異文化交流クイズ「14歳のアメリカ人少女の見た明治開花」第4回は、明治10年5月23日、徳川宗家を嗣いだ家達がクララの家までやってきて見学した海軍省主催の「ある実験」とは一体なんだったでしょう? という問題でした。
今回の正解は・・・『(軽)気球の上昇試験』でした。風の強くない佐賀県では毎年世界大会が開かれていますね<気球。
これは元々西南戦争において官軍と熊本城内との連絡に使うために海軍兵学校が命じ、日本人のみの手で制作した最初の軍用気球で、水素ガス入り、炭素ガス入り、アルコール入りの三種が実験された模様。当時は錦絵に描かれる程、話題になったようです。手元にその錦絵が載った本がありますけれど、なかなか雄大に描かれてます。
さて、クララと家達のその後をざっと。
この後も頻繁にクララの家に遊びに来ていた徳川家達ですが、同年のうちにイギリスに留学することに。その際にも別れの挨拶をわざわざ云いに来る程の親密振りなのですが、二人の縁はいま暫し続き、後にクララ一家がロンドン経由でアメリカに渡る際に再会を果たし、家達はこの際、森有礼夫妻と共に倫敦郊外のクリスタルパレスでのコンサートにクララ一家を招待したりしています。
5年後に帰国した家達は、華族令の発布と共に最高位の公爵となり、明治23年には貴族院議員、そして明治36年から昭和8年まで、30年にもわたり貴族院議長を務めます。
元旗本らによる開拓事業にも心を砕き、これを支援したこともあって、一族や譜代大名や旧旗本からは「16代さま」と慕われ、議長歴の長さからも、彼が『出来た人物』だったことの傍証となりますが、実は大正最大の疑獄シーメンス事件のゴタゴタの際には、家達さえ首を縦に振れば総理大臣に、という事態まで行ったようです。もっともこれは「徳川一族の総意」として否定され、残念ながら実現しませんでしたけれど。
更に大正10年のワシントン軍縮会議にも全権大使となっていますが、裏読みすると、既に暴走気味だった軍部を抑えるための象徴、という意味あいもあったようです。
この他にも戦前開催予定だった東京五輪招致委員会委員長、国際オリンピック委員会委員、日本赤十字社社長も勤め、それだけのネームバリューと人柄の良さが家達にはあった、ということですね。
・・・13歳の頃には屋敷内で近道をしようとして塀に跨っているところを家臣たちに止められたり、クララの家でベットの上で跳ね回って軋む音を面白がったり、子供用のボンネット――しかもピンクの!――を頭に被って遊んでいたのにw。
歴史上の人物の意外な側面が見られるこのシリーズ、まだまだ続きます。次回は「等身大の福沢諭吉とおかしな英語」ネタを。
今回の正解は・・・『(軽)気球の上昇試験』でした。風の強くない佐賀県では毎年世界大会が開かれていますね<気球。
これは元々西南戦争において官軍と熊本城内との連絡に使うために海軍兵学校が命じ、日本人のみの手で制作した最初の軍用気球で、水素ガス入り、炭素ガス入り、アルコール入りの三種が実験された模様。当時は錦絵に描かれる程、話題になったようです。手元にその錦絵が載った本がありますけれど、なかなか雄大に描かれてます。
さて、クララと家達のその後をざっと。
この後も頻繁にクララの家に遊びに来ていた徳川家達ですが、同年のうちにイギリスに留学することに。その際にも別れの挨拶をわざわざ云いに来る程の親密振りなのですが、二人の縁はいま暫し続き、後にクララ一家がロンドン経由でアメリカに渡る際に再会を果たし、家達はこの際、森有礼夫妻と共に倫敦郊外のクリスタルパレスでのコンサートにクララ一家を招待したりしています。
5年後に帰国した家達は、華族令の発布と共に最高位の公爵となり、明治23年には貴族院議員、そして明治36年から昭和8年まで、30年にもわたり貴族院議長を務めます。
元旗本らによる開拓事業にも心を砕き、これを支援したこともあって、一族や譜代大名や旧旗本からは「16代さま」と慕われ、議長歴の長さからも、彼が『出来た人物』だったことの傍証となりますが、実は大正最大の疑獄シーメンス事件のゴタゴタの際には、家達さえ首を縦に振れば総理大臣に、という事態まで行ったようです。もっともこれは「徳川一族の総意」として否定され、残念ながら実現しませんでしたけれど。
更に大正10年のワシントン軍縮会議にも全権大使となっていますが、裏読みすると、既に暴走気味だった軍部を抑えるための象徴、という意味あいもあったようです。
この他にも戦前開催予定だった東京五輪招致委員会委員長、国際オリンピック委員会委員、日本赤十字社社長も勤め、それだけのネームバリューと人柄の良さが家達にはあった、ということですね。
・・・13歳の頃には屋敷内で近道をしようとして塀に跨っているところを家臣たちに止められたり、クララの家でベットの上で跳ね回って軋む音を面白がったり、子供用のボンネット――しかもピンクの!――を頭に被って遊んでいたのにw。
歴史上の人物の意外な側面が見られるこのシリーズ、まだまだ続きます。次回は「等身大の福沢諭吉とおかしな英語」ネタを。