たてよこともに密度を同じに織った薄地の平織り綿素材の布です。
今風に言えば、薄手のコットン生地。
ポルトガル語のカネキンが語源で金巾(かなきん)と呼ばれるように
なったそうです。
絣の生地より薄いので、よく羽織裏に使われています。
もし絣生地同士を表裏に使うととても重たい羽織になるでしょう。
当店では五枚綴りのはぎれセットを販売していますが、
厚さを比べてみると違いが歴然としています。
ちなみに金布のはぎれセットは、パッチワークやマンスリーキルト
等、和風のイメージに仕上げたい方におススメの素材です。
今、古布の世界では手織りのざっくり織が好まれますが、昔は
薄手でしなやかな木綿を織るのは難しかったのだそうです。
名物裂の更紗模様が有名ですね。
羽織裏の金布は格子柄が多いです。
日本は木組みの文化の国ですからお手の物でしょう。
格子柄は世界中にありますね。そうチェック柄です。
ひと口に「チェック柄」と言ってもその種類は豊富。
例えばマドラス・チェックはインドの港町マドラスが
発祥の地と言われています。
ギンガム・チェックはインドネシアからオランダに渡った綿布です。
タータン・チェックとは、チェックの代表的な柄で、
スコットランドの民族服にみられる大柄の格子模様のこと。
他にも、これからの季節に重宝されるニットに多いアーガイル、
トレンチコートの裏地で有名な「バーバリークラシックチェック」
ファンも根強いですね。
いちいち取り上げると枚挙にいとまがないでしょう。
ところで思い出話を一つ。
小学生の時海に行くのにお洋服を作ってくれることになりました。
スタイルブックからセーラーカラーのワンピースに決めましたが、
白い襟は必ずさらし生地でなく、ブロードでと頼んだのに、
出来上がったのはやっぱりさらし生地の襟。
不満げな顔の記念撮影になりました。
今思えば親にはいろいろ事情があったのかもしれず、
「わがまま娘でごめんなさい。」
と言える父も亡くなってしまいましたが…




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