ひのっき

あったかくてぐっすりでごはんがおいしくてよかったねうれしいねなんて小さなしあわせ探し雑記

株式とは何か その2

2007年12月01日 | 投資とか。
さてさて、古のアジア~ヨーロッパ間の交易ルートといえば、まずシルクロードがイメージされ、荷物満載のラクダがバンバン月の砂漠を行き交ったりする光景が思い浮かびます。でも有機多足歩行ユニットによる運搬ってやっぱりそのキャパシティがいまいちアレで、シルクロード(陸路)での東西物流って、量としては実はそんな大きなものではなかったと言われています。

長距離大量物流の王者は、やはり海運です。

東西物流の要衝は、古来紅海ルートを握ったイスラム商人が独占しており、ヨーロッパでの通商は、地中海ルートを握ったイタリア商人達が寡占していました。これが1498年、バスコ・ダ・ガマによる喜望峰経由でのインド航路発見によりその覇権がポルトガルに移っていきます・・・なんていった航海技術の発展による栄枯盛衰の歴史もかなり面白いのですが、とりあえず今回「株式とは何か」について考える上で重要なのは以下の一点です。

海運にはお金がかかる。

そう、大型船ってめちゃめちゃお金がかかるんです。

大航海時代の大型船の建造費については手元に資料がないのですが、
現代の貨物船やタンカーの建造費が数十億~数百億ですので、
おそらく当時としてもそのくらいの巨額感があったのではと思われます。

加えて、遠洋航海となれば乗組員の給与や食料費などの経費も膨大になりますし、
大きな商売をするなら現地での買い付け金もそれなりに欲しいところです。

なにより計画策定から実際の航海・売買まで全てを采配する、優秀なキャプテンが必要です。
優秀なキャプテンの報酬は、当然かなりの高額です。

つまり胡椒航海のためにはとにかく莫大な資金が必要で、いくら儲けがさらに莫大だと分かっていても、相当の超大金持ちじゃないとオーナーにはとてもなれません。

胡椒航海のオーナーになれば莫大な利益のチャンスが手に入る。
でも超大金持ちじゃないとオーナーになれない。
類は友を呼び、金は金を呼ぶ。
邱永漢さんは言いました。「お金は寂しがりやです。仲間が集まるところへ集まってしまいます」

うう・・・悔しい・・・。私も胡椒航海のオーナーになって大儲けのチャンスが欲しい。でもそこまでのお金はないし・・・。なんとか私の持っているだけのお金でオーナーになることはできないものかなあ・・・。
小金持ち達が歯軋りします。

うう・・・悔しい・・・。俺も胡椒航海のキャプテンになって高額な報酬が欲しい。でも超大金持ちの出資先は実績のあるキャプテンに固定されてしまっているんだよね・・・。超大金持ちってそんなにいないし、どっかに新しいオーナーが現れないかなあ・・・。
キャプテン候補達が胸をかきむしります。

そこへ知恵を持つものが現れます。
「小金持ちはいっぱいいるんだから、たくさんのオーナーが胡椒航海に必要な資金をシェア(分担)して出資して、儲けもシェア(割当)して分配する仕組みを作ればいいんじゃないかな。」

資金のシェア。出資金。
儲けのシェア。分配金。

シェア。
share ━━ n. 分け前; 割当て;分担 ;株(式);

そう。株式は英語でシェアと言います。

「株式」の誕生です。

さてさて、また長くなっちゃったので、続きはまた次回にします。