中高年男性の働き方の未来 小島 明子 (著)
都市部大企業に勤める高学歴中高年男性の意識調査からみえてくる「中高年男性の仕事観」と「55歳の再就職活動の現実」を明らかにしながら様々な例から道しるべを模索した本です。さすがに40を超えてくるとこの先のことが気にならざるを得ない一方で人生100年時代と言われるように社会の在り方が少しづつ変わりつつあるわけで身につまされる思いで読み進めました。
仕事観というのは簡単に言ってしまえばハードワークへの許容度が低くなる一方で内的報酬(やりがい)に対する要求は高く、外的報酬(役職や地位、年収など)に対する欲求は半々といった感じの像が一般的ですが特にこの報酬要求は学歴が高くなればなるほど高くなるようでやはりプライドといったものも意識に大きくかかわっているように思います。
では中高年男性が活力を持って働くには何が必要かというと一言でいうと「しなやかさ」ということになるのでしょう。つまりは自身が求められていること出来ること、生かせることを認知してそれを積極的に生していくということ、キャリアの棚卸、兼業・副業やボランティアで新しいキャリアのきっかけをつくりながら次の布石を打っておくことなどが挙げられるのではと思われます。コミュニケーション能力(聞き上手に話し上手)が基板として必要でさらに資料作成などPCのスキルに加えて職種によっては専門性が必要ということになるのでしょうが絶対的に備えている即戦力でなくとも大事なのは学ぼうとする意欲の方なのだと思います。
具体的な取り組みとして紹介されているものとしては副業・兼業、在籍型出向、フリーランス、定年選択制など。今までのように一括定年という形ではなく多様なキャリアを認め育てていくことが最終的には若い層に対してのキャリアパスを示すことになり、相乗効果として良い結果が得られるのではないかとは思います。ともあれ自身も何をしていきたいのかというのを大きくは考えておく必要があると考えたのとさらに自身の幅を広げていく努力をしていかなければいけないと強く感じます。
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