乃木坂46の齋藤飛鳥(さいとうあすか・20)が映画初出演にしてヒロインを務める映画『あの頃、君を追いかけた』(10月5日公開/長谷川康夫監督)。乃木坂46のセンターも務めるトップアイドルのスクリーンデビュー。プレッシャーもあったに違いない、オールアップ後には「私が足を引っ張ってしまったこともあるかもしれないんですけど、今は皆さんと会えなくのが寂しいです」と号泣している。同世代からの刺激、新たな挑戦で得た刺激―――モデルプレスは作品を通し、アイドルとは違う新たな顔を見せた彼女に話を聞いた。
齋藤飛鳥が演じたのは“学校一の優等生”
2011年に台湾で200万人を動員しヒットを記録した『あの頃、君を追いかけた』(原作・脚本・監督:キデンズ・コー)をリメイクした同作。舞台を日本に移し、時代も1990年代から2000年代に置き換え、同じ様に可笑しくて、切なくて、ほろ苦い、誰もが通り過ぎた“あの頃”を描く珠玉のラブストーリーとして、新たに生まれ変わった。
齋藤は“昭和の道徳”とあだ名される学校一の優等生で、凛とした透明感とヒロイン然とした佇まいを持った美少女・早瀬真愛を演じた。主演の山田裕貴はお調子者で人気者、幼稚でいて男らしさをあわせ持つ主人公・水島浩介役。真愛と浩介、二人の高校生からの10年間が描かれる。
齋藤飛鳥「反省も多い」映画初出演を振り返る
― オールアップのとき、齋藤さんも涙を流したとお聞きしました。
齋藤:はい、そうですね。
― 齋藤さんにとってこの初めての映画はどのようなものになりましたか?
齋藤:お芝居の楽しさ、面白さはだいぶ分かりましたし、お芝居に対して興味も出たんですけど、反省も多いなという感じです。
― 反省はどんなところで?
齋藤:お芝居の経験がほとんどない状態でヒロインをやらせていただいたので、改めて完成した作品を見ると、自分の力量のなさはやっぱりはっきりと見えてしまっていて…。
― リベンジしたいというか、また映画をやってみたいという気持ちはありますか?
齋藤:そうですね、今回、分かったことを活かす場所があればいいなとは思います。
齋藤飛鳥、一番難しかったのは…
― 今回の作品で役を演じるにあたってなにが一番難しかったですか?
齋藤:一番難しかったのは、浩介(山田)と言い合いをするシーンです。私が普段、そんなに怒らないですし、面と向かって人に文句を言うことってないので、その感情がなかなか想像できなくて。監督さんからは怒りを出しすぎずに抑えてくれって言われたんですけど、そのバランスが特に難しかったです。
― 涙するシーンもありましたが、それは難しくなかったですか?
齋藤:そうですね、泣くっていうのは、真愛によりそって自分の中にある感情を出せばいいだけなので、そんなに大変ではなかったです。でも感情をどれくらい表に出す、出さない、というのはもちろん役柄にもよると思いますが、もうちょっと理解を深めたいな、と思いました。
齋藤飛鳥が選んだ「好きな浩介の行動」
― 映画を見て、齋藤さんが恋愛をしたら真愛みたいなのかな、と私は思いましたが、ご自身ではどう思いますか?
齋藤:どうだろう、でも私も好きな人ができたら、きっと本人には言わないし、言えないですね。真愛も10年間ずっと言わなかったので、そこは共感できるような気がします。
― 浩介と真愛の関係性は、齋藤さんからしたら「いいな」っていう感じですか?それともちょっともどかしい?
齋藤:難しいですね、でも結末はすごく好きです。終わり方はリアルで嘘がない感じがしてすごく好きなんですけど、その過程は客観的に見ると、ちゃんと思い合ってるのがわかるから、素敵な関係だな、って思うんですけど、ただ私が真愛だったらちょっともどかしいな、とは思うかもしれないですね。
― 真愛が浩介をボールペンでつつくシーンや、二人が急接近するきっかけとなった教科書のシーンなど、青春らしい胸キュンポイントも多いですが、真愛ではなく齋藤さん自身が「これ好き!」っていう浩介の行動はなんですか?
齋藤:教科書のシーンは二人が仲良くなるきっかけなので、真愛の中できっと大きい出来事なんですけど、個人的には教室で勉強しているとき、急にりんごをくれるところ。あれが好きです(笑)。
― なるほど(笑)。浩介は幼稚な部分も多い人物ですが、幼稚な人はどうですか?
齋藤:幼稚な人は苦手です(笑)。
齋藤飛鳥が“結婚”について今思うこと
― 今回、劇中でウェディングドレスも着られましたが、齋藤さんの結婚観について少しお聞きできると。今、20歳ですね、結婚願望はありますか?
齋藤:今はまったく想像ができないですし、願望もないです。「この人!」っていう感じの人が現れるかなんてわからないですし、なので子どももまったく想像できないです。でも他のメンバーが子どもを生んで少し面倒を見るとか、そういうのに憧れはあります。
「飛鳥ちゃんの壁が厚すぎてこの映画は上手くいかないんじゃないかと思った」
― 今回、座長の山田さんがいて、齋藤さんがヒロイン、ほかにもフレッシュな俳優さん、女優さんが集結しましたが、現場はどんな雰囲気でしたか? 齋藤さんの立ち位置というか立ち振る舞いというか、どんな風に皆さんと接していたのか気になります。
齋藤:男の子たちはすごく仲が良くて、ずっと映画の世界観そのまんま、控室でもワイワイしていましたね。私と(松本)穂香ちゃんのことも笑わせようとしてくれていました。結構ちょっかいをかけてきて、コミュニケーションを取ろうとすごく頑張ってくれていて。私もわりと早い段階でそれに乗っかったり、逆にあしらったりしていたんですけど(笑)、クランクアップするくらいのときに「飛鳥ちゃんの壁が厚すぎてこの映画は上手くいかないんじゃないかと思った」っていうのは言われました(笑)。
― でもそれを言ってくれたということは、裏を返せば「映画は上手くいったし、壁も壊せた」ということですね。
齋藤:ですかね?たぶん、ふふっ(笑)。
― 映画について乃木坂46のメンバーからなにか感想などはもらいましたか?例えば…秋元真夏さんからイジられるとか(笑)。
齋藤:(笑)。みんな予告とか、ネットに上がっている動画をチェックしてくれているらしくて「あのシーン可愛かった」とか「あのシーン良かったから見に行くね」とかは言ってくれますね。真夏とかはやっぱり、ちょっとバカにしたり、イジってきたりします(笑)。
齋藤飛鳥と早瀬真愛の学生時代は真逆
― 真愛は学校一の優等生で、周りから一目置かれる存在ですが、齋藤さんは学生時代どうでしたか?
齋藤:全然!全くです、空気や埃のような存在でした(笑)。
― 勉強は?
齋藤:勉強は嫌いじゃなかったです、本読むのも好きですし。
― 真愛みたいになりたいとは思いますか?
齋藤:う~ん、なりたいのかな~、いや私にはできないですね。なんかマドンナって大変そうじゃないですか(笑)。
― (笑)。ありがとうございました。
(modelpress編集部)
映画『あの頃、君を追いかけた』
【出演】山田裕貴 齋藤飛鳥 松本穂香 佐久本宝 國島直希 中田圭祐 遊佐亮介
【監督】長谷川康夫 【脚本】飯田健三郎 谷間月栞 【原作】九把刀『那些年、我們一起追的女孩』
<ストーリー>
10年前。水島浩介は、クラスメイトの仲間たちとつるんではバカなことばかりをし、さしたる夢や目標も分からぬまま、お気楽な高校生活を送っていた。浩介の態度に激怒した教師が、クラス一の優等生・早瀬真愛を浩介のお目付け役に任命するまでは。真面目でお堅い真愛を疎ましく思う反面、胸がザワつき始める浩介。彼と仲間たちにとって、彼女は中学時代からの憧れだったのだ。やがて、教科書を忘れた真愛のピンチを浩介が救ったことで、二人の距離は一気に縮まっていく…。
齋藤飛鳥(さいとう・あすか)プロフィール
1998年8月10日生まれ。東京都出身。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格。2012年、乃木坂46の1stシングル『ぐるぐるカーテン』で選抜入りしデビュー。2015年、宝島社が出版する女性ファッション誌『CUTiE』初の専属モデルに抜てき。その後、休刊が発表されてからは『sweet』のレギュラーモデルに就任。様々な服を着こなし、男性のみならず、女性からも絶大な支持を得る。2016年『少女のみる夢』でドラマ初主演。2017年には舞台『あさひなぐ』で主演を務めた。