精密誘導なく、高度低下か=事故調査本格化-アシアナ機逸脱・広島空港
2015年4月15日(水)12時21分配信
アシアナ機が着陸の際に接触し、破損したとみられる滑走路手前の無線アンテナ。右奥は事故を起こした機体=15日午前、広島県三原市 [ 拡大 ]
滑走路は閉鎖が続いており、日本航空が18便、全日空が22便の欠航を決めた。少なくとも5000人に影響する見込み。
国土交通省などによると、広島空港には国内最高水準のILSがあり、西側から進入するときは正しい高度や方位が表示される。一方、同機が進入した東側は方位だけが指示され、高度はパイロットが高度計で判断する必要がある。
着陸方向は風向きで決まることが多いが、広島空港事務所の担当者は、東側から進入した理由を「把握していない」と話した。
同機は滑走路中央付近で南側にそれ、進行方向の逆を向いて停止。機体後部が破損して左翼が折れ、左エンジンと水平尾翼などが壊れた。滑走路の東端から約320メートルの緑地帯にある地上約6.4メートルの無線アンテナが壊れており、着陸前に接触したとみられる。
アシアナ航空は15日、「事故により乗客と国民に心配をかけたことをおわびする」と謝罪のコメントを発表。事故に対応するため、社員37人と韓国国土交通省の調査チーム8人を乗せた特別機を派遣した。韓国人機長は総飛行時間8233時間のベテランで、副機長は1583時間だった。