あるとき当方を20年近く追いかけてくださっている方に往診を頼まれました
「先生、主人がコケて手を切ってしまいました!」
「どれくらい?」
「怖くてみてません>< 3cmくらいかと・・・」
3cmか・・・
とりあえず、簡易裁縫セットでいいかな・・
いざ、往診してみると・・・
3cmちゃうやん・・・><
ズルっと何かに押しつけられたまま引っ張られて、もげたようなズレ方
あらー・・・
そこは道がせまく、救急車も入っていけないようなところです
うーん・・・どうすべえ・・
「・・さん、もう90だし、傷あと残っても気にしない?」
かまわん、かまわん
よわったなあ・・・奥さん3cmっていうから、最低限の簡単なのしか持ってきてないよ・・
しかも、じいさんは胸が悪く、長時間うつ伏せになっていられない
(ズルむけの場所の皮膚がねじれずにきれいにまっすぐにするにはうつぶせしかない)
うーん・・・このまま縫うか・・
ということでテーブルにひじをついたまま縫いました
薄くはがれた皮膚には血行がありません
ただ単に縫い合わせても、生着しません
ある程度くっつくところとくっつくところを縫合していき、薄いところは少し力を入れるとちぎれてしまい、糸針ではなかなかむずかしいので、
本来ならこどもの傷を残らないようにするテープとか使って工夫して処置するのですが、そういうものもなく
端っこの方は縫い終わると、ブチっとちぎれてしまいました
しばらく経って
でもまあ、薄皮をきれいに合わせても脱落するし、間をあけすぎてもscar(瘢痕化)が大きく開くし(傷が大きくなって、昔のブラックジャックみたいになる)
ま、こんなもんか・・
というところでおさめました
いまでは「・・さん、傷どこだっけ・・?」と聞いても、本人もわからないくらいに
みる者がみれば、どこに傷があるかわかりますけどね
本来であれば救急車か自分で救急を受診しなければならないところですが、
どうせ救急いっても、やることはいっしょですので
家で済ませれたら、まいっか・・・
こんなのに比べれば、貴乃岩の傷なんて
アホらしいものです
ピンセットで押さえて、ホッチキスでガシャガシャやるだけ
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