魚鳥木☆

百年後にも多種多様な動植物を伝えたい!!その為にも、生物多様性の保全について勉強していきます

中国の環境と日中協力 その2

2008-10-31 19:30:00 | Weblog

昨日に引き続き
先日、参加した緑のネットワークの公開講演の参加報告のつづきです

パネルディスカッション


Q:困っていることを具体的に教えてください

高見氏
人件費の高騰
以前は、3年生の松を1本0.2元で購入し、植栽していたが、これだとウサギに食べられてしまう。ウサギの口が届かない大きな苗は、ポリ袋で育てる必要があり手間がかかっています。労働賃金の日当は以前は、7元であったが、今年は、60元。8年で12倍近く高騰している。春先に予算を立てても、そのまま実行できない。さらには、日当や日当の支払い方法等で闘争も起きている。

中国の国の体制
中国は国の意向が、国から各省に、省から各市に・・・・と5段階ほどの伝言ゲームある。
そのため、本来農地に向かない土地まで農地にされていて、作物が生育できていない。
緑化事業においては、山を緑に塗ってしまうような嘘のような本当の話があったり、農地向けの土地が森林になってしまったりしている。
その土地毎の判断が出来ていない。

今後について
山本氏
中国の急成長は、公共事業や国有企業の改革などの先を読んだ改革やWTO加盟、関税下げて市場開放が大きな原動力になった。アメリカのバブルもそれを支えた。
しかし、中国は過剰投資を行っている。
アメリカは借金までして消費する過剰消費を行ってきたが、これが崩れだしている。
中国は国内の自立的な経済の確立が必要だが、成功体験からは抜けられない。
地方は、中央に公共事業の依頼をし続けている。
7%成長が今後も続くと考えている
速いスピードでの走りは、転ぶと大きな痛みに繋がる。
先不安な経済であるが、継続こそが力なり。
このような緑化事業は、大変だろうけど続けるべきである。
継続するためには、次世代の育成が重要になる。

変化の兆し
加藤氏
中国はボランティア元年といわれている。
3月に活動現場にいったが、自分の親族がかつて日本軍に殺された人の子供が、日本からの活動で、木を植えて、森にするという同じ大きな目標をもっている。
これは、お金だけじゃなく、奉仕精神もあるのではかと思う。

高見氏
ボランティア精神の高まり感じている。
献血に北京で列が出来ている。
また情報についても、以前の大震災に比べると今回の地震は情報は出ている。
長い目で見てみると変化を感じられる。

ブーメラン効果が期待できる
他国の対応が、日本にとっては都合の悪いものもあるが、環境問題に関しては、向こうが良くなったからといって日本に悪影響が及ぶことはない。


中国人の性質
高見氏
日本人は、平均的であるが、ところが中国は、偉人がいる一方、はしにもぼうにもかからない人もいる。
頑張っている人もいれば、足を引っ張る専門家もいる。


Q:オリンピックの間、地方に戻ったような出稼ぎの方々は、今後、どうなっていくのか?

山本氏
都市の市民になっていくと思う。
一般労働者も都市で受け入れる仕組みが出来つつある。農村地の使用権の売買も行い易くなってなっていく。企業化していく。
都市と農村の教育レベルの格差を考えると、貧富の差が開いてしまうという懸念がある。
都市では、建築や工業地化のために、農民を、ある意味、詐欺のようにして使用していた。

加藤氏
地方から都市に出てきて、都市の生活を得れる人はわずかで、地方の人は今の生活水準のままになってしまう。都市の郊外に スラムが形成されるのでは
農村の近代化を中央は進めたいと思っているが、社会不安を中国は恐れている。
そのためメディアは自由に取材できない
集団抗議事件は、2005年に8万件あったと公表したが、その後、中国は 発表していない。

中国に必要な政策
山本氏
言論の自由を与えないといけない。そうでなければ、多様な意見が出てこない。
内需の拡大も必要。14憶人の所得水準が低ければ、内需が拡大しない。
今年のインフレは17%程度
人民元の値上がりを考えても10%あがっている。
資金が投資に回っていて、所得格差がさらに開いている。
10億以上の人が貧しく、何割かだけが大富豪という社会構造になっている。
ユーザーのレベルが高まれば、品質向上が見込まれる。
そのためにも、思想の自由化が重要
内部事情を認知していない学者は、すごいと発言しているが、内部をみれば、問題が盛りだくさんあることがわかる。
政治改革の先送りのため、今後、中国は大きな壁にぶつかるだろう。

食糧問題について
高見氏
中国の食糧問題は、土地で考えるのではなく、水で考えないといけない
しかしながら水の研究は進んでおらず、1kgの小麦の生産に1tの水が必要ということしかわかっていない。
1人あたりで考えた水の使用可能量はイスラエル並み。
工業用水や都市用水については、対応可能だが、農業用水不足に関しては解決のめどがたっていない。
しかも、地下水が下がってきている。

そもそも、水豊かな日本に、水がない中国から 水の塊の農作物を持ってくることが問題である

司会者
日本の食料自給率を向上させることが中国への協力になる

Q:高見さんの原動力は? なぜ中国?
高見氏
馬鹿だから。。。
簡単には言い表せない。
効果・成果を考えていない

加藤氏
中国の地方紙に“馬鹿で大酒のみ”というタイトルで記事が載った

Q:農村地帯には水が無いが、北京には噴水などがあり、水が豊かである。農村地帯でもテレビをみることができるが、農家の人々に不満はないのか?
高見氏
水の研究は、成果が出るまでに時間がかかるために、研究者が少なく、遅れている分野である。
農村地帯の人が、昔から使えなかった川の水を北京で使用しているので、昔から使用していない水であった。
水不足は山の上が深刻。
盆地で金のある地域では、地下水をくみ上げて使用する。
つまり、山の水を使用していることになる。
しかし、誰も他の地域に関心を持っていないため、このことが問題になっていない。
山の人は、そのような問題に目を向けていない。


今回の講演会で印象に残ったことは、日本が自給自足することが、中国への協力になるということです。
中国の問題を、他人のことして見てしまっていますが、その原因のひとつが、我々の豊かな生活です。
すごくこの話に、考えさせられました。
また、水問題についても、地域で考えるのではなく、全体で考える必要があるが、全体で見るのは難しいため、この問題が表面化してくるのは問題がさらに深刻化してしまったときだと思います。
知らない興味ない関心を持たないこのことの恐ろしさを改めて感じました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国の環境と日中協力

2008-10-30 21:10:22 | Weblog
ひさびさの記載です

サボっておりました

塵も積もれば山になる。
千里の道も一歩から。

って言いますよね

生物多様性を語れるようになるため、心新たに頑張ります
応援を宜しくお願いいたします

っと自分にむちを打って始めます


今日は、中国山西省大同市の黄土高原で緑化協力をつづけているNGO
緑の地球ネットワーク(GEN)
の公開講演会に参加した報告をします


高見 邦雄 氏 (緑の地球ネットワーク事務局長)

実際に中国での活動体験を話してくださいました。

活動内容
牧草や伐採のため、はげ山になった土地に緑を育てるための植林活動。
植林木は、広葉樹や現地の植物が育たないため、松のみを植栽。
シラカンバも植育中(実験段階)
大阪市立大の植物園は、はげ山につくった経験を真似て、はげ山に植物園を作ろうと考えている(高低差400M)

活動成果
10年前は2~3mだったけれど、樹高20mに成長した植物も。
日本より乾燥しているため、腐葉土の成長が早い

体験から
地元の植物が好きな方も一緒に、このプロジェクトに携わっている。
この地域は世界大戦時に日本軍による強奪が行われたため、日本に対しての不信感が根強く残っている。
そんな土地で日本のプロジェクトに加わった方が、『植物園づくりに携われて嬉しい』と涙を流して言ってくれた

植林活動は、その土地の生物多様性に悪影響を及ぼす場合も懸念されています。その土地にもともとあった植物を育てることには問題は無いのですが、他の地域から持ってくると、その土地の元来の自然を損なうことになってしまいます。現在問題になっている外来生物の問題です。
そのため、私自身、植林活動に疑問を持っていたのですが、高見さんのお話を聞いて、植林を行うことは、緑を戻すだけでなく人の心まで動かせるものだと改めて感じました。
昔、読んだ「木を植えた男」という本を思い出しました。
変に頭でっかちになってしまっていた自分を反省しました。
大切なことは、緑を戻したいっという思いを大切にするために、必要な所に必要な情報が届くようなネットワーク作り、組織体制を地球規模で用意することだと思いました。
間違っても、想いのある方のその思いを折ってしまってはいけない。

山本 勲 氏(産経新聞論説委員)

日経新聞に30年ほどいて、現在、産経新聞にいらっしゃる山本氏からは、中国の現状と将来についてのお話でした。

高見氏との出会い
中国の深刻化する環境問題に対して活動している日本人を紹介したいという想いから、ネタ探しを始めた。
環境プロジェクトはたくさんあるが、組織での対応や期間限定の活動が多く、実際に活動した当事者がなかなかみつからないなど、苦労した。
日本のODAの援助は当初はダム建設などインフラ関係が多く、日本が援助しているにも関わらず中国政府が公にしなかったため、日本の環境協力を誰も知らず、日本の協力は顔が見えないといわれ続けた。
そのため、中国の日本に対する意識の変化も見られなかった。
しかし、高見さんは、反対で、人と人との付き合いの中で、継続的な活動をおこなった。
10年、15年という息の長い活動が成果をもたらせた。
高見さんの土臭さがよく、その活動に協力する方も癒され、原稿を書くことにも力が入った。
チベット問題や餃子問題がとりあげられている時期に記事になったが、他の社員や仲間からは好評であった。

中国の環境意識
中国は胡 錦濤(こ きんとう)政権に入ってから、循環型経済への移管がみられる。
90年代からのインフラを中心をした発展により発生した大気や水汚染に対して
2005年から5カ年計画で対応している。
昨年あたりからエネルギーの効率化も図られるようになってきた。
環境問題にも力を入れだした。
日本で環境省ができたように、中国でも環境対応の省庁ができた。

中国経済
中国経済そのものが、大きな転換期に来ている
後進国から、急成長を遂げている。
人民元の価値が上がってきているため、中国の人件費がアップし、輸出が減少しだした。
人件費の安さが売りの企業が倒産しだしている。

中国の今後
中国経済は10年サイクルで動くと言われている。
3年から5~8年は上昇するが、その後、下降する。
70年代も78年、79年は下降した。
80年代も、89年ごろに物不足になり、89年天安門事件が発生した。
90年代も後半は落ち込んだ。
そのため、2000年代後半である現在は、下降に向かうだろう。
世界の金融危機とアメリカの問題もあるが、もともと持っていた中国の問題も関係がある。
内在的なものにアメリカのサプライズ問題が合わさってしまったため、中国にとって大変な時期になる。
株は、上海総合株価指数が1/3に下落。
アメリカの住宅価格の下落から、中国も不動産バブルの崩壊。
北京・上海も新築が売れないためマンションの値下げが始まっている。
不良債権の大量発生が中国にも起きる可能性がある。

循環経済促進法が2008年8月に制定された。
環境重視のエネルギー効率がよい経済に発展が望ましいが、環境意識の低下が懸念されている。

日本は多額の資金を中国に援助しているのに、報われてないのは日本政府の対応の仕方がまずいと思うが、援助するって、そもそも見返りを求めないはずだけど、外交では、そうも言ってられないんだろう
むずかしい。。。
環境問題は国が成長しているときは、儲け主義に走り端に追いやられ、国の成長が止まれば、国民の生活のため対応している余力がなくなる。
結局、端に追いやられるんですね
今だけ見れば、それでいいのですが、将来を考えたら
科学が進歩したからと言って人もそれと一緒に進歩するわけじゅないですからね。。。



加藤 千洋 氏 (朝日新聞編集委員)

報道ステーションのコメンテーターをされている加藤氏が、オリンピックから見えた中国の現状を話して下さいました。

大気汚染問題
オリンピック期間中に18日間、終了後、1か月半後に訪問。
18年間、北京に通った日本の教授が
『こんなきれいな青空を初めてみた
と言った。

80年代半ばに世界の都市において、空気の悪さワースト都市26のうち16が中国の都市であった。もちろん北京も入っていた。
90年代末からオリンピック開催のため“青空プロジェクト”を実施。
オリンピックおよびパラリンピック期間中は、火力発電や工事の操業に規制が行われた。
そのため、北京に来ていた出稼ぎを地元に返した。
また、2か月間の交通規制中は、交通量が3割減少。
ナンバープレートの末尾が偶数か奇数かで走行できる日が決められた。
中国の車両販売台数は、年間300万台で、1日平均1000台の新車登録がされている。
車両保持数が1000万台の大台にのるのではと言われている。
しかしながら、9月は前月比を減少させた。
交通量規制は、一般市民には好評であったため、新交通費規制が始まった。
ナンバープレートの末尾で走行曜日の規制がある。
つまり月曜日は1,6の車はダメ 火曜日は2,7がダメ、・・・・
規制が続けば、自動車の販売台数が抑えられ、大気汚染の面からはよいこと。

中国にとってのオリンピックとは
“北京にとってオリンピックは成人式であった”
成人式とは、中国の場合は18歳で祝う節目である。
18歳は、まだ背丈が伸びる時期。
中国は、ここ30年で平均9.1%という高度成長をおこなった。
しかしながら、身長や手足のみが伸びて、知能や精神がが成長していないような不均衡な成長をしている。
今後は、量的成長ではなく、質的成長が求められている。
成人式といわれる意図の裏には、公害の頻発、貧富の格差、成長のゆがみがある。

中国政府にとっては、北京オリンピックは大成功であった。
規模的にも施設の巨大さも地上最大のオリンピックであった。
1万6千人の選手・役員、3万人の外国ジャーナリストが北京に詰め掛けた。
この外国人ジャーナリストの数は、今までの来中総数より多いのではないだろうか。

記者会見でのロゲン会長への質問
Q北京オリンピックの遺産は?
A中国が世界にさらされ、世界が中国を知り、中国は世界を知った。

世界からの注目が集まった故に、見せたくないものも見せてしまった。
3月のチベット問題・1月の寒波・5月の震災・貧富の格差・情報の統制・環境破壊

平和の祭典であるオリンピックは、各国の力の見せ付け合いになっている。マスコミがこれだけ発達しているため、きれいな物だけでなく、汚いものまで国民は知ることになり、オリンピックの価値が薄れてしまっていると思います。
でも、中国は世界の目にさらされることで、今後、よい風に変わっていくことを望みますが、決して中国の国民性・文化性は失われないことは必要です。

この後、パネルディスカッションが行われ会場からの質問タイムがありましたが、それは、また次の機会に。。。。
なるほどって思うような発言や、考えさせられる言葉があり勉強になりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする