震災から2年が経ちました。「もう2年」と感じるかもしれませんが、被災地の人からすれば「まだ2年」です。3月11日、AKB48はほぼ全メンバーが被災地を訪問し、10カ所に分かれてライブをすることになりました。だけど、私の心はもやもやしていました。「たずねてもいいのだろうか」。被災地の住民の人たちには特別な日です。静かに過ごしたい気持ちでいるのではないかと。
被災地に向かうバスの中、総合プロデューサーの秋元康さんからメールが届きました。「偽善者と言う人がいるかもしれない。でも、何もしないよりはマシだ。我々は傍観者になってはいけない。続けたときに、誰かわかってくれる人がいるはずだ」。その文章を読んで初めて、「行こう」と、みんなの心が前を向きました。
会場は体育館。最前列で、幼稚園の子どもたちが一緒に「ヘビーローテーション」を歌ってくれました。「こんなに楽しんでくれているんだ。来てよかった」。被災地の人たちと貴重な時間を共有させていただいた、そんな気持ちでした。
AKB48には「誰かのために」という曲があります。人は1人では生きていけない、いつも誰かに支えられている。だから、誰かのために生きていこう、というメッセージが込められています。私はこれからも被災地をたずねます。そして、人々のために、何かをしてあげられたらと思っています。