っ込んじゃいました。
こういうツッコミどころのある小ネタが入っているのはいいですね~
ファン心がくすぐられます。w
◆街のテーマ~ハーヴェスト
イントロのハープから、オーボエをメインにゆったりと奏でられた街のテーマ。
やさしくて癒される曲ですね~。
のんびりとした街の雰囲気がよく出ていました。
お次はハーヴェスト! ケルブの村などで流れる音楽ですね。
フィドルとクラリネットをメインに、明るく奏でられます!
手拍子も入って、まさに収穫祭って感じのにぎやかな雰囲気が演出されていました。
◆銀嶺を行く~レナのテーマ
この曲順! ゲームでの、飛竜草を取りに行くイベントの流れが再現されていますね。
北の山などで流れる「銀嶺を行く」、初めて生で聴きましたけど
トランペットがよく鳴っていましたね~。
まさに山を駆けめぐる、って感じがしてかっこよかったです。
レナのテーマはフルートの音色がとても優しく、レナの人柄をよく表していました。
北の山の頂上で、レナが飛竜に飛竜草を与えるイベントはとても印象に残っているんですが
演奏によってフラッシュバックしてきましたよ。
◆火力船~古代図書館~ムジカマキーナ
「古代図書館」なんてね、ましてや「ムジカマキーナ」なんてね、
スクエニ公式のFFコンサートだとまず演奏してくれないじゃないですか。
マイナーな曲もちゃんとやってくれるのが、さすがリトルさんです!!
「古代図書館」では、パンフに「対旋律に違う曲を入れてみました」と書いてあったので
気にしながら聴いていたんですが、「古き土の眠り」(ピラミッドの曲)が入ってましたね。
違和感なく、うまい具合に溶け込んでいました。
あと、原曲に入っている“ズイーッ”という音は、デコボコした溝を
棒でこすって音を出す楽器で演奏していて、再現度抜群&見てて楽しかったですw
さらに「ムジカマキーナ」では、木琴のお姉さんが木琴の下のパイプ部分を
横にすべらせるように叩いて弾いているのが印象的でしたね。
オイオイ、そんな音の出し方するんですか!!と。
あらゆる手を使って原曲に近づけようとしているなあ、とすごく感心しましたよ。
耳だけではなく、目でも楽しめました! 素晴らしい!
◆はるかなる故郷~想い出のオルゴール
バッツの故郷の村、リックスで流れる曲「はるかなる故郷」。
人気の高い曲ですよね!僕も大好きです。
しかしそれ以上に印象的だったのが、途中でスッと入ってくる「想い出のオルゴール」。
鉄琴の方オンリーでの演奏だったんですが、とてもやさしい音色で癒されました。
そこへさらにストリングスが入ってきて、ワルツ曲のような美しい演奏に…!
じんわりと感動が僕の全身を支配しました。
再び鉄琴オンリーの演奏になったと思いきや、
だんだんとオルゴールはゆっくりになっていって・・・止まります。
これで演奏終わりか、と思いきや、「はるかなる故郷」にまた戻る!
この流れは小粋だなぁと感心しました。
想い出を大切にしつつ、現実世界でしっかり生きていかなきゃ、ね。
休憩をはさんで、FF5の物語も後半に突入です!
【第三部】
◆未知なる大地~ビッグブリッヂの死闘~大森林の伝説
~覇王エクスデス~離愁
第2世界のフィールド曲「未知なる大地」。
見知らぬ地にやってきたバッツたちの不安感が、クラリネットの音色でよく表現されていました。
そしてきた、人気曲「ビッグブリッヂの死闘」!
木琴のお姉さんの早弾きが相変わらずすごいです。一度間近で見てみたい。w
でもここでは、ビッグブリッヂの演奏はわりとあっさり終わったんですよね。
「あれ、やけにあっさり流されたな…。
まあ、ほかのコンサートでもよく演奏されるから、いいか」
僕はそんなふうに思っていました。
一転してやさしい曲「大森林の伝説」。ハープソロから始まって、木管が入ってきて、
会場が癒しの緑空間になったかと思えば、
暑苦しいもとい重苦しいエクスデスのテーマが登場。圧倒的な音圧、迫力。
そして「離愁」。
長老の木での、あの別れのシーンがよみがえりました。せつないです。。。
◆新しき世界
第3世界のフィールド曲ですね。
原曲は、人の声のようにも聞こえる音が入っているのが印象的だったのですが、
リトルさんの演奏では「ううう~」というCCMさんのコーラスがバックに薄く入っていて!
再現性ばっちり、かつ、さらに哀愁で彩られていて素敵でしたね。
◆虚空への前奏曲~光を求めて~バトル2
ラストダンジョンである次元の狭間のメドレーですね。
不安、不気味な感じのする「虚空への前奏曲」から
突然「光を求めて」に曲が変わったのはテンションあがりました!
これは完全に主人公視点の曲ですね。
さぁ!行くぜ!!って雰囲気が、金管楽器でよく表現されていました。
続けて、バトル2。ボス戦の曲ですね!
原曲さながらの緊迫感あふれる演奏でした。
ラストダンジョンではいろんなボスと戦ってたよなぁ、と思い返しつつ聴いていると、
突然バトル2の演奏がぴたっと止まり。
響き渡るCCMさんのコーラス!
聴きおぼえのあるイントロ!!
2回目の「ビッグブリッヂの死闘」が演奏されはじめました。
「バッツ!
お前とは一度…… 1対1で勝負したかったぜ!」
瞬間的に、ネクロフォビア戦に現れた“あいつ”の姿が脳裏をよぎり。
ぞわっ、と全身に鳥肌が立ちました。
しかも、1回目とはアレンジが変わってて。
CCMさんのコーラスも入っていて、より豪華なアレンジになっているという。
なんなんですかこの粋な演出は!!!!! 熱すぎる!!!
そういうことだったか。
1回目のビッグブリッジの曲解説で書いてあった“ショートバージョン”というのは
そういうことだったか!
ああもう、2回目はパンフレットに曲目が書いてなかったのがニクい!
ニクいぞリトルジャックオーケストラ!!!w
もうね、こんな演出は、ゲームをちゃんと理解していないと絶対できないですよ。
いやあ。。。やられました。僕は今回一番心に残りましたね。
◆暁の戦士~決戦~最後の闘い
そして、熱気を帯びたままラスボスに突入です。
「暁の戦士」で盛り上げた後は「決戦」。
これこれ! これを生で聴きたかった!
大地を割るかのように鳴り響くパーカッション、吹きすさぶ風のようにうなるヴァイオリン。
CCMさんのコーラスも、闘いの激しさを演出しておりました。
続く「最後の闘い」も、団員の皆さんの残りHPが心配になるくらいハイテンポの曲で。
まさに宇宙の法則が乱れる!かのような、鬼気迫る激しい演奏でした。
志村さんの指揮が、ボスと戦っているかのように見えました。
バトル曲の熱さはリトルさんのお家芸だと個人的に思っているのですが、
僕自身も戦っている気分になるほど手に汗にぎる演奏でしたね!
◆静寂の彼方~親愛なる友へ
~ファイナルファンタジー~エンドタイトル
しばらく、ボスを倒したあとの余韻にひたるような「静寂の彼方」。
ゆっくりとした穏やかな旋律が、場内を包みます。
次の「親愛なる友へ」は原曲がギターのイメージの音なので
コンサートでもギターで演奏されることが多いんですが、
今回はピアノソロでの演奏でした。ピアノも合いますね!
続いて、FF全シリーズの中でも珍しい、やさしい音色の「ファイナルファンタジー」。
ハープと鉄琴で奏でられる、クリスタルを思わせるような透きとおった音色から始まり、
木管の優しい旋律に・・・。うう、美しい。
そして、金管のみなさんが高らかなファンファーレで始まりを告げての「エンドタイトル」。
爽やかで、壮大なフィナーレが奏でられました。
この曲は「大いなる翼を広げ」と共通のメロディで、個人的にも大好きな曲です。
演奏を聴きながら、ゲームをもう一度クリアした気分になり、
チョコボと飛竜に乗って空と大地を駆け巡るバッツたちの姿を思い出しました。
というか、最初に入る飛竜の鳴き声までが再現されていたんですが、
そこまでしっかり再現するか!!とびっくりでした。
チューバの方が音を出されていたようですね。お見事です!
演奏が終わった瞬間、観客からは惜しみない大きな拍手が巻き起こりました。
志村さんは何度も深々とお辞儀をしたあと一度退場し、再度入場します。
【アンコール】
「ありがとうございました…(小声で)」
大曲の指揮を終えた直後のせいか、お礼を述べる志村さんの息も若干あがっています。;w
普通の演奏会の2倍くらいのボリュームだったという今回の演奏会、
それは息もあがるってもんです。
でも「アンコールをご用意しております!」と志村さん。
さあ、何が来るだろう!と思いきや。
◆ん?
意外ww まさかこの曲が来るとは思いませんでした!
FF5のコミカルなシーンで流れる音楽ですね。
個人的には、寝ているファリスにドキドキするバッツとガラフのシーンを
一番に思い浮かべてしまいますw
最初の「シャシャシャシャシャ…」×2というステレオ効果のところから完全再現。
途中に入る「ちーん」という音は、コンサートマスターの方が持つ風鈴を
志村さんが申し訳なさげに鳴らしており、会場からは笑いが起こりました。w
さらに牛の鳴き声のような「モーー」って音まで入っていたんですけど、
どうやって鳴らしているのか分からなかったです;w
◆マンボdeチョコボ
そしてお次は「マンボdeチョコボ」!
「ハァ~、ウッ!」という掛け声を、CCMのみなさんが左右に揺れながら歌ってました。
めっちゃ楽しそうでしたよw
観客からも手拍子が入って、あたたかい雰囲気でした!
途中からは、昔発売されていた、FF5の8cmシングルCDに入っているバージョンの
「マンボdeチョコボ」生演奏のアレンジになりました。
あれです、植松さんが顔出しでマラカスを振ってたCDです。
場内の雰囲気はラテン的なさらに楽しいものになりました!
※めっちゃ余談ですが、この曲を聞くと植松ラヂヲを思い出してしまうのは
僕だけでしょうか。w
◆ハーヴェスト
志村さんは「もう1曲アンコールがあるんですよ」ということで、
2000人でハーヴェストを演奏してみようという企画をすることに!
会場の観客は、ホールのセンターラインから左右に1000人ずつ
AチームとBチームに分かれ、それぞれ違う手拍子のリズムで演奏に参加しました。
僕はBチームだったのですが、いやあ楽しかったです!
叩きっぱなしの手の痛みも気にならないくらい!w
けっこう難度の高いリズムだったように思うんですけど、なんとか演奏しきったのがすごいですね。
これだけの大人数でハーヴェストを演奏したのは間違いなく世界初でしょうね!w
◆片翼の天使(FF7)
さらにもう1曲、ということで片翼!
スクエニ公式のコンサートにも負けない、迫力あるパワフルな演奏でした。
志村さんからは「CCMさんは、この曲で何度もほかのオーケストラと共演されていて、
彼らの十八番」と紹介されていました。また、リトルさんとCCMさんの共演は、
この曲をやりたい、というのがきっかけだったそうですね~。
というか、FF5特集だったのに最後はセフィロスが持って行くのねw
セフィロス!!で締めた後は、志村さんから次回の演奏会告知。
次回第10回の定期演奏会は、来年2013年の8月18日に開催!
メインプログラムは『交響組曲ファイナルファンタジーIX』とのことです。
FF9好きの方は行くしかないですね!
最後は、「来年もまた来てくれるかなー?」と志村さんが一言。
「いいともー!」って言いました、もちろん。
志村さんオチャメで大好きです。w
【あとがき】
というわけで、今年もリトルさん楽しめました!
いや~おなかいっぱいです。
音楽で、もう一度ファイナルファンタジーVという作品をリプレイした気分でした。
ゲームをプレイしたことがない人でも、プレイしてみたくなったのではないかなと思います。
リトルさんはとにかく、曲順やアレンジや、演奏のひとつひとつの音など、すべてにおいて
団員さんひとりひとりのFF音楽に対する愛がこもりまくっているんですよね。
聴いていると、それがひしひしと伝わってくるのです。
そして満足感がすごいんです。
FF好きの皆さんによる愛や熱のこもった演奏を、
同じようにFFが大好きなみんなで聴いて、楽しさを分かち合える・・・
とっても幸せな空間だな~としみじみ思います。
リトルさん、大好きです!!
まだリトルさんをお聴きになったことのない方へは、心の底からおすすめしたいです。
遠方の方は、会場に行きたくても距離の問題で行きづらいとか、
チケットが年々取りづらくなっているとか、いろいろハードルはありますが、
FF好きな方はぜひなんとかチケット入手して会場に来て聞いていただきたいなと切に思います!!
・・・と、これまで基本的にずっと褒めてきましたが、今回の演奏会…残念な点もありました。
演奏会の後半…第三部あたりから、演奏中に小さい子どもの声が場内に響いているのが
少し気になってしまったんです。
リトルさんのパンフには、「より多くの方に演奏を楽しんでもらえるように、
未就学児のお連れのお客様もお迎えしております」と書かれています。
これはとても素晴らしいことですね。
ただ、「他のお客様のご迷惑になるような場合には、一時ロビーにてお過ごしいただければと存じます」
とも書かれているので、親御さんはきちんと対応してもらえたらと思いました。
この件はツイッターでも同様の意見を割と見かけたので、気になっていた方も多いんじゃないかなと。。。
やっぱり、集中して音楽を聴きたいお客さんもいらっしゃると思いますので。
バトル曲のような大きな音の曲だといいんですけど、
静かな曲の場合だと、子どもの声が入ると場内に響いてしまいますからね;
あと、今回の演奏時間は演奏時間が3時間近くにもわたったので、
正直なところ、やりたいことを全部詰め込みすぎ、という印象も少しありました。
(第1部ははずして、FF5だけでもよかったんじゃないかなって気がします)
でもまあ、それだけ情熱に満ちあふれてるってことだとは思いますが!
僕はときどき、リトルさんがFFやドラクエなどスクエニ社以外の
ゲーム音楽を演奏するのを聴いてみたいと思うことがあります。
でもリトルさんがリトルさんたりえるのは、
奏者の皆さんがまず、演奏対象のゲームに深い深い愛があって、
「演奏したい」という揺るぎない情熱に突き動かされ、
そのゲームの音楽に向かい合って活動されているからこそなのでしょうね。
じゃないと、こんなに熱い演奏はできません。
たった数時間の本番のためだけに、日々の貴重な時間をささげて練習し、長い時間をかけて
音を作り上げてきた団員のみなさんに、心から敬意を表します。
これからも、リトルさんならではのあふれるほどの愛情でもって、
リトルさんにしかできないゲーム音楽を奏でていってほしいなと思います。
僕も、こんなに素晴らしい楽団がある、ということを
ずっと広めていきたいと思ってますので。今後とも応援しておりますッ!!
来年の演奏会も今から楽しみです。(まだ1年先ですが!w)
おまけ:
会場にいらしていたマリオピアニスト・kantakuさんが装備されていた、
FF1の黒魔術士と白魔術士が描かれたスニーカーです。かわいい!
謝辞:
最後まで記事をご覧いただいて、ありがとうございました。
当ブログのレポートの方向性については、
長くなったとしても、とことん演奏会の内容を細かく書いたほうがいいのか、
それとももうちょっと削って短くしたほうがいいのか…悩みました。
あまりにも長いと、読者の方が読み疲れてしまうリスクがあるので。;
でも、やはり出来る限り細部まで描写して、演奏会に行けなかった方に
会場の雰囲気を少しでも多く味わってもらいたいと思い、このような長大な記事になりました。
どのような感想をお持ちになったか、よかったらご意見をいただければ幸いです。
(右下の「拍手する」ボタンで、ひで個人宛にメッセージをお送りいただけます。)
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下村陽子さん来場、妖星乱舞完全版! リトルジャックオーケストラ 第8回定期演奏会レポート詳細版
【クロノ&DQ1】リトルジャックオーケストラ 第7回定期演奏会レポート詳細版
こんばんは、ひでです。
先日8月12日に開催された、ゲーム音楽を演奏する管弦楽団
“リトルジャックオーケストラ”さん(以下、リトルさん)の第9回定期演奏会に行ってきました!
遅くなりましたが、その様子をレポートしたいと思います。
今回の演奏会では、『ファイナルファンタジーV』を中心にFFの楽曲が多数演奏されましたが、
全体を通して、リトルさんのFFという作品への愛に満ちあふれた演奏会でした!
この記事では、残念ながら演奏会に足を運べなかった方や、
リトルさんをご存知なかった方にも疑似的に演奏会を楽しんでもらえるように、
演奏会当日の様子を、最初から最後まですべてを追う形でなるべく詳しく書いていきます。
そのため(当ブログでは毎度おなじみ…w)長大な記事となっていますが、
お時間のある際にごゆっくりお読みいただければと思います。
リトルさんの魅力を、ひとりでも多くの方にお伝えできれば幸いです。
今回の会場は、横浜みなとみらいホール 大ホール!
毎年夏に開催されているリトルさんの定期演奏会ですが、
今年はFF5の特集ということで、僕はずっと楽しみにしていました。
それこそ、去年のリトルさんの演奏会で告知があってからずっと…。
(※リトルさんは、去年もここみなとみらいホールで演奏会を行っていました。レポートはこちら)
本当に、待ちに待ったという感じでしたよ。
演奏会の前日はなかなか眠れませんでしたから。w
会場内に入ると、すでに行列ができていました。
すぐさま行列に並びつつ、あー今年も始まるなあとわくわくしながら
自分の順番が来るのを待ちます。
チケットをもぎってもらった後、パンフを受け取りました!
パンフには、ゲーム音楽演奏楽団さんなどのチラシがたくさん挟みこまれていたのですが…
パンフよりも重量がある!w
さすが人気楽団のリトルさん、チラシを入れる団体の数もすごいなあと思いつつ
階段をのぼると、すでに人だかりが。
でもってその中心には、楽器を持った団員さん数名の姿が!
リトルさんはほぼ毎回、開演までの時間でロビーコンサートをやってくれるのです。
今年も、アンサンブル形式で多数の曲を演奏してくれました。
◆演奏曲
・FF6「スラム・シャッフル」「霊峰コルツ」
・FF11「Autumn Footfalls ~ Selbina ~ Vana’diel March」
・FF5「暁の城」「おれたちゃ海賊」
・FF3「悠久の風」
・FF1「カオスの神殿」
・FF2「パンデモニウム城」
最後のパンデモニウムは、コーラスも入っていて美しかったですね~。
というか、ロビコンなのに30分近くのボリュームがあって、
正直これだけでもけっこう満足しておりましたw
でも本番はまだまだこれからなのです!。
知り合いの皆さんとロビーで軽く話した後、ホール内へと入ります。
※ホール内は撮影禁止だったので、みなとみらいホール公式サイトより写真を引用しています。
去年の演奏会以来1年ぶりに目にした、立派なパイプオルガンが目を引きます。
残念ながら、今年の演奏会ではパイプオルガンを使用しないんですけどね;
僕はとてもお気に入りのホールです。
着席し、一息つきながらパンフを開き、プログラムに目を通すと・・・
第1部はFFシリーズの曲をピックアップ、
そして第2部と第3部は『交響組曲ファイナルファンタジーV』!
いやー、やばいですね。
FF5の楽曲を、ストーリーに沿った形でほとんどやってしまうという。。。
まさに、FF5好きとしてはたまらない演奏会なわけです!
あと、リトルさんは毎回のことなんですが、びっしりと楽曲解説が書かれていてすばらしい!
楽曲への愛情と思い入れが伝わってきますね。
しばらく読みふけっていました。
・・・さて、そうこうしているうちに開演時間!
リトル団員の皆さんと、ゲーム音楽合唱団、Chor Crystal Mana
(コール・クリスタル・マナ。以下、CCMと略します)の皆さんが
ホール内に続々と入ってきました。
お、そろそろはじまるかな!
【第一部】
と、思いきや。
パイプオルガン前に、金管部隊のみなさんとスネアドラムの方が並びます。
なんだろう。と思った瞬間、
FF5の「王家の宮殿」(ウォルスやタイクーンなど、城で流れる曲)が
開幕ファンファーレとして演奏されました!
プログラムに書かれていなかったので意外性があり、おお、と声が出ちゃいました。
演奏会の幕開けにふさわしい旋律が、華やかに奏でられたのです。
演奏後、会場は拍手に包まれます。
パイプオルガン前のみなさんたちが、ステージ上にスタンバイ済みの
楽団メンバーの皆さんに合流したのち、オーケストラの音合わせ。
この音、始まる!って感じがして好きなんです。
そして、指揮の志村健一さんが入場。大きな拍手で迎えられます。
ステージの全方向に客席があるホールなので、会場全体に対して数度お辞儀をしたのち、
タクトをかかげます。・・・静まり返るホール。
◆Liberi Fatali(FF8)
まずはFF8のオープニング曲「Liberi Fatali」!
CCMの皆さんによるコーラスと、オーケストラの荘厳なハーモニーが
みなとみらいホールを揺るがします。
サントラで何百回と聞いた曲ですが、やはり生の演奏は全く違いますね。
身体へダイレクトに伝わる音圧や音の振動、奏者の皆さんの懸命に音を奏でる姿、
そのすべてを自らの五感で体感することこそが
演奏会の醍醐味だなぁ、と喜びをかみしめていました。
演奏後、志村さんがマイクを取って挨拶されました。
「本日はご来場ありがとうございます。
この日のために、1年間準備してきました」
志村さんいわく、「第一部は、料理に見立てると“前菜”。
しかし、とてもヘビーな内容になっている」とのことです…!
団員のみなさんに向かって、「体力はだいじょうぶですか!?
最後までがんばれますか!?」と呼びかける志村さん。
「おー!」と力強く答える団員のみなさん。頼もしいです!w
続いて志村さんは、観客に向けて「今日はFF5を演奏しますが、
FF5を予習されてきた方は…最後までプレイされてきた方はいますか?」と質問。
観客の半分くらいの手があがります。
「もちろん、みんなは・・・予習しましたね?」
同じ質問を今度は団員のみなさんに対して言うと、ほとんど全員の方が挙手!
「ハイ。あたりまえです!」
さすがですww これには会場からも笑いが起こりました。
さすがリトルさんですね~、プロのオーケストラだと、
あくまで仕事として元作品を知らないで演奏するってことも多いと思いますけど、
リトルさんは本当に、FFというゲームの音楽が好きでやっているんですね。
◆Shadow Lord~Awakening(FF11)
さてお次はFF11!
FF11の“闇王”との対決を表したメドレーですね。
「Shadow Lord」は重厚な音の響きが、闇の王の城という
まがまがしい雰囲気をよく表していました。
そして「Awakening」は闇王とのバトル曲。
僕はFF11は未プレイなのですが、この曲好きです!
ハイテンポで奏でられるストリングス、パーカッションの音が迫力満点で、緊張感を煽ります。
そこに入ってくる美しくも哀しげなコーラスがたまらないですね。
闇王を倒したあとは、重厚なCCMさんのコーラスが。。。
どこかで聴いたことがあるなと思ったら、FF11オープニング曲の「石の記憶」ですね!
ラストは、闇王を倒した喜びを表現するかのように晴れやかなファンファーレで
締めくくられます。
演奏後には、会場にいらしていたFF11の作曲家・谷岡久美さんが紹介されました。
普通に客席に座って聴かれていましたよ。
ツイッターによると、とても満足されていたようです!
本日はリトルジャックオーケストラの定期演奏会でした!!闇王演奏していただきました!!大変やったやろなー( ̄▽ ̄;)FF5も、本当にいろんなことを思い出しながら聴かせて頂きました!!楽しい時間、ありがとうございました!!(*^^*) p.twipple.jp/MZQCt
— kumi_taniokaさん (@tanikumi) 8月 12, 2012
次はFF1~3のバトル曲メドレー!
志村さんは「まだ1部ですけど、完全燃焼します」と宣言。
演奏前に、志村さんや団員の皆さんは腕まくりをしておりました。
「全力疾走で演奏しますよ!!」
超~気合入ってますw いいなぁ。熱いw
◆戦闘シーン(FF1)~戦闘シーン1(FF2)~戦闘シーン2(FF2)
~バトル1(FF3)~バトル2(FF3)~最後の死闘(FF3)
おなじみのイントロからはじまったバトルメドレー!
特筆すべきなのはFF3の「最後の死闘」ですね。
この曲はメインメロディだけでなく、イントロ部分もきっちり演奏されてました!
ゆっくりめのイントロから、ちょっとずつテンポが早くなっていくところはもちろん、
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンで音をずらして弾くことで、
原曲と同じ“うねる”ような響きまでもが忠実に再現されていて。。。
会場にいる全員が、闇に取り込まれるんちゃうかってくらいの恐ろしい雰囲気!
まさに、今にもくらやみのくもが出てきそうなほどでしたよ。
第1部なのにクライマックス感満載でした。
さてさて。
休憩をはさんで、いよいよ今回のメインディッシュであるFF5が始まりです!
【第二部】 交響組曲ファイナルファンタジーV
◆メインテーマ
FF5を語るうえでは欠かすことのできないメインテーマ。
原曲のイメージを大切にしたアレンジになっていました!
1周目では木管楽器がメインの、やさしい印象の音だったんですけど、
2周目ではストリングスが入ってきて音の厚みがさらに増えて。。。!!
ストリングスが「風」のイメージにすごくぴったりで、
うおおおおお…!! っと思わず声が出そうなくらいにシビれましたね。
原曲も、FFで1、2を争うほどとてもさわやかな曲ですけど、
それが更に美しく進化を遂げていました。
昔みんなでよく遊んだ草原に、チョコボに乗って久しぶりに帰ってきたような感覚でしたね…
リトルさんの新たな息吹で爽やかな風を感じる。。。
そんな名演奏にじーんと来ていました。ありがとうありがとうリトルさん!!
◆オープニング
朝焼けのタイクーン城のシーンは、ゆったり穏やかに奏でられ、
風の異変によって生じる不穏な空気は、ストリングスが演出します。
そして、砕け散ってしまうクリスタルのシーンの破壊的な響きは、
会場をも壊すのではないかと思うほどのすさまじい盛り上がり。
FF5のあのオープニングが、リトルさんの演奏で鮮やかに蘇ってきました。
いやあ、この曲をオーケストラで聴ける日が来るとは!
実際にオーケストラで聴いて、あらためてドラマチックだなあと思いました。
まだキャラクターの表情もうかがい知れないドット絵であったスーパーファミコンの時代に、
冒頭からこれだけ吸引力のあるドラマが演出されたのは、
間違いなく植松伸夫さんの作った音楽の力があったからこそでしょうね。
◆4つの心~ダンジョン~バトル1
まずは第1世界! 「4つの心」は金管がメインの力強い演奏で、
バッツたちが元気一杯に進む様子が良く表現されていました。
続くダンジョンの曲。この曲はあんまり目立たないですけど、美しいですねー。
ひんやりとした冷たい印象や怖さの中に美しさがあるなあ、と
リトルさんの演奏で改めて認識しました。
でもってバトルに突入!
おなじみのイントロがしっかり入っており、原曲と同じテンポで、
さらに音色も原曲のイメージを崩さない、再現度の高い演奏でした。
曲が一巡したあと、突然曲が変わり、隠し曲として「レクイエム」が演奏されました。
全滅しちゃった……! かなしいw
「勝利のファンファーレじゃないんかい!」と、
思わず心の中で突っ込んじゃいました。
こういうツッコミどころのある小ネタが入っているのはいいですね~
ファン心がくすぐられます。w
◆街のテーマ~ハーヴェスト
イントロのハープから、オーボエをメインにゆったりと奏でられた街のテーマ。
やさしくて癒される曲ですね~。
のんびりとした街の雰囲気がよく出ていました。
お次はハーヴェスト! ケルブの村などで流れる音楽ですね。
フィドルとクラリネットをメインに、明るく奏でられます!
手拍子も入って、まさに収穫祭って感じのにぎやかな雰囲気が演出されていました。
◆銀嶺を行く~レナのテーマ
この曲順! ゲームでの、飛竜草を取りに行くイベントの流れが再現されていますね。
北の山などで流れる「銀嶺を行く」、初めて生で聴きましたけど
トランペットがよく鳴っていましたね~。
まさに山を駆けめぐる、って感じがしてかっこよかったです。
レナのテーマはフルートの音色がとても優しく、レナの人柄をよく表していました。
北の山の頂上で、レナが飛竜に飛竜草を与えるイベントはとても印象に残っているんですが
演奏によってフラッシュバックしてきましたよ。
◆火力船~古代図書館~ムジカマキーナ
「古代図書館」なんてね、ましてや「ムジカマキーナ」なんてね、
スクエニ公式のFFコンサートだとまず演奏してくれないじゃないですか。
マイナーな曲もちゃんとやってくれるのが、さすがリトルさんです!!
「古代図書館」では、パンフに「対旋律に違う曲を入れてみました」と書いてあったので
気にしながら聴いていたんですが、「古き土の眠り」(ピラミッドの曲)が入ってましたね。
違和感なく、うまい具合に溶け込んでいました。
あと、原曲に入っている“ズイーッ”という音は、デコボコした溝を
棒でこすって音を出す楽器で演奏していて、再現度抜群&見てて楽しかったですw
さらに「ムジカマキーナ」では、木琴のお姉さんが木琴の下のパイプ部分を
横にすべらせるように叩いて弾いているのが印象的でしたね。
オイオイ、そんな音の出し方するんですか!!と。
あらゆる手を使って原曲に近づけようとしているなあ、とすごく感心しましたよ。
耳だけではなく、目でも楽しめました! 素晴らしい!
◆はるかなる故郷~想い出のオルゴール
バッツの故郷の村、リックスで流れる曲「はるかなる故郷」。
人気の高い曲ですよね!僕も大好きです。
しかしそれ以上に印象的だったのが、途中でスッと入ってくる「想い出のオルゴール」。
鉄琴の方オンリーでの演奏だったんですが、とてもやさしい音色で癒されました。
そこへさらにストリングスが入ってきて、ワルツ曲のような美しい演奏に…!
じんわりと感動が僕の全身を支配しました。
再び鉄琴オンリーの演奏になったと思いきや、
だんだんとオルゴールはゆっくりになっていって・・・止まります。
これで演奏終わりか、と思いきや、「はるかなる故郷」にまた戻る!
この流れは小粋だなぁと感心しました。
想い出を大切にしつつ、現実世界でしっかり生きていかなきゃ、ね。
休憩をはさんで、FF5の物語も後半に突入です!
【第三部】
◆未知なる大地~ビッグブリッヂの死闘~大森林の伝説
~覇王エクスデス~離愁
第2世界のフィールド曲「未知なる大地」。
見知らぬ地にやってきたバッツたちの不安感が、クラリネットの音色でよく表現されていました。
そしてきた、人気曲「ビッグブリッヂの死闘」!
木琴のお姉さんの早弾きが相変わらずすごいです。一度間近で見てみたい。w
でもここでは、ビッグブリッヂの演奏はわりとあっさり終わったんですよね。
「あれ、やけにあっさり流されたな…。
まあ、ほかのコンサートでもよく演奏されるから、いいか」
僕はそんなふうに思っていました。
一転してやさしい曲「大森林の伝説」。ハープソロから始まって、木管が入ってきて、
会場が癒しの緑空間になったかと思えば、
暑苦しいもとい重苦しいエクスデスのテーマが登場。圧倒的な音圧、迫力。
そして「離愁」。
長老の木での、あの別れのシーンがよみがえりました。せつないです。。。
◆新しき世界
第3世界のフィールド曲ですね。
原曲は、人の声のようにも聞こえる音が入っているのが印象的だったのですが、
リトルさんの演奏では「ううう~」というCCMさんのコーラスがバックに薄く入っていて!
再現性ばっちり、かつ、さらに哀愁で彩られていて素敵でしたね。
◆虚空への前奏曲~光を求めて~バトル2
ラストダンジョンである次元の狭間のメドレーですね。
不安、不気味な感じのする「虚空への前奏曲」から
突然「光を求めて」に曲が変わったのはテンションあがりました!
これは完全に主人公視点の曲ですね。
さぁ!行くぜ!!って雰囲気が、金管楽器でよく表現されていました。
続けて、バトル2。ボス戦の曲ですね!
原曲さながらの緊迫感あふれる演奏でした。
ラストダンジョンではいろんなボスと戦ってたよなぁ、と思い返しつつ聴いていると、
突然バトル2の演奏がぴたっと止まり。
響き渡るCCMさんのコーラス!
聴きおぼえのあるイントロ!!
2回目の「ビッグブリッヂの死闘」が演奏されはじめました。
「バッツ!
お前とは一度…… 1対1で勝負したかったぜ!」
瞬間的に、ネクロフォビア戦に現れた“あいつ”の姿が脳裏をよぎり。
ぞわっ、と全身に鳥肌が立ちました。
しかも、1回目とはアレンジが変わってて。
CCMさんのコーラスも入っていて、より豪華なアレンジになっているという。
なんなんですかこの粋な演出は!!!!! 熱すぎる!!!
そういうことだったか。
1回目のビッグブリッジの曲解説で書いてあった“ショートバージョン”というのは
そういうことだったか!
ああもう、2回目はパンフレットに曲目が書いてなかったのがニクい!
ニクいぞリトルジャックオーケストラ!!!w
もうね、こんな演出は、ゲームをちゃんと理解していないと絶対できないですよ。
いやあ。。。やられました。僕は今回一番心に残りましたね。
◆暁の戦士~決戦~最後の闘い
そして、熱気を帯びたままラスボスに突入です。
「暁の戦士」で盛り上げた後は「決戦」。
これこれ! これを生で聴きたかった!
大地を割るかのように鳴り響くパーカッション、吹きすさぶ風のようにうなるヴァイオリン。
CCMさんのコーラスも、闘いの激しさを演出しておりました。
続く「最後の闘い」も、団員の皆さんの残りHPが心配になるくらいハイテンポの曲で。
まさに宇宙の法則が乱れる!かのような、鬼気迫る激しい演奏でした。
志村さんの指揮が、ボスと戦っているかのように見えました。
バトル曲の熱さはリトルさんのお家芸だと個人的に思っているのですが、
僕自身も戦っている気分になるほど手に汗にぎる演奏でしたね!
◆静寂の彼方~親愛なる友へ
~ファイナルファンタジー~エンドタイトル
しばらく、ボスを倒したあとの余韻にひたるような「静寂の彼方」。
ゆっくりとした穏やかな旋律が、場内を包みます。
次の「親愛なる友へ」は原曲がギターのイメージの音なので
コンサートでもギターで演奏されることが多いんですが、
今回はピアノソロでの演奏でした。ピアノも合いますね!
続いて、FF全シリーズの中でも珍しい、やさしい音色の「ファイナルファンタジー」。
ハープと鉄琴で奏でられる、クリスタルを思わせるような透きとおった音色から始まり、
木管の優しい旋律に・・・。うう、美しい。
そして、金管のみなさんが高らかなファンファーレで始まりを告げての「エンドタイトル」。
爽やかで、壮大なフィナーレが奏でられました。
この曲は「大いなる翼を広げ」と共通のメロディで、個人的にも大好きな曲です。
演奏を聴きながら、ゲームをもう一度クリアした気分になり、
チョコボと飛竜に乗って空と大地を駆け巡るバッツたちの姿を思い出しました。
というか、最初に入る飛竜の鳴き声までが再現されていたんですが、
そこまでしっかり再現するか!!とびっくりでした。
チューバの方が音を出されていたようですね。お見事です!
演奏が終わった瞬間、観客からは惜しみない大きな拍手が巻き起こりました。
志村さんは何度も深々とお辞儀をしたあと一度退場し、再度入場します。
【アンコール】
「ありがとうございました…(小声で)」
大曲の指揮を終えた直後のせいか、お礼を述べる志村さんの息も若干あがっています。;w
普通の演奏会の2倍くらいのボリュームだったという今回の演奏会、
それは息もあがるってもんです。
でも「アンコールをご用意しております!」と志村さん。
さあ、何が来るだろう!と思いきや。
◆ん?
意外ww まさかこの曲が来るとは思いませんでした!
FF5のコミカルなシーンで流れる音楽ですね。
個人的には、寝ているファリスにドキドキするバッツとガラフのシーンを
一番に思い浮かべてしまいますw
最初の「シャシャシャシャシャ…」×2というステレオ効果のところから完全再現。
途中に入る「ちーん」という音は、コンサートマスターの方が持つ風鈴を
志村さんが申し訳なさげに鳴らしており、会場からは笑いが起こりました。w
さらに牛の鳴き声のような「モーー」って音まで入っていたんですけど、
どうやって鳴らしているのか分からなかったです;w
◆マンボdeチョコボ
そしてお次は「マンボdeチョコボ」!
「ハァ~、ウッ!」という掛け声を、CCMのみなさんが左右に揺れながら歌ってました。
めっちゃ楽しそうでしたよw
観客からも手拍子が入って、あたたかい雰囲気でした!
途中からは、昔発売されていた、FF5の8cmシングルCDに入っているバージョンの
「マンボdeチョコボ」生演奏のアレンジになりました。
あれです、植松さんが顔出しでマラカスを振ってたCDです。
場内の雰囲気はラテン的なさらに楽しいものになりました!
※めっちゃ余談ですが、この曲を聞くと植松ラヂヲを思い出してしまうのは
僕だけでしょうか。w
◆ハーヴェスト
志村さんは「もう1曲アンコールがあるんですよ」ということで、
2000人でハーヴェストを演奏してみようという企画をすることに!
会場の観客は、ホールのセンターラインから左右に1000人ずつ
AチームとBチームに分かれ、それぞれ違う手拍子のリズムで演奏に参加しました。
僕はBチームだったのですが、いやあ楽しかったです!
叩きっぱなしの手の痛みも気にならないくらい!w
けっこう難度の高いリズムだったように思うんですけど、なんとか演奏しきったのがすごいですね。
これだけの大人数でハーヴェストを演奏したのは間違いなく世界初でしょうね!w
◆片翼の天使(FF7)
さらにもう1曲、ということで片翼!
スクエニ公式のコンサートにも負けない、迫力あるパワフルな演奏でした。
志村さんからは「CCMさんは、この曲で何度もほかのオーケストラと共演されていて、
彼らの十八番」と紹介されていました。また、リトルさんとCCMさんの共演は、
この曲をやりたい、というのがきっかけだったそうですね~。
というか、FF5特集だったのに最後はセフィロスが持って行くのねw
セフィロス!!で締めた後は、志村さんから次回の演奏会告知。
次回第10回の定期演奏会は、来年2013年の8月18日に開催!
メインプログラムは『交響組曲ファイナルファンタジーIX』とのことです。
FF9好きの方は行くしかないですね!
最後は、「来年もまた来てくれるかなー?」と志村さんが一言。
「いいともー!」って言いました、もちろん。
志村さんオチャメで大好きです。w
【あとがき】
というわけで、今年もリトルさん楽しめました!
いや~おなかいっぱいです。
音楽で、もう一度ファイナルファンタジーVという作品をリプレイした気分でした。
ゲームをプレイしたことがない人でも、プレイしてみたくなったのではないかなと思います。
リトルさんはとにかく、曲順やアレンジや、演奏のひとつひとつの音など、すべてにおいて
団員さんひとりひとりのFF音楽に対する愛がこもりまくっているんですよね。
聴いていると、それがひしひしと伝わってくるのです。
そして満足感がすごいんです。
FF好きの皆さんによる愛や熱のこもった演奏を、
同じようにFFが大好きなみんなで聴いて、楽しさを分かち合える・・・
とっても幸せな空間だな~としみじみ思います。
リトルさん、大好きです!!
まだリトルさんをお聴きになったことのない方へは、心の底からおすすめしたいです。
遠方の方は、会場に行きたくても距離の問題で行きづらいとか、
チケットが年々取りづらくなっているとか、いろいろハードルはありますが、
FF好きな方はぜひなんとかチケット入手して会場に来て聞いていただきたいなと切に思います!!
・・・と、これまで基本的にずっと褒めてきましたが、今回の演奏会…残念な点もありました。
演奏会の後半…第三部あたりから、演奏中に小さい子どもの声が場内に響いているのが
少し気になってしまったんです。
リトルさんのパンフには、「より多くの方に演奏を楽しんでもらえるように、
未就学児のお連れのお客様もお迎えしております」と書かれています。
これはとても素晴らしいことですね。
ただ、「他のお客様のご迷惑になるような場合には、一時ロビーにてお過ごしいただければと存じます」
とも書かれているので、親御さんはきちんと対応してもらえたらと思いました。
この件はツイッターでも同様の意見を割と見かけたので、気になっていた方も多いんじゃないかなと。。。
やっぱり、集中して音楽を聴きたいお客さんもいらっしゃると思いますので。
バトル曲のような大きな音の曲だといいんですけど、
静かな曲の場合だと、子どもの声が入ると場内に響いてしまいますからね;
あと、今回の演奏時間は演奏時間が3時間近くにもわたったので、
正直なところ、やりたいことを全部詰め込みすぎ、という印象も少しありました。
(第1部ははずして、FF5だけでもよかったんじゃないかなって気がします)
でもまあ、それだけ情熱に満ちあふれてるってことだとは思いますが!
僕はときどき、リトルさんがFFやドラクエなどスクエニ社以外の
ゲーム音楽を演奏するのを聴いてみたいと思うことがあります。
でもリトルさんがリトルさんたりえるのは、
奏者の皆さんがまず、演奏対象のゲームに深い深い愛があって、
「演奏したい」という揺るぎない情熱に突き動かされ、
そのゲームの音楽に向かい合って活動されているからこそなのでしょうね。
じゃないと、こんなに熱い演奏はできません。
たった数時間の本番のためだけに、日々の貴重な時間をささげて練習し、長い時間をかけて
音を作り上げてきた団員のみなさんに、心から敬意を表します。
これからも、リトルさんならではのあふれるほどの愛情でもって、
リトルさんにしかできないゲーム音楽を奏でていってほしいなと思います。
僕も、こんなに素晴らしい楽団がある、ということを
ずっと広めていきたいと思ってますので。今後とも応援しておりますッ!!
来年の演奏会も今から楽しみです。(まだ1年先ですが!w)
おまけ:
会場にいらしていたマリオピアニスト・kantakuさんが装備されていた、
FF1の黒魔術士と白魔術士が描かれたスニーカーです。かわいい!
謝辞:
最後まで記事をご覧いただいて、ありがとうございました。
当ブログのレポートの方向性については、
長くなったとしても、とことん演奏会の内容を細かく書いたほうがいいのか、
それとももうちょっと削って短くしたほうがいいのか…悩みました。
あまりにも長いと、読者の方が読み疲れてしまうリスクがあるので。;
でも、やはり出来る限り細部まで描写して、演奏会に行けなかった方に
会場の雰囲気を少しでも多く味わってもらいたいと思い、このような長大な記事になりました。
どのような感想をお持ちになったか、よかったらご意見をいただければ幸いです。
(右下の「拍手する」ボタンで、ひで個人宛にメッセージをお送りいただけます。)
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