■まえがき
こんばんは、ひでです。
今回の記事では、去る8月18日(日)に開催された、
アマチュアゲーム音楽演奏団体
「リトルジャックオーケストラ」さん(以下、リトルさん)の
第10回定期演奏会に行ってきたレポを書きたいと思います。
だいぶアップが遅くなってしまいましたm(_ _)m
もう2か月近くも経ったとは……!! 時の流れ早すぎですね;
お待ちいただいていた方(特にうなさん!)すみません! たいへんお待たせいたしました!
さてさて、数あるアマチュアゲーム音楽演奏団体の中でも
人気・実力ともにトップクラスと思われるリトルさん。
今回は、『ファイナルファンタジーIX』(以下、FF9)の楽曲をメインに演奏されました。
FF9はリトルさんの第1回演奏会で演奏されていたそうなのですが、
第10回の節目ということで、今回再びプログラムに選ばれたそうです。
(これは、FF9の作品テーマである“原点回帰”の意味も込められているそうです。)
FF9の楽曲って、いままでに何度か開催されているスクエニ社主催のFFオーケストラコンサートだと、
「Melodies Of Life」、「Vamo' alla flamenco」、「独りじゃない」など、
わりと限られた曲目しか演奏されたことがなかったんですよね……。
でも今回のリトルさんは、曲数ベースでカウントすると、
なんと39曲にもおよぶ数々のFF9楽曲を演奏してしまうという、
FF9好きとしては夢のような演奏会だったのです!
「FF9にはもっと色々いい曲あるのにー!!」という思いを持っていた僕は
とっても楽しみにしておりました。
さらに今回はスペシャルゲストとして、「Melodies Of Life」を歌った
白鳥英美子さんが登場し、素敵な歌声を披露されました。
この演奏会が、あの会場だけで、たったの数時間で
終わってしまうなんて、もったいない!すごくもったいない!!
文章という形でもいいから、なんとかして残しておきたい――。
……と思った僕は、今回の記事を書きました。
この記事では、残念ながら演奏会に足を運べなかった方や、
リトルさんをご存知なかった方にも疑似的に演奏会を楽しんでもらえるように、
演奏会当日の様子を、最初から最後まですべてを追う形でなるべく詳しく書いていきます。
そのため当ブログでは毎度おなじみの、長大な記事となっていますが、
お時間のある際にごゆっくりご覧いただければ幸いです。
ゲーム愛にあふれた、リトルさんの演奏会の魅力を、
ひとりでも多くの方にお伝えできれば、僕はうれしいです。
前置きが長くなりました。では!8月18日へタイムスリップ!
毎年、夏に定期演奏会を開催されているリトルさん。
僕的には、もはや夏の風物詩のような存在になっています。
今回は僕の大好きなFF9の特集ということで、ずっと楽しみにしておりましたよ!
ちょうど1年前に開催された、前回のリトルさんの演奏会の時からずっと!
(そこで、次回はFF9特集ですという案内があったのです。)
今回の会場は、神奈川県横浜市の
「横浜みなとみらいホール」。
リトルさんの演奏会がこの場所で開催されるのは4度目となり、
すっかりおなじみになってきた感じがします。
(2009年および、2011年・2012年・2013年が横浜みなとみらいホールでの開催です)
ホール入口付近は、リトルさんを目当てに来たと思われる皆さんが集まっており、
とても賑やかになっていました。
ホールのロビーに入ると、すでに行列ができています!
受付のおねえさんにチケットを渡して、いざ入場です。
その際に、パンフレットをもらったのですが。
クリスタルが金の箔押しであしらわれていて、とっても素敵でした!
第10回という節目を迎えた記念だからでしょうか、
例年にも増して気合いが入っている感じです。
パンフレットに書かれていたプログラムはこんな感じです。
なななな、なんだこの曲数は……ッ! 見るだけでテンションが上がってきます!w
FF9好きとしてはたまらないな、楽しみだなと思いつつ階段をのぼると、
数台の譜面台を取り囲む形で、人だかりができていました。
しばらくすると奏者の皆さんがやってきて、
リトルさんの演奏会では恒例の、ロビーコンサートが始まります。
今回はなんの曲をやるのかなと思っていたら、あのタイトルがきました!
♪『ブレイブリーデフォルト』メドレー
・永遠の刹那(メニュー画面の曲)
・艶花の国(フロウエルの曲)
・光と影の地平(フィールド曲)
・戦いの鐘(通常バトル曲)
・勝利の歓び(バトル勝利ファンファーレ)
ブレイブリーを選曲するとは・・・!
う~ん、さすがスクエニのRPGに強いリトルさんですね。
ゲーム中耳にする機会が多い楽曲を、弦楽器アンサンブルで聴かせてくれました。
最後の「勝利の歓び」は、バトルに勝ったときのファンファーレの曲ですね。
ゲームでは、充分な経験値を得てレベルアップしたキャラはくるっと1回転するんですが、
この曲の演奏時に、
奏者さんがくるっとまわってました!w(ゲームとほとんど同じ動きでw)
これには観客からも大きな笑いが起こってました。
ブレイブリーはいつか、演奏会本編でも演奏されたらいいなぁと思いますw
お次に演奏されたのは、
♪“決戦”メドレー
・クロノ・トリガー「魔王決戦」
・聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝「最後の決戦」
・ファイナルファンタジーVI「決戦」
・ロマンシング サ・ガ「決戦!サルーイン」
「決戦」という言葉が含まれたスクウェアRPGのメドレーです。
プレコンサートだというのに、とばしますね…!w
「第一部がエンディングの曲なので、ラストバトル気分を味わってください」とMCの方が言われていました。
疾走感のあるメロディが、弦楽器で軽快に奏でられた決戦メドレー、とても熱かったです!
プレコンサートだけでもなかなかの満足感を得たのですが、ふと気が付きました。
まだ本番始まってないんだ、と;w
知り合いの方に挨拶を済ませたあとは、いざ、ホールの中へと入ります。
(ホール内は撮影禁止でしたので、写真は
横浜みなとみらいホール公式サイトより引用しています)
立派なパイプオルガンです…! 何度来ても目をひきますね。
僕は1階の右端のほうの席だったので、そこへ着席しました。
パンフレットを読みながら開演を待っていると、少しずつワクワク感が高まっていきます。
しばらくして、奏者のみなさんが入場。
そして指揮者の志村健一先生が拍手で迎えられ、演奏会がはじまります!
【第1部】
『ファイナルファンタジーVI』より「蘇る緑」
演奏時間21分と、FFシリーズ全作品を見渡してみてもトップクラスの長さを誇る超大曲です。
第1部をまるまる使っての演奏ですよ!
この曲は、FF6の全プレイヤーキャラ14人のテーマ曲によるメドレーとなっています。
FF6のエンディングの前半は、ラストダンジョンの「がれきの塔」から脱出する
各メンバーの様子が描かれるんですが、それにあわせて各キャラのテーマが流れるわけです。
(メドレーの順番:
カイエン → セッツァー → エドガー&マッシュ → モグ → ウーマロ → ゴゴ →
ガウ → セリス&ロック → ティナ → リルム → シャドウ → ストラゴス)
イントロの美しいピアノからはじまり、十人十色の個性を持つ各キャラクターのテーマが、
つぎつぎに演奏されていきます。
今回の演奏会でコーラスを担当されたのは、
ゲーム音楽合唱団の「Chor Crystal Mana(コール・クリスタル・マナ)」(以下、CCM)さんです。
美しいコーラスが、オーケストラの演奏に彩りを添えてくれました。
個人的に、特に印象深かったのはセリスのテーマですね。
この曲はFF6のオペラと同じメロディなんですが、演奏の途中からオペラ風にコーラスが入ってきて!
その美しさに思わず鳥肌が立ってしまいました…!
さらにそこへ、ロックのテーマも重なってきて。。。
作中での2人を思い返してしまって、思わずニヤリとしちゃいます。w
各キャラのテーマがすべて終わり、「蘇る緑」後半パートでは、
崩壊するがれきの塔から飛空艇で脱出する部分が描かれていきます。
脱出できるのか…!?という緊迫感を表現した重苦しい演奏が展開し、
そこから一転して、のびやかで爽快感のある演奏に。
ハイテンポで高らかに奏でられるメロディが、まさに大空を駆ける飛空艇のイメージで、
気持ちよかったです!
その後、演奏が一旦おちつく部分があるんですが、そこにFFシリーズではおなじみの
「プレリュード」がさりげなく混ざっているのが心地よかったです。
原曲にはないリトルさん独自のアレンジで、これはうまいなあと思いました。
そこからの「ファイナルファンタジー」!
やっぱりこの曲はエンディングって感じがしますね。やわらかな弦の響きが心地いいです。
荘厳なコーラスも、演奏を盛り上げてくれます。
また最後のほうには、オルガニストの井川緋奈さんが演奏するパイプオルガンも入ってきて、
さらに重厚感が増していきます!
ホールが壊れるんじゃないかと思うくらいの、絶大な音圧でクライマックスを迎えた直後には、
会場内に割れんばかりの大きな拍手が響き渡ったのでした。
第1部なのに、エンディング感がすごかったです。。。!w
【第2部】
『ファイナルファンタジーIX』より
休憩をはさみ、FF9特集がはじまります。
まず演奏されたのはこの曲!
♪いつか帰るところ
原曲と同様、リコーダーで演奏されました。
他の楽器は一切無く、4人の奏者さんによるリコーダーのみのアンサンブル演奏です。
素朴かつ優しさにあふれていて、かつ、郷愁をいざなう音色……。
この1曲だけで、観客は一気にFF9の世界へと引き込まれました。
さすがリトルさん、わかってる~!と思いましたね。
やっぱりこの曲はリコーダーで奏でられるのが一番だなと!
♪嵐に消された記憶 ~ アレクサンドリアの空
間髪入れずに奏でられたのは、オープニングムービーの音楽です。
爽やかな朝の雰囲気を思わせる、ゆったりとした弦の響きで、
雄大かつ伸びやかに奏でられました。
演奏終了後、指揮の志村先生がスッとマイクを取り、MCになります。
リトルさんは、これまで300曲近い楽曲を演奏してきたそうですが、
第1部に演奏した「蘇る緑」は最も思い入れの深い楽曲ということで、
この10回目の節目に演奏したそうです。
志村先生は、最後に一言だけ、こう語られました。
「MCはここまでです。
後は演奏で語っていきます」
か……カッコイイ……!
観客からは大きな拍手が送られました。
♪この刃に懸けて ~ バトル1~プリマビスタ墜落
「この刃に懸けて」きましたーッ!
この曲は、ゲーム中ではたった1回しか流れないんですよね~; もったいない!
でも人気の高い曲ですよね。
金管が高らかに歌い上げ、疾走感ある弦の生演奏で、あの盛り上がりが再現されてました。
そこに、間髪を入れず入ってきたおなじみの「デデデデデデデデ」という
イントロからの「バトル1」。サビにさりげなく入ってきたピアノが美しかったです。
「プリマビスタ墜落」は、低音の部分までしっかりと再現。
美しいながらも不穏な雰囲気を感じさせ、
これからの激動の物語を予感させるような演奏でした。
♪あの丘を越えて
フィールドマップで流れる音楽ですね。
木管楽器をメインに、やさしい雰囲気で奏でられていました。
個人的にこの曲大好きなんです! ゆっくりと心地よく身をゆだねていました。
プログラムには書かれてなかったんですが、「フェアリーバトル」も続けて演奏されてました。
妖精と遭遇した時のバトルで流れる音楽ですね。
これ、まさに妖精を思わせるかわいらしい楽曲なんですよね~。
グロッケンや木管の音が、とても幻想的でした。
♪辺境の村ダリ ~ 黒のワルツ ~ 限りある時間(とき)
おちついた素朴なメロディを、木管の演奏でゆっくり堪能できた「辺境の村ダリ」。
「黒のワルツ」は一転して、重々しく不安感を煽る演奏です…!
「限りある時間(とき)」は、木管の繊細な音色が可愛らしかったですね。
しかし同時に、寂しさがじわじわとやってくるようなイメージがよく出ていました。
♪黒魔道士vs黒魔道士 ~ バトル2 ~ 南ゲート突破
これ!!!これですよ!! 個人的にはこのシーンの演奏を待っていました!!
スクエニ主催のFFコンサートでは今まで一度も演奏されたことがなく、
一度でいいから生で聴いてみたかったのです。
ピアノの切ない旋律が胸をえぐる「黒魔道士vs黒魔道士」。
そして仲間の黒魔道士を殺されたビビが、怒りに震えて臨む「バトル2」です。
パンフレットの楽曲解説によると、今回の「バトル2」は、
黒のワルツ3号との戦いのシーンを明確にイメージしての演奏だったそうです。
ビビの怒りが表れているかのような、非常に激しく、情感にあふれ、かつ悲愴さのある演奏でした。
前回のリトルさんでFF5を特集した際(当ブログのレポは
こちら)の
「ビッグブリッジの死闘」でも思ったのですが、リトルさんはしっかりと
ゲームのシナリオや、流れを踏まえてメドレーの編曲をされているんですよね!
ここでこの曲が流れる“意味”が、しっかりと押さえられているといいますか。
素晴らしいなと思います。
続く「南ゲート突破」も、スピード感と緊張感にあふれた演奏でした!
ゲームを完璧に再現していて、思わず手に汗握っちゃいました。
この曲はだいぶ長いこと一度生演奏で聴いてみたかったので、
今回聴くことができて本当にうれしかったです…!
♪ハンターチャンス
リンドブルムでの狩猟祭で流れる音楽ですね!
金管をはじめ、ドラムとパーカッションもあらぶっており、野性味あふれるリズムが堪能できました。
♪眠らない街トレノ ~ 背徳の旋律
「ハンターチャンス」のあらぶり具合とはうって変わって、ピアノソロで奏でられるトレノ。
おしゃれです! トレノの、夜の雰囲気がばっちり再現されていました。
FF9の敵役、クジャのテーマともいえる「背徳の旋律」では、
原曲と同じくパイプオルガンでイントロが演奏されました。再現度も重厚感もばっちりです!
さらに特筆すべき点としては、原曲の「どん、どん、ジャッ」の
“ジャッ”って音を、板の上に鎖を落として出していたんですよ。
原曲のイメージにぴったりな音で、感心しました。
とゆーか、鎖まで持ち出しますかと!
原曲を再現するためにはどんな手でも使うリトルさん、さすがだなぁ…!と思います。
CCMさんのコーラスも含めて、妖しい原曲の雰囲気がよく出ていました。
♪ローズ・オブ・メイ ~ バハムート来襲 ~ 守るべきもの
「ローズ・オブ・メイ」は、最初は原曲を忠実に再現したピアノ演奏だったんですが、
途中から音数が増えたアレンジになっていました。これはオシャレでした…!
間髪を入れずに、緊張感あふれるオケ演奏の「バハムート来襲」が奏でられます。
「守るべきもの」は「ローズ・オブ・メイ」のアレンジ曲ですね。
金管の勇壮な響きがかっこよかったです。
♪とどかぬ想い ~ 髪を切るダガー ~ 飛空艇ヒルダガルデ
「とどかぬ想い」ではチェンバロが演奏されました。
(※チェンバロ
…… ピアノのような鍵盤を弾くことで内部の弦を弾き、音を発する楽器です)
僕は生のチェンバロの音を聞いたのはこれが初めてだったのですが、
優美かつ繊細な音色に、グッと心を掴まれました…!
「髪を切るダガー」は、やさしさのあふれる感じの温かいピアノの演奏が胸に沁みました。
弦の響きも美しかったです。
「飛空艇ヒルダガルデ」は、いかにも飛空艇!という感じでさわやかな演奏。
イントロで入るCCMさんのコーラスが鳥肌ものでした!
希望あふれる感じで、前向きに第2部をしめくくってくれました。
【第3部】
『ファイナルファンタジーIX』より
20分の休憩をはさんだあと、第3部がはじまります!
♪イプセンの古城
この曲は「いつか帰るところ」と同じメロディなんですが、
男声のコーラスが入って重々しい感じで、だいぶ印象がちがいます。
古めかしいイプセンの古城の雰囲気がよく表現されていました。
♪テラ~時を刻む城パンデモニウム~独りじゃない
「テラ」のハープの音は、まったりほわほわ感があってすっごくよかったです。
途中から盛り上がるところはコーラスも入ってさらに幻想的な雰囲気に!
「時を刻む城パンデモニウム」は、原曲同様、パイプオルガンで演奏されました。
重厚感がはんぱないです…! やっぱり生のパイプオルガンの迫力はたまりませんね。
そしてFF9でも屈指の人気曲である「独りじゃない」。
ここでもチェンバロがメロディを奏でていました。いいですねチェンバロ!
なかなか聴く機会のない楽器なので、興味深く聴かせてもらえました。
自暴自棄になり、ひとりで敵のもとに特攻しようとするジタン。
そこへ少しずつ現れる仲間たち。。。
それを表現するかのようにコーラスが乗ってきて、少しずつ盛り上がっていく演奏で、
熱かったです。。。! やっぱり、音楽のバックグラウンド(もとのゲーム)を知っていると、
演奏を聴くだけでその曲が使われているシーンが蘇ってきて、こみあげてくるものがあります。
♪消えぬ悲しみ~銀竜戦
「消えぬ悲しみ」は、ゲーム終盤の黒魔道士の村でのイベント時に流れる曲ですね。
ゆっくりとしたテンポで、切々と奏でられる音色が胸を打ちます。
続く「銀竜戦」。迫力あふれるオーケストラで再現されていました。
途中、ピアノが入るパートはたしか原曲に入っていなかったと思うのですが
非常に美しかったです。
♪クリスタルワールド ~ 破滅への使者 ~ 最後の闘い
「クリスタルワールド」はピアノとハープの音色が会場を支配し、
一気に神秘的な雰囲気に包まれます!
プレリュードのうねるような響きはとても妖しく、神々しく、
「これから何かが起こる…!」と思わせるような感じです。
「破滅への使者」はラスボス第一戦の音楽ですね。
ここでもパイプオルガンのイントロで、重厚にはじまります。
パーカッションやドラムも加わって、まさに壮絶な戦いを思わせる演奏でした。
「最後の闘い」では、曲のはじめに入っている
“うわぁぁぁ……”“ああああぁぁ……!”という不気味なうめき声が、
CCMの皆さんによって再現されていました。
これはまったく予想をしていなかったので、鳥肌が立つほど、本気で怖かったです。
「そこまでやるとは!」と思いながら、「声はこういう使い方もあるんだなぁ」と、
怖がりながら感心していました。CCMこわい!w
♪奪われた瞳 ~ ジタン、ダガー別れ ~ クジャの元へ
「奪われた瞳」はとにかくやさしい演奏でしたね……!
木管とハープの音色がとても心地よかったです。
「ジタン、ダガー別れ」は、その名の通り別れのシーンの楽曲。
ピアノと弦の切ない旋律が胸に響きました。
そして「クジャの元へ」。あらぶるパーカッションがメインを張り、
スピード感と躍動感のあふれる演奏を楽しめました。
♪記憶の歌 ~ 盗めぬ二人のこころ ~ その扉の向こうに
やさしく会場を包み込むハープ……
そこへ、スペシャルゲストの白鳥英美子さんがゆっくりと、静かに登場しました。
そして歌われたのは「記憶の歌」。
「ラ、ラララ……」という白鳥さんの透きとおった歌声が、
やさしく、ただただやさしく、会場を包み込みます。
心が浄化されていくような気がしました。
というか、まさか「記憶の歌」も白鳥さんが歌うとは思っていなかったので、びっくりでした!
続いて「盗めぬ二人のこころ」。
静かなイントロから、少しずつ盛り上がっていきます。
演奏が最大級に盛りあがったところで「その扉の向こうに」。
会いたかったジタンに会えるというダガーの喜びに満ちあふれた感情を、見事に再現した演奏でした。
弦とピアノが高らかに歌い上げる響きが、ただただ華やかで、美しかったです。
演奏が最大級に盛りあがって、演奏が終わったと思いきや。
白鳥さんの声が、場内に響きます。
「ねえ、どうして助かったの…?」
!?
「助かったんじゃないさ。生きようとしたんだ」
「いつか帰るところに帰るために……」
「だから、うたったんだ。あのうたを」
ま……まさか白鳥さんがあのセリフを朗読されるとは!!
ぜんぜん予想外のことだったのでびっくりした気持ちと、嬉しい思いとがごっちゃになりながら、
気持ちが高まっていきました。胸にグッとくるものがありました!
♪Melodies Of Life ~ Final Fantasy
「Melodies Of Life」。
ひとことひとことの歌詞の意味を、かみしめるように歌われる白鳥さん。
僕はFFシリーズの歌の中ではこれが一番好きで、数えきれないほど聴いているのですが、
こんなにも直球で胸にきたのは初めてでした。
白鳥さんのやさしい歌声が、ゆっくりと心に沁みわたっていきましたよ。
幸せでした。。。
会場内には、涙を流されている方もいらっしゃいました。
これからもずっと、歌い継いでいきたい生命賛歌ですね。
そして間髪をいれずに「Final Fantasy」。
弦で奏でられる、ゆっくりとやわらかなメロディが会場内に響きわたります。
ラストはパイプオルガンも入ってきて、盛大なフィナーレを迎えました。
会場は大きな大きな、そしてあたたかい拍手で包まれます!
僕も、手が痛くなるのも忘れて、ひたすら拍手し続けていました。
演奏終了後、指揮の志村先生と、白鳥さんによるトークが繰り広げられました。
白鳥さんは、リトルさんの第1回演奏会の時にもゲストだったそうですが、
「(第1回の時よりも)すごく上手になった、と思いました」とのことです。
「私、アマチュアの方とご一緒して歌うのはその時が初めてだったんですよ。
でも皆さん、演奏しながら感極まっていて……なんて純粋な人たちなんだろう、
って思ったのを覚えています」(白鳥さん)
また志村先生からは、「記憶の歌」の音楽制作についての質問がありました。
白鳥さんによると、「記憶の歌」の録音をする時は、あまりイラストなどの資料はなかったそうで、
植松さんからは“白鳥さんの雰囲気で歌ってください”というオーダーだったとのこと。
白鳥さんは、「記憶の歌」を生で歌うのはこれが初めてだったそうですよ!
レアな機会だ。。。!
ちなみに白鳥さんは、FF9のゲームをやったものの最後までたどりつけなかったそうで、
自分の歌を聴くことができなかったそうです。
「序盤に出てくる“ピンクの人”に何回もやられてしまって。
その人が憎くてしょうがないんですよ!(笑)」(白鳥さん)
白鳥さんが、リトル団員さんから「セリフを読み上げてください」という依頼を受けた際は
「私、クリアしてないのに良いんですか?」と言ったものの、
「良いんです!!やってください!!」と説得されたそうです。w
白鳥さん、ほんわかした、かわいらしい方でした!!
これからも元気に音楽活動を続けていただければと思います。
白鳥さんは、今年で音楽活動45周年だそうです。
45周年の記念コンサートが10月31日に開催されるそうですので、ご興味のある方はぜひ!
「Melodies of Life」も歌われるそうですよ。(コンサートの詳細は
こちら)
♪Message~虹~
アンコールでは、せっかく白鳥さんがいらしたのでもう1曲!ということで、
白鳥さんのアルバム『CROSS MY HEART』に収録されていた
「ファイナルファンタジー」のボーカルアレンジナンバー、
「Message~虹~」が披露されました。
この曲を人前で披露されたのは初めてだそうですよ。貴重な機会ですね……!
白鳥さんの、繊細かつ美しい歌声に魅了されました。
とても元気をもらえる、素敵なバラードでしたー!
続いて、アンコール2曲目に演奏されたのは。
♪グルグ火山(FF1)~ドーガとウネの館(FF3)~ルーファウス歓迎式典(FF7)
おもしろい選曲のメドレーですw
最初僕は、「どうしてこの選曲なんだろう…?」と、疑問符を頭に浮かべてしまったんですが、
すぐ気づきました。全部FF9でアレンジされている曲ということだったんですねw
最後の「ルーファウス歓迎式典」は、勇壮なコーラスが入り、また観客からの手拍子も入って
とても盛り上がりましたよ。明るく元気に演奏会をしめくくってくれました!
■あとがき―― リトルさんの演奏について
ということで、約3時間にもおよぶ演奏会は幕を閉じました。
もう本当に、FF好きとしてはしあわせな時間でしたー!!
FF9という作品を、音楽でもういちど体験できた気分になりましたね。
僕はリトルさんの演奏会を見に行くようになって5年ほどになりますが、
いつも感心することがあります。
それは、仕事ではないアマチュアとしての活動で、
これほどまでの演奏会をやってしまう情熱です。
実際に聴くと分かっていただけるかと思うんですが、
リトルさんの演奏からは、
「FFを愛しているんだ!」というマグマのような熱い想いが、
演奏を通してひしひしと伝わってくるんです。
その想いの大きさが、尋常じゃなくって!
ゲーム音楽というものを、本当に楽しみながら演奏している。
奏でられる音のひとつひとつに、魂が、愛がこもっている。
仕事で演奏しているのではない。ただ好きだから、演奏している・・・。
触れたらヤケドしそうなほどのその情熱に、僕は惹かれます。
ゲーム音楽とは、“ゲームを演出するためにある音楽”です。
やはり音楽は、そのバックグラウンドを理解していると、より深く向き合えるのではないでしょうか。
ただ単にうわべだけを理解するだけでは、味わい深い演奏はできないのではないかと思います。
リトル団員のみなさんは、心からFFという作品を愛し、内容を理解されています。
かつ、たゆまぬ練習を通してその音楽に真剣に向かい合っています。
また編曲についても、しっかりとゲーム内容を理解したものになっており、
ゲームをプレイした人なら「そう!そこだよね!」と共感できる、
ツボをおさえた仕上がりになっています。
そういった“ゲームへの愛情”がしっかりとあるからこそ、リトルさんの演奏には説得力があるし、
人の心を動かせるんだと思うんですね。
それはリトルさんの演奏を聴いていて、すっごく思うんですよ。
だから僕はリトルさんに魅了されてしまうのでしょうね。
志村先生の言葉によると、
「この1日の演奏会のために、1年以上の時間をかけて準備してきた」そうです。
この1日の、たった数時間のためだけに、日々の時間を練習にささげられている
リトル団員のみなさんには、ほんとうに感服します。
時間としてはほんのわずかでしたけれども、かけがえのない、至福の時間でした。
生きていくための、たくさんの元気をもらえました。
素敵な時間をくださったリトルジャックオーケストラのみなさんに心から感謝します。
CCMのみなさん、志村先生、白鳥さん、井川さん、関係者のみなさんも、ありがとうございます!!
好きなことを一途に追い求め続けるその姿、本当に素敵です。
これからも応援しています!!!
次回は、来年2月8日に『ドラクエ3』を演奏されるということで、今から楽しみです。
余談:
パンフレットには、今後開催されるさまざまなゲーム音楽楽団さんの
チラシが挟み込まれていたんですが、
なぜか
釣りのルアーメーカーの“リトルジャック”さんのチラシも入っていて
異彩を放っていました。(同じ名前なんですね…w)
余談2:
当ブログ・Gamemusic Gardenは、これで2000記事めとなりました。
(旧Nonsense Zone時代も合わせての数字です)
ブログを開設してから7年……よく続いてますね;w
少しぶっちゃけた話をしますと、一応僕はライターのはしくれですので、
ちゃんとした文章を書かなきゃというプレッシャーを感じることが最近よくあります。
でもここは、仕事とは関係のない個人的なブログなので、
まずは僕が好きなことを、楽しく、のびのび書いていこうと思います!
ゲームって、ゲーム音楽って本当に楽しい。
僕はゲームが大好きだ!
ブログを読まれる方に、この楽しさを少しでもお伝えできれば。
そしてより多くの方と、この楽しさを共有できれば嬉しいです。
これからも、不定期にはなりますがブログは書き続けていきたいと思いますので
どうぞよろしくお願いします。
◇関連リンク
リトルジャックオーケストラ 公式サイト
◇関連記事:過去のリトルさん演奏会レポ
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【クロノ&DQ1】リトルジャックオーケストラ 第7回定期演奏会レポート詳細版