テクノロジー思考――技術の価値を理解するための「現代の教養」
蛯原 健 (著)
蛯原 健 (著)
「テクノロジー思考」とは、「近年において世界のあらゆる事象、組織、そして人間にテクノロジーが深く関与し、また支配的な存在として強い影響を与えている事実に焦点をあてた、新しい思考アプローチ」 とのこと。まさに「テクノロジーか死か」という時代にどのように読み解いてい行くかの視点を与えてくれる本です。
インターネットは(接続人数の鈍化やスマートフォンの出荷台数も頭打ちになっている)ことからもはや成長産業ではないというのは事実。次は以下にそれを利用して新たな価値を作り出すかというところに次のポイントが移ってきています。今大きな覇権戦争が起こっているのがデータ産業。データ資本主義といわれるよう市場や顧客のデータからいかに次に起こることに対して先取りするか?が一つのKey。ただデータというのは規模の経済性があることから獲得競争が行われている最中です。欧州はGDPRの施行等によって安易にデータを引き渡さない姿勢を明確にしておりデータの獲得競争は国家間の争いの様相を呈してます。こういった観点では中国は自国内であれば統制しやすいので有利なのかもしれません。これからの成長産業としては人がマスで関わるという観点ではモビリティとヘルスケア関連が最も注目されておりこれまた上記のデータをベースにした覇権争いが進んでいきそうです。 その他、注目されているのがインド系の人たちの台頭です。マイクロソフトやグーグルのCEOがインド系であることや10億ドル以上のユニコーン企業の経営者のトップはインド系が最も多いとのこと。
テクノロジー思考のポイントとしては
①具体(素材や物理現象)と抽象(目的や法則、高度さ)に注目して重要性を判断
②既存x既存or既存x新規のテクノロジーの組み合わせに注目する
技術的な小目的が社会的課題を解決するという大目的を実現できるかが成功できるか
ということが挙げられそう。ともあれ未来というのはなかなか予想しようとしても当たらないものです。これはまさにドラッガーも言っていた「未来は知りえない、自ら創ることはできる」ということなのでしょう。 ともあれ技術が何に役に立つのかの大局を考えていくことは重要になると思います。
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