Takekida's log

千里の道も一歩から

計数能力は生き物の本能だった

2023-08-26 22:16:14 | Books
 
魚は数をかぞえられるか? 生きものたちが教えてくれる「数学脳」の仕組みと進化 単行本(ソフトカバー)
ブライアン・バターワース (著), 長澤 あかね (翻訳)

 計算能力で年収が決まるともいわれるほど数を処理する能力というのは人間には重要だともいわれますがこれは人間に限った話でなく生物が生きるために身に着けていた能力である可能性を示してくれる本です。ただ数を数えられるというよりは数の大小を認識できるくらいに理解しておくのが正しそうでとても大きな数を数えたり、近い数を見極めるのはやはり高度になってこないとできなさそうなのですが少なくとも数的能力は決して進化した生き物だけが身につけたわけでなく生存競争と生命本能に根差しているというのは間違いなさそうです。
 本書によると魚は大きい群れに加わり生存確率を上げて、ヒヒの群れは進行方向は多数決で決めて、ライオンは敵と味方の数から戦うか決める、昆虫といえども自分の歩数を数千歩まで数えているアリや素数周期を把握できるセミ、そして渡り鳥の脅威のナビゲーション能力に関してもやはり生存本能に根差したものということで… 
 自分は理系ながら数学には苦手意識が消えないのですが本能として取り組むべきという戒めになりました。


・「サルと大学生の基礎数学」
・ヒヒは脳で計算し、足で投票する
・敵の数をかぞえて戦略を立てるライオン
・数を多めに見積もるネズミ
・クジラとイルカの高度な数的能力
・猫の脳で観測された「計数」細胞
・「名前のない数」を考えていたカラス
・ハトの記憶容量はグーグルマップを超える?
・さえずりで数的能力を鍛える
・鳥のちっぽけな脳内はニューロンでいっぱい
・5回鳴いて婚活に勝つオスガエル
・オタマジャクシの数的能力は魚に劣る?
・生後1日のグッピーも大きな群れを選ぶ
・数の変化で魚の脳も変化する
・7時間訓練すればアリは「数」を学べる?
・クモは獲物の数をかぞえる
・イカの数の感覚は人間の子どもと同程度?
・シャコは経路積分で巣穴に隠れる
・カタツムリはチンパンジー並みに数に敏感
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