<ここまでの話>
【第1部】
「(第1話) から (第9話)までのリンク」
【第2部】
「(第10話)存在・・」
「(第11話)期待・・」
「(第12話)不倫温泉・・」
「(第13話)男のロマン・・」
「(第14話)浮気?不倫?・・」
------------------------------------------------------------------------------
「ハイ♪」
と、急いでドアをあけると、そこには2課の課長が立っていた・・
「ちょっと早かったでしょうか? お時間大丈夫ですか?」
一気に妄想世界から現実社会に引き戻された・・
仕事で来ているのだから、仕方が無いのだが、テンションは一気に下降する・・
(なんだ・・ 貴様かよぉ・・) 露骨に気持ちが顔にでる・・
「どうされました?」
「いや・・ 大丈夫だ・・ 飲みすぎたのかもしれん、少々疲れた・・」
「あっ! 申し訳ありません、やっぱりお疲れですよね・・
打ち合わせは、明日の朝にしましょう!
朝食は6時から10時まで、1F食堂で用意されています
副社長とのアポは11時ですので、時間は十分にあると思います。
現在までの議事録や報告書はお渡ししておきますので、あすの朝食後にでも・・
いかがでしょうか? 一応、私は8時頃に朝食をとる予定です・・」
「そうだな・・ そうするか・・
8時だと、他のメンバーも同席で打ち合わせができるよな・・」
「いいえ・・ 明日は私だけです・・ 連絡したのでご存知だと思ってましたが
他のメンバーは『技術交流会に参加させよ!』との本社指示でしたので調整し、
メンバーだけは技術交流会に参加させるよう帰らせました・・
ですから、この部屋もメンバーが居なくなったので確保できたのですが・・」
(何だって? 言っている意味が解らん・・ えっ? 技術交流会だと?)
「技術交流会へ参加しろ!って指示は・・ ひょっとしたら、私が発信した奴か?」
「そうです!・・ まぁちょっと息抜きも必要かな・・と思っていた時期でも
ありましたし、メンバーも『他の仲間達と会いたい!』とか言うものですから・・」
「分かった・・ その話はもういい・・
一つ教えてくれ・・ 明日、副社長と会ったあと、宴会の企画はしているのか?」
「えっ・・ 宴会ですか?
そのような物は企画していません・・ というか席を設けるべきでしょうか?」
「いや・・ それで良い、副社長とは雑談で・・と考えている、宴の必要は無い・・
では、後は明日の朝、8時にしよう!」
「解りました、明日の朝ですね、8時にお待ちしております。
では・・ おやすみなさい・・」
「ああ・・ おやすみ・・」
と、部屋のドアを閉めた瞬間、全ての勘違い部分がリセットされ、勘違いから発生した
疑問が解消して行く・・ 全ての情報が、驚くほど綺麗に繋がっていくのだ・・
ただ、頭が綺麗に繋がると同時に、身体の力が急激に抜けていった・・
(くそぅ・・ 神様・・ そうか、今回は私の負けか・・)
ベッドに仰向けに大の字で寝転ろがる・・
天井を見上げ、整理した・・
(自分の都合の良い様に、勝手に判断していたんじゃないか・・
そして、彼女は私がこの温泉地に来ていることなど、多分知らないんだ・・)
彼女が言った『駅』は彼女の自宅に近い駅・・
『明日会える』は、技術交流会での事で、技術交流会も温泉地での開催・・
『宴会』とは、交流会での夕食・・ つまり大宴会・・
彼女は技術交流会に参加することで、私に会える・・
いや、私ではなく、会社の同期などの友人達と会える・・
私はその友人達の中の一人に過ぎないんだ・・
後は推測だが、私の部署が発信した通達文書がきっかけになって、
欠席と報告していた交流会に、急遽参加することができるようになったので
単に私に連絡してきた・・ そういう事だろう・・
(まるで厨二病だな・・、いい大人が勝手に舞い上がっていたなんて・・
まるでピエロじゃないか・・)
自分の思いと彼女の思いが同じだと、自分勝手に決め付けていた事に気付く
テンションが一気に下がり、頭が冷静になっていった・・
(そんな美味しい話は無いか・・
さて、仕事だ! 議事録でも目を通すか!!)
と、気持ちを仕事モードに切り替えた、
すると、先ほどのやや困惑した課長の顔が目に浮かぶ・・
(奴には悪い事をしたな・・ なんて言ってたっけ・・)
と、課長が言った言葉を順番に思い出していく・・
(ん? 『この部屋もメンバーが居なくなったので確保できた・・』って?)
男と言う輩は全く勝手な生き物である
ジェットコースターのように急降下した気持ちが、またグングンと上昇する!
(こ・・ この部屋って・・ 昨日まで彼女が使っていた部屋では?)
そう気付いた瞬間、今までただ清潔だな・・とだけ感じていたこの部屋が
すごく価値のある聖域に思えてくるから奇妙な物だ・・
背中に感じるベッドからの暖かさに、彼女の体温を感じ
ほのかに香る芳香剤の香りも、彼女の匂いと錯覚する・・
(なんだろ・・ いい気持ちだ♪・・)
思わず目を瞑り、その甘美な感覚にしばらく身を委ねていた・・
・・・
(そうだ! 忘れていた! 留守番電話だ!)
あわてて携帯電話を取り出し、彼女からの留守電メッセージに耳を傾ける・・
「・・・ 夜分すみません・・ 私です・・
先ほどは電車の中からでしたので、途中で切れてしまい
申し訳ありませんでした・・
えっとぉ・・ あ~ん 何、言ってるんだろ・・
え~・・
・・
あっ! 宴会をこっそりと抜け出す作戦を思いついちゃいました♪
誰にも気付かれず脱出可能ですので、私に任せてくださいね!
抜け出して飲みにいくなんて・・ ワクワクしています♪
2時間もかかっちゃったんですよ! 宴会の場にも違和感無く
そのまま、飲みに行っても変じゃない服装って・・
意外と悩んじゃって、明日の私のコーデも楽しみにしててくださいね
では、明日♪ おやすみなさい・・ ・・・ 」
(な・・ なんだとぉ!!)
先ほど一旦は否定した、彼女の気持ちと私の気持ち・・
その否定を、この留守電の内容が完全に消し去ってしまった・・
というか、この内容を先に聞いていても、勘違いは継続していたとは思うが
今でなら、勘違い無く100%完全に、彼女の意思が伝わってくる!
と、同時にコミュニケーションの難しさも痛感しつつだが
(明日の朝は早い集合だからな・・ もう寝ているだろう・・)
既に課長との会話で主な矛盾点や疑問が解消したことから、彼女に電話をかける口実は
私側には無いのだが・・ 今度は彼女側の誤解を解いてやる必要があるのでは? と
思い始めていた・・ 要は口実さえあれば、堂々と電話できる!という小心者の考えだ・・
(違いに気が付かず技術交流会に行って、ショックを受けるだろうか・・
というか、間違いに気付いたのに、どうして教えてくれなかったのだろう?って
彼女が思うのではないだろうか?・・)
心の中で悪魔と天使がささやいてくる・・
『早く電話しろよ! 電話したいんだろ?』
『いや、もう疑問は解決したんだから、これでおしまいだよ・・』
『終わってないよ~、彼女は知らないんだぜ!』
『ダメだよ・・ 自分の意思でこの先に進むのかい?』
『前に進むかなんて、わからないだろ?、ただ教えてあげるだけさ♪』
『良いのかな・・ 危険だな・・ 後戻りできなくなるよ・・』
『ぐじゃぐじゃ言わないの! 電話は今しか出来ないよ! 理由もあるじゃん!』
(そうだな・・ 教えてあげるだけ・・ ただそれだけだもんな・・)
と、手に持っていた携帯電話の、留守録への返信通話ボタンを押す・・
耳元から、コールする音が、聞こえる・・ 1回、2回、3回・・
コールの回数に比例し、胸の鼓動が高くなっていく・・
悪魔が天使に勝った瞬間であった・・
続く・・・
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Copyright ichigowasabi
【第1部】
「(第1話) から (第9話)までのリンク」
【第2部】
「(第10話)存在・・」
「(第11話)期待・・」
「(第12話)不倫温泉・・」
「(第13話)男のロマン・・」
「(第14話)浮気?不倫?・・」
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「ハイ♪」
と、急いでドアをあけると、そこには2課の課長が立っていた・・
「ちょっと早かったでしょうか? お時間大丈夫ですか?」
一気に妄想世界から現実社会に引き戻された・・
仕事で来ているのだから、仕方が無いのだが、テンションは一気に下降する・・
(なんだ・・ 貴様かよぉ・・) 露骨に気持ちが顔にでる・・
「どうされました?」
「いや・・ 大丈夫だ・・ 飲みすぎたのかもしれん、少々疲れた・・」
「あっ! 申し訳ありません、やっぱりお疲れですよね・・
打ち合わせは、明日の朝にしましょう!
朝食は6時から10時まで、1F食堂で用意されています
副社長とのアポは11時ですので、時間は十分にあると思います。
現在までの議事録や報告書はお渡ししておきますので、あすの朝食後にでも・・
いかがでしょうか? 一応、私は8時頃に朝食をとる予定です・・」
「そうだな・・ そうするか・・
8時だと、他のメンバーも同席で打ち合わせができるよな・・」
「いいえ・・ 明日は私だけです・・ 連絡したのでご存知だと思ってましたが
他のメンバーは『技術交流会に参加させよ!』との本社指示でしたので調整し、
メンバーだけは技術交流会に参加させるよう帰らせました・・
ですから、この部屋もメンバーが居なくなったので確保できたのですが・・」
(何だって? 言っている意味が解らん・・ えっ? 技術交流会だと?)
「技術交流会へ参加しろ!って指示は・・ ひょっとしたら、私が発信した奴か?」
「そうです!・・ まぁちょっと息抜きも必要かな・・と思っていた時期でも
ありましたし、メンバーも『他の仲間達と会いたい!』とか言うものですから・・」
「分かった・・ その話はもういい・・
一つ教えてくれ・・ 明日、副社長と会ったあと、宴会の企画はしているのか?」
「えっ・・ 宴会ですか?
そのような物は企画していません・・ というか席を設けるべきでしょうか?」
「いや・・ それで良い、副社長とは雑談で・・と考えている、宴の必要は無い・・
では、後は明日の朝、8時にしよう!」
「解りました、明日の朝ですね、8時にお待ちしております。
では・・ おやすみなさい・・」
「ああ・・ おやすみ・・」
と、部屋のドアを閉めた瞬間、全ての勘違い部分がリセットされ、勘違いから発生した
疑問が解消して行く・・ 全ての情報が、驚くほど綺麗に繋がっていくのだ・・
ただ、頭が綺麗に繋がると同時に、身体の力が急激に抜けていった・・
(くそぅ・・ 神様・・ そうか、今回は私の負けか・・)
ベッドに仰向けに大の字で寝転ろがる・・
天井を見上げ、整理した・・
(自分の都合の良い様に、勝手に判断していたんじゃないか・・
そして、彼女は私がこの温泉地に来ていることなど、多分知らないんだ・・)
彼女が言った『駅』は彼女の自宅に近い駅・・
『明日会える』は、技術交流会での事で、技術交流会も温泉地での開催・・
『宴会』とは、交流会での夕食・・ つまり大宴会・・
彼女は技術交流会に参加することで、私に会える・・
いや、私ではなく、会社の同期などの友人達と会える・・
私はその友人達の中の一人に過ぎないんだ・・
後は推測だが、私の部署が発信した通達文書がきっかけになって、
欠席と報告していた交流会に、急遽参加することができるようになったので
単に私に連絡してきた・・ そういう事だろう・・
(まるで厨二病だな・・、いい大人が勝手に舞い上がっていたなんて・・
まるでピエロじゃないか・・)
自分の思いと彼女の思いが同じだと、自分勝手に決め付けていた事に気付く
テンションが一気に下がり、頭が冷静になっていった・・
(そんな美味しい話は無いか・・
さて、仕事だ! 議事録でも目を通すか!!)
と、気持ちを仕事モードに切り替えた、
すると、先ほどのやや困惑した課長の顔が目に浮かぶ・・
(奴には悪い事をしたな・・ なんて言ってたっけ・・)
と、課長が言った言葉を順番に思い出していく・・
(ん? 『この部屋もメンバーが居なくなったので確保できた・・』って?)
男と言う輩は全く勝手な生き物である
ジェットコースターのように急降下した気持ちが、またグングンと上昇する!
(こ・・ この部屋って・・ 昨日まで彼女が使っていた部屋では?)
そう気付いた瞬間、今までただ清潔だな・・とだけ感じていたこの部屋が
すごく価値のある聖域に思えてくるから奇妙な物だ・・
背中に感じるベッドからの暖かさに、彼女の体温を感じ
ほのかに香る芳香剤の香りも、彼女の匂いと錯覚する・・
(なんだろ・・ いい気持ちだ♪・・)
思わず目を瞑り、その甘美な感覚にしばらく身を委ねていた・・
・・・
(そうだ! 忘れていた! 留守番電話だ!)
あわてて携帯電話を取り出し、彼女からの留守電メッセージに耳を傾ける・・
「・・・ 夜分すみません・・ 私です・・
先ほどは電車の中からでしたので、途中で切れてしまい
申し訳ありませんでした・・
えっとぉ・・ あ~ん 何、言ってるんだろ・・
え~・・
・・
あっ! 宴会をこっそりと抜け出す作戦を思いついちゃいました♪
誰にも気付かれず脱出可能ですので、私に任せてくださいね!
抜け出して飲みにいくなんて・・ ワクワクしています♪
2時間もかかっちゃったんですよ! 宴会の場にも違和感無く
そのまま、飲みに行っても変じゃない服装って・・
意外と悩んじゃって、明日の私のコーデも楽しみにしててくださいね
では、明日♪ おやすみなさい・・ ・・・ 」
(な・・ なんだとぉ!!)
先ほど一旦は否定した、彼女の気持ちと私の気持ち・・
その否定を、この留守電の内容が完全に消し去ってしまった・・
というか、この内容を先に聞いていても、勘違いは継続していたとは思うが
今でなら、勘違い無く100%完全に、彼女の意思が伝わってくる!
と、同時にコミュニケーションの難しさも痛感しつつだが
(明日の朝は早い集合だからな・・ もう寝ているだろう・・)
既に課長との会話で主な矛盾点や疑問が解消したことから、彼女に電話をかける口実は
私側には無いのだが・・ 今度は彼女側の誤解を解いてやる必要があるのでは? と
思い始めていた・・ 要は口実さえあれば、堂々と電話できる!という小心者の考えだ・・
(違いに気が付かず技術交流会に行って、ショックを受けるだろうか・・
というか、間違いに気付いたのに、どうして教えてくれなかったのだろう?って
彼女が思うのではないだろうか?・・)
心の中で悪魔と天使がささやいてくる・・
『早く電話しろよ! 電話したいんだろ?』
『いや、もう疑問は解決したんだから、これでおしまいだよ・・』
『終わってないよ~、彼女は知らないんだぜ!』
『ダメだよ・・ 自分の意思でこの先に進むのかい?』
『前に進むかなんて、わからないだろ?、ただ教えてあげるだけさ♪』
『良いのかな・・ 危険だな・・ 後戻りできなくなるよ・・』
『ぐじゃぐじゃ言わないの! 電話は今しか出来ないよ! 理由もあるじゃん!』
(そうだな・・ 教えてあげるだけ・・ ただそれだけだもんな・・)
と、手に持っていた携帯電話の、留守録への返信通話ボタンを押す・・
耳元から、コールする音が、聞こえる・・ 1回、2回、3回・・
コールの回数に比例し、胸の鼓動が高くなっていく・・
悪魔が天使に勝った瞬間であった・・
続く・・・
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Copyright ichigowasabi
>男心わからなくなったら、是非相談に乗ってください☆
了解っす\(^o^)/
>女心ならまかせておいてください(笑)
はい! 心強いお言葉・・ 感謝です♪
その際は、よろしくお願い致しま〜す(#^.^#)
男心わからなくなったら、是非相談に乗ってください☆
女心ならまかせておいてください(笑)
わぁ! コメントありがとうございます♪
>いつも楽しみにしています。
>いちごわさびさんの小説を読んで
>感化されて私も、サラリーマン小説を書き始めましたwww
えっと・・ 「途中下車」ですよね(^^)ゞ
読んでますよ・・
気の利いたコメントが浮かばなくって
コメできていませんが、
「そっか・・ そういう感覚もあるか・・」とか感じています。
>男心をこれからも勉強させてもらいます♪
す・・ 凄い・・ 私は女心を勉強中(爆笑)
女心がわからなくなって、悩んじゃったら相談しちゃおうかな?(笑)
というか、男心がわかんない時は聞いてください(^^)ゞ
>アメブロのほうも、申請ありがとうございました★
>続き楽しみにしていま~す
いえいえ・・ 見つけちゃったら、即申請♪
ご承認、ありがとうございました! では!!
いちごわさびさんの小説を読んで
感化されて私も、サラリーマン小説を書き始めましたwww
男心をこれからも勉強させてもらいます♪
アメブロのほうも、申請ありがとうございました★
続き楽しみにしていま~す