![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/47/66cb782f5420ae59aa45f879edf43983.jpg)
現在、「厚生年金基金の話」を執筆中です。
皆さんに、いかがなものか、ご覧いただきます。
メッセージを頂けましたら、大変ありがたいです。
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はじめに
「厚生年金基金」についての本は数冊しか出版されておりません。ましてや基金内部の者が書いたものは皆無です。日本の人口の1割ほどが関わったこの年金について、あまり知られていないというのが実情です。このままだと、将来は、代行返上や基金解散の末に歴史の闇に埋もれていくことになりましょう。
この本は、厚生年金基金事務所の25年に及ぶ実務経験(事務所の人的物的体制構築・基金業務の機械化・加入員の年金計算年金振込み・基金の予算決算・ライフプランセミナー開催・OB会運営・年金給付改善・資産運用体制構築・年金調査研究等)と、社会保険事務所の年金相談員5年経験(ほぼ30,000人と面談)の年金カウンセラーが、「厚生年金基金」という堅い話をなんとか柔らかく皆さんにお伝えしようと試みます。
つまり、学者先生が書けないドメスティックな本になります。ただ、ハウトウものや解説本ではありません。
そのため、論文調の退屈さ・窮屈さを避けるための工夫として、既にWebサイトでたくさんのヒットをいただき好評のコンテンツ(SKYDrive「厚生年金基金アーカイブ」http://cidー02b2f63519bf4866.skydrive.live.com/home.aspx?sa=776250713)から「検定:年金入門」、「基金って何?」、「囲い記事の引用文」、「Q&A」、「旅行記」、それに、ビジネス雑誌に掲載しました「意見記事」等によるお話としました。
と言いますのも、前著、哲学書『情緒の力業』(近代文藝社 平成7年)は一部の読者しか読めない硬い本でしたので、この度は働き盛りの若い人を対象に柔らかい本を目指します。
要するに、いろいろな語り口を通じて、皆さんにお楽しみいただきながら、自然に、「厚生年金基金」のイメージが定まるようにします。
併せて、巻末の付録で「厚生年金基金」の加入がある人(総人口の1割ほど1200万人)の内、多くの人がいまだに未請求のまま放置している「厚生年金基金」の年金を、お手元にお届けするお手伝いもします。当然、若い人たちにも大変参考になります。又、読書案内も年金を広く承知するために役立ちます。
これらを、皆さんがお楽しみいただき、ほんの少しでも厚生年金基金がお分かりいただけて、ご自分の老後保全にいっそう邁進されるようになられましたら、筆者の目的は達成されます。
さて、平成15年<2003年>10月、確定給付企業年金(DB Defined Benefit)である厚生年金基金の将来分代行返上が法律で認められ、一気に660基金の「代行返上」が始まりました。そのほかに平成13年<2001年>に始まった確定拠出企業年金(DC Defined Contribution)に移行した基金(30基金)や「基金解散」も急拡大し、全国にそれまで1800余基金あったのが、1000基金になり、平成22年<2010年>2月1日現在では609基金になっています。
このように、いまやあたかも「厚生年金基金」は時代の要請を果たし終わり、次にバトンタッチをしているかのような状況にあります。それは、まるで米国の後追いをしているかのような景色です。
と言いますのも、日本でも、老後の生活保全については、昭和40年以前はFamily家族でした。昭和40年~平成15年頃はGovernment/Company政府/企業でしたが、平成15年頃以降(米国に20数年遅れて)Individual個人の責任へとシフトしつつあるようです。
図表1 年金主体の移り変わり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/cb/def39bf948e6691edfebbb4877655dcf.jpg)
出所:米国フィディリティィ社 プレゼンテーション資料 1999年
平成22年の現在、このような立ち位置の「厚生年金基金」は確かにタイムリーな話題ではありません。しかし、これからも総人口の1割ほどの1200万人あまりが20年ほど終身「厚生年金基金」の年金を受けていくのですから、実務的にもお話しする意味はあります。
それに、「厚生年金基金」には都度のマドリングスルーな関係者の必死の切磋琢磨によって蓄積されたインフラ・ノウハウ(例えば、退職金の年金化・外部保全化、資産運用の方法、官僚まかせの他者依存意識からの覚醒、受給権保護の方法、受託者責任等々)は膨大なものがあります。
また、若い人たちにとっても、新たに始まった確定拠出年金の成功のために「厚生年金基金」を承知しておくことは必要不可欠なことであります。
といいますのも、「厚生年金基金」を経路にして、日本の退職一時金制度が年金化した経緯を承知出来ますし、更に、その受け皿であった「厚生年金基金」(確定給付年金制度)の限界(受給権保護が不充分)と打開策(確定拠出年金)に触れることも出来ます。そこから、将来何をなすべきかの方向が定まるからです。
それでは、みなさん、お楽しみください!
平成22年3月
年金カウンセラー 野 義博
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目 次
はじめに
序にかえて
検定:年金入門
第1章 厚生年金基金の成立と展開
1.厚生年金基金制度の仕組み
2.経営などしたこともない!
厚生年金基金の事業運営/「経営など、したこともない!」/基金経営の組織機能/厚生年金基金の過渡的経営フレーム・ワーク
3.基金運営から基金経営へ
代行の由来/代行故の官依存/グローバリゼーションの力学/最良執行
4.基金の見た日本の資産運用環境
第2章 Q&A年金の行方(基金解散と代行返上)
はじめに
1.基金解散と代行返上に伴う年金の行方
厚生年金基金の仕組み/基金解散後の年金/代行返上の仕組み/代行返上後の年金の行方
2.基金解散と代行返上の真因
年金が一時金に化ける/資産運用の低利回り/事前積立方式だがどんぶり勘定/多額な不足金発生/時価会計採用でどうなるのか
第3章 401(k)の百聞は一見に如かず
1.401(k)一見
視察団/3大都市の印象/ツアー企画の背景/訪問先/幾つかのトピックス
2.訪問先個社マター
JOHNSON & JOHNSON/SONY US/HewlettーPackard Company(HP)/APL社/Scudder University/ Fidelity Investments/Atlantic Financial社/SpeechWorks社/日 本経済新聞社米州編集総局年金担当:越中記者による現地401(k)セミナー/「プ ラン・スポンサー」誌
3.日本版確定給付型年金の完全民営化
取敢えずの401(k)論/台風の目となった厚生年金基金/完全民営化への論理的 帰結/おわりに
第4章 厚生年金基金を問う
1.厚生年金基金は死に体!
凍結通知/凍結した死に体/解凍後の再生イメージ
2.基金問題のインパクト
積立不足か、コントリュービューション・ホリディか/<人様のお金>が要請する効 率市場/受託者責任が再構築する/基金問題のインパクト
3.<人様のお金>が変える日本のインフラストラクチャー
日本型資本主義の組成/フローからストックへ/インフラストラクチャーの再構築
第5章 基金よ、残高証明、発行せよ!
1.2007年噴出の年金問題
2.問題の真因
3.基金よ、残高証明、発行せよ!
4.この問題に対する動向
5.結論
おわりに
付 録
1.年金を請求しよう!
典型的な請求もれ年金5つの事例/「年金履歴書」作成による請求もれ年金発見 の仕方//基金解散と代行返上の年金相談先
2.ドキュメント
パブリック・コメント?/資産運用機関の勝手格付け/DBとDCの相違点/
あなたの確定給付型年金口座のお知らせ/東京新聞 2007/6/2朝刊「こちら特報 部」取材記事/週刊誌「サンデー毎日」2007/9/23 取材記事
3.読書案内
「年金カウンセラー」とは
インターネット
著作・評論等
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*著者よりお願い!
ご感想・ご意見を左サイドのメッセ-ジから送ってください。
または、この下のコメント欄からコメントしてください。
・面白い ・つまらん ・やめとけ……だけでも。
*お問い合わせ先
hitosamano@hotmail.com
皆さんに、いかがなものか、ご覧いただきます。
メッセージを頂けましたら、大変ありがたいです。
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はじめに
「厚生年金基金」についての本は数冊しか出版されておりません。ましてや基金内部の者が書いたものは皆無です。日本の人口の1割ほどが関わったこの年金について、あまり知られていないというのが実情です。このままだと、将来は、代行返上や基金解散の末に歴史の闇に埋もれていくことになりましょう。
この本は、厚生年金基金事務所の25年に及ぶ実務経験(事務所の人的物的体制構築・基金業務の機械化・加入員の年金計算年金振込み・基金の予算決算・ライフプランセミナー開催・OB会運営・年金給付改善・資産運用体制構築・年金調査研究等)と、社会保険事務所の年金相談員5年経験(ほぼ30,000人と面談)の年金カウンセラーが、「厚生年金基金」という堅い話をなんとか柔らかく皆さんにお伝えしようと試みます。
つまり、学者先生が書けないドメスティックな本になります。ただ、ハウトウものや解説本ではありません。
そのため、論文調の退屈さ・窮屈さを避けるための工夫として、既にWebサイトでたくさんのヒットをいただき好評のコンテンツ(SKYDrive「厚生年金基金アーカイブ」http://cidー02b2f63519bf4866.skydrive.live.com/home.aspx?sa=776250713)から「検定:年金入門」、「基金って何?」、「囲い記事の引用文」、「Q&A」、「旅行記」、それに、ビジネス雑誌に掲載しました「意見記事」等によるお話としました。
と言いますのも、前著、哲学書『情緒の力業』(近代文藝社 平成7年)は一部の読者しか読めない硬い本でしたので、この度は働き盛りの若い人を対象に柔らかい本を目指します。
要するに、いろいろな語り口を通じて、皆さんにお楽しみいただきながら、自然に、「厚生年金基金」のイメージが定まるようにします。
併せて、巻末の付録で「厚生年金基金」の加入がある人(総人口の1割ほど1200万人)の内、多くの人がいまだに未請求のまま放置している「厚生年金基金」の年金を、お手元にお届けするお手伝いもします。当然、若い人たちにも大変参考になります。又、読書案内も年金を広く承知するために役立ちます。
これらを、皆さんがお楽しみいただき、ほんの少しでも厚生年金基金がお分かりいただけて、ご自分の老後保全にいっそう邁進されるようになられましたら、筆者の目的は達成されます。
さて、平成15年<2003年>10月、確定給付企業年金(DB Defined Benefit)である厚生年金基金の将来分代行返上が法律で認められ、一気に660基金の「代行返上」が始まりました。そのほかに平成13年<2001年>に始まった確定拠出企業年金(DC Defined Contribution)に移行した基金(30基金)や「基金解散」も急拡大し、全国にそれまで1800余基金あったのが、1000基金になり、平成22年<2010年>2月1日現在では609基金になっています。
このように、いまやあたかも「厚生年金基金」は時代の要請を果たし終わり、次にバトンタッチをしているかのような状況にあります。それは、まるで米国の後追いをしているかのような景色です。
と言いますのも、日本でも、老後の生活保全については、昭和40年以前はFamily家族でした。昭和40年~平成15年頃はGovernment/Company政府/企業でしたが、平成15年頃以降(米国に20数年遅れて)Individual個人の責任へとシフトしつつあるようです。
図表1 年金主体の移り変わり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/cb/def39bf948e6691edfebbb4877655dcf.jpg)
出所:米国フィディリティィ社 プレゼンテーション資料 1999年
平成22年の現在、このような立ち位置の「厚生年金基金」は確かにタイムリーな話題ではありません。しかし、これからも総人口の1割ほどの1200万人あまりが20年ほど終身「厚生年金基金」の年金を受けていくのですから、実務的にもお話しする意味はあります。
それに、「厚生年金基金」には都度のマドリングスルーな関係者の必死の切磋琢磨によって蓄積されたインフラ・ノウハウ(例えば、退職金の年金化・外部保全化、資産運用の方法、官僚まかせの他者依存意識からの覚醒、受給権保護の方法、受託者責任等々)は膨大なものがあります。
また、若い人たちにとっても、新たに始まった確定拠出年金の成功のために「厚生年金基金」を承知しておくことは必要不可欠なことであります。
といいますのも、「厚生年金基金」を経路にして、日本の退職一時金制度が年金化した経緯を承知出来ますし、更に、その受け皿であった「厚生年金基金」(確定給付年金制度)の限界(受給権保護が不充分)と打開策(確定拠出年金)に触れることも出来ます。そこから、将来何をなすべきかの方向が定まるからです。
それでは、みなさん、お楽しみください!
平成22年3月
年金カウンセラー 野 義博
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目 次
はじめに
序にかえて
検定:年金入門
第1章 厚生年金基金の成立と展開
1.厚生年金基金制度の仕組み
2.経営などしたこともない!
厚生年金基金の事業運営/「経営など、したこともない!」/基金経営の組織機能/厚生年金基金の過渡的経営フレーム・ワーク
3.基金運営から基金経営へ
代行の由来/代行故の官依存/グローバリゼーションの力学/最良執行
4.基金の見た日本の資産運用環境
第2章 Q&A年金の行方(基金解散と代行返上)
はじめに
1.基金解散と代行返上に伴う年金の行方
厚生年金基金の仕組み/基金解散後の年金/代行返上の仕組み/代行返上後の年金の行方
2.基金解散と代行返上の真因
年金が一時金に化ける/資産運用の低利回り/事前積立方式だがどんぶり勘定/多額な不足金発生/時価会計採用でどうなるのか
第3章 401(k)の百聞は一見に如かず
1.401(k)一見
視察団/3大都市の印象/ツアー企画の背景/訪問先/幾つかのトピックス
2.訪問先個社マター
JOHNSON & JOHNSON/SONY US/HewlettーPackard Company(HP)/APL社/Scudder University/ Fidelity Investments/Atlantic Financial社/SpeechWorks社/日 本経済新聞社米州編集総局年金担当:越中記者による現地401(k)セミナー/「プ ラン・スポンサー」誌
3.日本版確定給付型年金の完全民営化
取敢えずの401(k)論/台風の目となった厚生年金基金/完全民営化への論理的 帰結/おわりに
第4章 厚生年金基金を問う
1.厚生年金基金は死に体!
凍結通知/凍結した死に体/解凍後の再生イメージ
2.基金問題のインパクト
積立不足か、コントリュービューション・ホリディか/<人様のお金>が要請する効 率市場/受託者責任が再構築する/基金問題のインパクト
3.<人様のお金>が変える日本のインフラストラクチャー
日本型資本主義の組成/フローからストックへ/インフラストラクチャーの再構築
第5章 基金よ、残高証明、発行せよ!
1.2007年噴出の年金問題
2.問題の真因
3.基金よ、残高証明、発行せよ!
4.この問題に対する動向
5.結論
おわりに
付 録
1.年金を請求しよう!
典型的な請求もれ年金5つの事例/「年金履歴書」作成による請求もれ年金発見 の仕方//基金解散と代行返上の年金相談先
2.ドキュメント
パブリック・コメント?/資産運用機関の勝手格付け/DBとDCの相違点/
あなたの確定給付型年金口座のお知らせ/東京新聞 2007/6/2朝刊「こちら特報 部」取材記事/週刊誌「サンデー毎日」2007/9/23 取材記事
3.読書案内
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著作・評論等
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