岩本ナオ先生の「金の国水の国」を読みました。
なるほど、「このマンガがすごい2017」1位も納得のすごい作品です。
商業で栄え豊かな金の国と、自然と水資源が豊富な水の国の物語です。
絵本のように温かく美しい絵柄ですが、戦争を止めることの難しさや国家経営の大変さ、王室の苦悩等を鋭く描き出したかなり硬派の作品です。
長く諍いの絶えない金の国と水の国、神様の裁定でそれぞれ相手の国に嫁と婿を送ることにします。
しかし戦争になってもかまわないと考える両国の国王は、相手国に犬と猫を送ります。
犬と結婚させられることになった金の国の王女と、猫と結婚させられることになった水の国のエンジニア、二人が出会い一緒に行動することで、豊かに見えた金の国の致命的な問題が次第に浮き彫りになっていきます。
二人は果たして両国の戦争を回避し、和平を実現させることができるのか!
歴史や社会・経済についてのディティールがとにかくしっかりしており、ファンタジックな雰囲気にもかかわらずドキュメンタリーを読んでいるかのようなリアル感があります。
毎年新しいタイプの傑作が次々と出てきて、漫画の鉱脈って尽きないなあなんて感心タイムでした!
こんにちは!
かねてから気にされていたとは流石ですね。
「このマンガがすごい!」、オトコ編の「中間管理録トネガワ」は連載時から大チェックしていた(笑)のですが、本作品は発表後にへーと思って読みました。
なるほど、いい漫画って何より「世界観」がしっかりしてるんだなあなんてことを再認識させてくれる作品です。
月刊flowers出身の先生なんですね。ポーの一族も復活しましたし、flowersの作家陣って少女漫画の歴史そのもの級の重厚感がありますね。
犬と猫が結婚相手とは不思議な内容で場面を想像する事ができず、ますます読みたくなりました。
深くて濃い内容のようで、さすが月刊flowers 出身の人の漫画だなあと思いました。