Takekida's log

千里の道も一歩から

シェアリングエコノミーの未来

2018-01-28 01:17:00 | Books
シェアリングエコノミー
クリエーター情報なし
日経BP社


 ウーバー、リフト、滴滴出行やエアビーアンドビーなどのシェアリングプラットフォーム企業が力を伸ばし始めています。産業革命以来の変化とも言われるシェアリングエコノミーの台頭ですが今のような大企業が消費活動の中心になっていた時代というのは歴史の中ではごく最近の一部の期間だったというのは言えそうです。もちろん自分が生きていた時代の中ではそこまでの変化ありませんでしたが産業革命前にさかのぼれば消費活動というのは個人商店や雑貨商のようなものが主で経営形態も家族での営み、個人経営=自営業者、取引自体も個人対個人というのが中心だったというのがいえると思います。またこれらの時代ではとすると昨今のシェアリングエコノミーの取引、商売、雇用というのは形態としてはそこまで新しくは無いというのがわかります。ただここで潮流が変わってきたのはデジタル技術により今まではつながるはずのなかった個人の間を信用の証明含めて結びつけることが可能になってきたからということが出来そうです。またこれらの起業的行為も大企業の主導モデルから一般大衆=クラウドの主導型のの経済モデルに代わってきているという変化が起きているということも大きな潮流ということが出来そうです。以前のインターネットが大手のポータルサイト主導だったころから今は一気に個人のSNS、Twitter、Youtube投稿が大きな動きを作るというように変化してきたのと少しは似ているような感じもします。この本はそんな時代の潮流に対して今のトレンドや傾向、経済的影響、消費者保護を解説するだけでなくこれらのサービスがどのように働き方や経済の在り方を変えていくのかというところに着目して書かれています。シェリングエコノミーにもいろいろありますが贈与経済、市場経済の双方を併せ持つビジネスになり、事業者の形態によってこれらの濃淡が決まっているように思います。こういった分類自体も紹介されています。
 特に気になるのはこれからの働き方というところでしょう。今後シェリングエコノミーが交通、宿泊だけでなく教育や医療、金融、消費者サービスなどに広範に広がってきた場合、副業的に見えているオンデマンドな働き方がこれ以上に広がってくる可能性があります。起業家精神に充ち溢れた社会になるのか、中途半端なやっつけ仕事が蔓延するのか、=「力を得た起業家もしくは権利を奪われた怠け者」それらのセーフティネットはどのように確保するのか?というのが課題で悲観的に見る人もいれば楽観的に見る人もいる状況です。ただより働き方自体が多様になりシェアリングによって企業はスキルや知識のある労働者の空き時間を利用するのと同時に労働者は無駄になっていた時間の価値を取り戻すことが出来るようになってきているというのは事実でやはりここら辺はどこまで活用できるかで相当個人的な差=格差が出てくるのではないかと想像します。以前のように会社に勤めて給料をもらうという形態が主だったものが多岐多様化する方向に行き、隙間時間や資産に働いてもらうといった形で恩恵を受ける人もいれば逆に競争にさらされて底辺に落ち込んでしまうリスクもありそうです。会社側の立場としても単に自社で囲い込むだけでなくこういったシェアされた労働力をどのように活用するか?というのが一つのポイントになりそうですが研究開発とかの分野で言うと機密の問題もあるのでそうは簡単ではないかもしれません。ただクラウドの活用というのは常に頭に置いておく必要がありそうです。
 
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