Takekida's log

千里の道も一歩から

月魚

2012-05-12 21:56:50 | Training
街中の緑がまぶしい季節です。連休明けの1週間はさすがに辛く感じました。

月魚 (角川文庫)
三浦 しをん
角川書店


古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。
古本屋というやや地味な職業を題材に描いた小説ですが偉大な祖父と有能な孫。その間から、去らざるを得なくなった父親を持つ主人公の真志喜。そして幼馴染の瀬名垣は真志喜の父親を追い出したという背景があり・・・ 罪悪感と愛情、遠慮など一筋縄ではいかない感情のうねりのある奥の深い世界観が描かれています。小説としては大きく2部構成になっていて後半で少し昔に振り返った夏の風景を描いた物語もあり主人公の2人の背景を肉付けもあり2つの時代の視点で描かれていることで月魚というどことなくノスタルジックな小説のイメージを形作っているのかと思います。


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