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美味しいロシアンルーレット(その1)

近所に美味い焼鳥屋があった。美味いと思ったのはぼーずだけでなかったようで、いつも混んでいた。今は少し離れた所に引っ越したが、依然通える距離だ。なんでも美味いのだが、特に生の卵黄を添えたタレ焼きのつくねが絶品で行くと必ず食べる。普通の店では茹でたり、下焼きしてあったりして食べる前に温め直してタレに付けることが多く、パサパサだったり固かったりするが、ここのは柔らかく、とてもジューシィ。

ある日、ここで一杯やって帰るとアパートの入口に近所のネコがいた。ドアをあけると先に入る。こら、ここはお前のうちではない(笑)。以前、ひもじそうにしていたので食い物をやったのがいかんかったのか。それからは気が向くと遊びに来るようになった。

最初は汚れていたので野良猫と思っていたが、人を恐れず、愛想が良すぎるのが不思議だった。ある時余りに汚いので『引っかくなよ』と言ってから風呂に入れてやった。すると翌日にリボンをして現れたので飼い猫であると気付いた。きれいになったのを見て不審に思った飼い主が自分のものである事を誇示する為にリボンを付けたのだろう。

普段は1~2時間遊んで帰るのだが、その日はドアを開けても帰らない。『飼い主と喧嘩でもしたか。泊まってくか?』と聞くとニャンと答えた。多分Yesなんだろう。ネコ語は不得手なので勝手に解釈する。2階に上がると付いて来て、枕元で丸まっていた。

夜中にいきなり気分が悪くなり目が覚めた。寝てるニャンコを押しのけて、取り出した古新聞をビニール袋に放り込み、その中へ勢いよくモンジャ?を作ってしまった。危なかった。素直にどいてくれなかったらネコモンジャを作るトコだった。『お前、俺の口に毛玉を入れただろ?』と聞いたが、知らんと言わんばかりのとぼけた顔をされた。もっとも毛玉を吐き出すようになった日にゃ、ワシャ鍋島の化け猫?やなぁ。

翌朝になって、口蓋垂(こうがいすい。いわゆる喉ちんこ)が喉につかえて、声が出にくくなっている事に気付いた。喉の奥、山の頂上に当たる部分へ喉ちんこがへばりついている感じなのだ。咳払いをするとずりながら奥に行ったり、手前に出てきたりするようで気持ちが悪い。

慌てて耳鼻咽喉科に向かう。『なんか固いもので傷付けたのか、腫れてますね』。『昨夜に食べたのは焼鳥?串飲まなかった??』 あのね。サーカスで長い剣を飲み込むのはあくまでも見せもんだ。そこまで串を入れるアホはいない。『あれ?傷は口蓋垂の裏ッ側だなぁ』と先生は不思議そうに言った。後ろから突けるかっちゅうねん。センセ大丈夫かいなと心の中で呟きながら家に帰った。  

ここへ続く




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