Takekida's log

千里の道も一歩から

GAFAの次を探せ

2018-11-18 00:33:11 | Books
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界
クリエーター情報なし
東洋経済新報社


the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 スコット・ギャロウェイ (著)

現在の社会を支配する4つの巨大企業=Google,Apple、facebook、amazon=GAFAをヨハネの黙示禄に記される四人の騎士にたとえ、GAFAその次に来る世界を予測して分析した本です。この4騎士はもともと小羊(キリスト)が解く七つの封印の内、始めの四つの封印が解かれた時に現れ、四騎士はそれぞれが、地上の四分の一の支配、そして剣と飢饉と死・獣により、地上の人間を殺す権威を与えられているとされていますがまさにこの地上を支配するような巨大な存在になってきたのがGAFAの4企業。自分はと言えば確かにこの4つの企業のどれかに触れない 日というのは無いに等しいわけでいかに生活の中に食い込んできているのかというのがわかります。

なんと4社の合計時価総額は2018年9月末時点で約3.38兆ドルほどで、これはほぼドイツの国内総生産(GDP)と同額。日本と比べてみても、2017年度の実質GDPが533兆円≒約4.75兆ドル@112円/ドル となり、比較すると70%超を占める規模の会社となっています。特に印象的なのはGAFAが商品を売り込む対象としての人間を3つの部位(脳、心、性器)に分解し、それぞれがどのような方法で人間のどの部位にアピールしてくるかを説明してきている点。やや誇張したように聞こえるとしても本質を突いた分析だと思います。共通項としてはなんといっても自分たちの立場を最大に利用してデータを戦略として活用している点と自身の得意分野を追求して他社がまねできないことをやっているということ。つまるところそれが競争力の源泉として帰ってくるわけです。

それぞれの特徴として簡単に書いておくと
Google: 知識欲という根本的欲求に根差した要求を満たす神。 人間の脳の代わりに近い価値を提供してくれるが背景にあるのは
Amazone:狩猟本能に訴えかけるサービス、最小の資本で最大の利益でなく、最大の資本で逆に他者にできないことをするという逆張り戦略。
Apple: デジタル製品としては対極的にシンプルさを追求することによって芸術的な価値を見出させた。結果としてぜいたく品、セックスアピールの象徴として高級製品のジャンルとして売ることに成功した。
facebook:人間同士つながることが幸せであるという基本的な訴求に根ざしてマーケティングの最上位である漏斗部分=認知を支配、ユーザー数の規模と各ユーザに適したコンテンツを提供するというターゲッティングを最大規模で実現した企業。

アリババ、テスラ、ウーバー、エアビーアンドビーなど複数の企業を挙げ、「騎士」に昇格するために欠けている部分などについての考察が加えられていますが、その中に日本ブランドが1つもないのは寂しい限り…
要求を実現するための1手段(程度)のレベルしかないわけです。ただそれがGAFAの競争力の一つになっているのだとすればそれがヒントなのかもしれしれません。
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