名古屋にやってきたガウディ展。個人的にもガウディの建築は子供の時に聞いた「平面じゃないからタイルが貼れないと職人さんに言われた時にその場でタイルを割って見せこれなら貼れるだろう」と言ったというエピソードがあたまの中に残っており、好きな建築家の一人でした。この不規則なタイルの並べ方は破砕タイル(トレンカディス) と言われてますがガウディの作風自体が自然に学んだ造形というのを建築として再現することをベースとしているので非線形な自然の世界ともマッチするのかなとは思います。 展示自体は大まかに前半はガウディの人生の振り返りと作風の源泉を探り、後半はライフワークだったサグラダファミリアの建築についての内容となっています。
西洋の伝統的な「三大美術」は、建築、彫刻、絵画の3つと言われてますがまさにガウディの建築は外の装飾を見ても中の森の中にいるような空間を取ってみても言うまでもなく芸術と言える内容だったと感じます。見るとその造形に心奪われるのですが建築の場合は他の芸術とは異なり、設計者の意思を実現するのは大工さんです。これを翻訳するのが幾何学であり、ものすごい曲面も実は直線の組み合わせで巧妙に形成されているため共通言語である幾何学に落とし込めたというのもすごいところでガウディは幾何学が得意だっただけでなく建築分野に線織面幾何学を導入したことでも知られてます。
ガウディの発想がどこから来たかというのは知る由はありませんが幼少期はリウマチで体をうまく動かすこと自体が出来なかったようです。逆にその境遇が観察眼を磨き自然への造詣を深めたり、手を動かしたりする感覚が磨かれたのかもしれません。
ガウディが残した「人間は創造しない。人間は(自然から)発見し、その発見から出発する」 という言葉が残す通りとにかく自然の中に解はあるというのが信条であったようです。半導体も中は建築物だなあと改めて思います。建築にそして自然にまだまだ学ぶことがあると深く感じさせられた展覧会でした。
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