この本はぼくが大阪府立布施高校生だった時、物理学科目のサブテキストに当時の物理学教師から指定された必読文献だった。その教師の名前は忘れている。しかしその教え方の的確性は覚えている。
その当時ぼくは高校の勉強を一切放棄していた悪い生徒だった。この本を読んでレポートを作成提出しなければならない課題を負わされた、ある一人の女子生徒と共同作業で。この女性というのが今でもまじまじと覚えているのだが、絵に描いたような堅物だった。おとなしくてひかえめで女性らしい性格なのだが地味な堅物だった。ルックスは十人並でぶ細工ではなかった。
だから相手にせず、うっちゃっておいたら彼女が一人で作成して、ぼくとの連名で提出してくれた。ああ何という親切な女性だったんだ。名前も覚えていない。それでぼくの物理学の合格点は取れたと後から、当の教師から知らされた。
そんないわくつきの岩波新書を最近読みたくなってじっくり通読した。自然科学の歴史は大学の教養課程講義によって好きになっていた。そのテキストを再読したいが正式な書名も出版社名も覚えていない。ところで数式は好きじゃないし自身の理解がおぼつかない。趣味で化学の歴史はアイザック・アシモフの同名の筑摩文庫で読んでいる。まずまず面白かった。天文学の歴史はコリン・ウイルソンの大判ハードカバーで読んでいる。この作家は無茶苦茶博覧強記だ。
タイトルの新書は上下2巻で下巻ではアインシュタインの相対性理論が取り上げられている。さすがに高校ではそこまで必修ではなかった。
さて上巻の感想文だが疲れてきたので次回に譲る、楽しみに待っていてください。しかしぼくの高校時代は最低だったなあ。もうちょっと真面目に勉強していたら、その後の人生は変わっている。こんな思い出話は書けなかった。
岩波新書では高校世界史の授業で『中国の歴史(中)』を教材にしたこともあった。これには自分が中心人物を演じた実に嫌な思い出がある。今でもトラウマが残っている。この出来事は書いても可だが、意欲的に書けない。