2022年2月
4日(金)曇り 寒い
昨日は恵方巻の日なので、昼に恵方巻を食べる。
今年の恵方巻を食べる方向は北北西だと携帯で調べ、コンパスアプリをダウンロードして北北西を向いて頬張る。
恵方巻のイベントは私の知る限りでは、つい最近に流行りだしたのであり、私の子供のころなんか全くなかった。
地方で細々と続いていた文化を、大手コンビニが正月明けの閑散期にバレンタインデーやひな祭りの前に、全国展開して流行らせたということも、うすうすではあるが知っているけど、イベントとしてクリアしていかないと、取り残されたような気持になるので、老夫婦二人きりでも食べている。
食品ロスの一因になっているとの指摘もあるようだが、予約販売などで過剰な生産はやめてもらいたいと願う。
なんでも、腹八分目、少し足らない位がいいのではないかなと、老婆心ながら思うが、この老婆心という言葉もいずれは消えてなくなる言葉だろう。
老婆心という言葉自身も「なんでこんな言葉に生まれてきたんだろう・・」と、さぞ嘆いていることだろう。
今の世の中で生き続けるのは肩身も狭く難しい存在だと思う。
最近は老婆心という言葉もあまり口にしなくなったし、いっそ皆に老婆心という存在を忘れてもらいたいとか願っているのではないだろうか。
皆の口から老婆心という言葉がしばらく発せられなくなって安心していると、老婆心という言葉を使えそうなシチュエーション出会う度にドキドキしてしまい、老婆心を使わずに普通に「失礼とは思いますが・・」や「おこがましいとは思いますが・・」とかを発してくれないかと願う。
だけど中にはごくたまに年配の方が死語になりつつある老婆心を使ってしまい、老婆心の存在を観衆が集うコロッセオ(円形闘技場)の真ん中に引っ張り出されてあからさまに非難されるようで、精神的にも耐えられなくなる。
老婆心はいつもどこか小さく隅っこの陰に隠れて怯え自分の存在を消し去りたいと思うだろう。
老婆心は子供の頃、誰も迷いもなく普通に老婆心と口にしていた時代を懐かしみ泣くことだろう。
毎日泣き続け疲れ果て、親兄弟に内緒で一人遠くへ旅に出る。
いずれ時が来て捕まり、公の中で審判を受け、処刑されて消えてしまうまで。
☆彡関係ないけど 村上春樹
➣国境の南、太陽の西より
・体からあらゆる力が失われてしまっているようだった。まるで誰かが僕の背後にそっとまわって、音もなく体の栓を抜いてしまったみたいに。僕はテーブルに両肘をつき、手のひらで顔を覆った。
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