ナチズムに勝つためには、すべての人間が、人種、国籍、皮膚の色にかかわらず同等であるとのキリスト教の理念に立たなければならない。
しかしそれだけでは、倫理的な部分は別としても、ナチズムに対する回答とはならない。
政治的な行動をするうえでの基盤とはならない。
政治や社会において意味があるのは、人種的特性ではなく、価値に関わる理念と社会的な実態、および前者の後者への適応すなわち政治体制である。
理念と実態は人種的特性と直接の関係はない。
理念は人種的特性によって規定されるものではなく、人間が自由意思によって選択するものである。
実態もまた人種的特性とは関わりなく動く。
理念と実態は人種的特性や国民性とは無関係である。
:「産業人の未来 第一章:産業社会の行方」
政治や社会において意味があるのは、価値に関わる理念と政治体制である。
経済よりも優先する共通的価値の発見が必要であり、先進国の課題、日本の課題である。