資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐
マルクス・ガブリエル (著), マイケル・ハート (著), & 2 その他
マルクス・ガブリエル (著), マイケル・ハート (著), & 2 その他
先の見えない社会、特に世界を席巻してきた資本主義は格差の拡大と環境破壊、極右ポピュリズムという問題に対して根本的に解決することが出来ずまさに「胸元に拳銃を突きつけられた」状態。それに加えて情報テクノロジー(特にAI技術)の進展はむしろ格差を広げ、知や権力を構造化して利潤によって社会を再構成、デジタル封建主義に近いものをもたらしています。そんな時代でどのような生き方をしていくべきなのか?筆者がガブリエル・マルクス、マイケル・ハート,ポール・メイソンという名だたる言説と探った未来への探訪が記された本です。
ウォール街占拠運動での理論的支柱を提唱したマイケル・ハートさんは、「コモン」=「私的所有とは対極の存在」を意識して「下からの」コミュニズムを展開することを提案。人々のための量的緩和によって直接に財が人にわたるようにする小野が良いのではないかという思想です。
新実在論を踏まえ民主主義に再起動を掛ける必要があると主張するのがマルクス・ガブリエル氏の哲学。現在の相対主義では、「自明の理」でさえも懐疑的にバイアスを掛けていることが多く、「知」=「理性」に生きる新実在論とは当然に相容れない。その上で、新実在論は無限の多元性を示唆するが、意味の場としての“事実もどき”=“自明の理”に収斂。「知」=「理性」に生きる新実在論に基づいて「資本主義の倫理」を取り戻し、「デジタル封建制」から脱却していくとの思想です。
ポール・メイソン氏は、50年ごとに景気のアップダウンがおこる背景に着目。昔は利潤率が下がったとしても加速的に資本蓄積ができれば、利潤量を増やすことはできたが限界費用が限りなくゼロ社会が到来している今、IoTによって、スマート社会が実現すれば「潤沢な社会」に移行する見込。環境危機を乗り越える手段としてクリーンニューディールの提案あり、議題の対策議論へ。
いずれにせよ環境変化とAI技術で何かしら実現できるものを模索していく必要がああるのは事実で今後も動きに対して注目です。
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