
動物たちの生存競争というのは分かりやすくよく取り上げられますが植物たちも常に戦っているというのはあまりイメージが沸きません。しかしながら平和そうに見える植物たちも常にサバイバルを繰り広げているその実情を記した本です。
この分野は「植物病理学」と言われ人間が食べ物を育てる過程で発達した学問だそうです。おもに取り上げているのは植物と病気ー病原体との戦い。人間を代表に動物は免疫のシステムがあるわけですが植物には白血球や抗体、そして血液での運搬機構も持たないわけですが植物はそもそもを細胞壁で守って限りなく開口部分を抑えるのと同時に病原体が細胞壁に付着しただけで、それを認識して、感染経路を遮断したり、有害物質を分泌して病原体を撃退する仕組みを持っているそうです。ただ敵もさるものなんとか植物の内部に入ろうと進化、そしてそれに対する防御の歴史が動物に対する病原体の歴史とも似ているように思います。感染すると細胞がアポトーシスする「自爆機構」 などもあり・・・ 植物の世界の奥深さを感じることのできる本でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます