熱風の一日

猛暑の一日。風は吹いても熱風です。

私が語りはじめた彼は (新潮文庫) 三浦 しをん 新潮社 このアイテムの詳細を見る

私は、彼の何を知っているというのか?彼は私に何を求めていたのだろう?大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘―それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか…。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。

三浦しをんさんの本は直木賞受賞のまほろ駅前多田便利軒依頼。独特の世界観と描写力に引き寄せられたのを思い出します。この小説のテーマとしては昼ドラとかにありそうなドロドロした話。それでありながら強い感じではなく静かながら力強い表現が生きている印象でした。登場人物もどこかで影を抱えて生きていく姿がうまく描かれていると思います。