統計を見て驚いた。
製造業、3兆円、流通小売業11兆円弱なのは、まあ他もだいたい似たようなものと挿図がつくが、農業の販売額がなんと2千億円を割って、1800億だという。
あれだけの農業関係の県庁職員がいて、また、市町村の産業課と言えばほとんどが、農業関係なのに、販売額(出荷額)の桁が違いすぎるようだ。
◆民の力によって活力を付けなければならないのに、民の育成を怠ってしまった農政のつけが出ているように思う。
民が思ったように育たないせいか、今の農業振興施策の仕組みは、財政コストが高すぎるように思われる(財政コストが高かったから民が育たなかったのかもしれないが)。
財政コストをかけない農業にしたら農業は一体どうなるのだろうか?
農村対策の施策はともかく、産業施策の農業予算は果たして効果的に支出されているのだろうか?
中心市街地活性化の予算も、競争的になった。TMOがなくなるという。
財政支出効率が悪いからだろう。
まちづくりが、中心市街地のTMOの様なものでうまくいくとは当初から思っていなかったが、やはりという感じだ。
◆さて農業生産活動だ。
どこかおかしい。
ちなみに農業県というと、皆どの県を想定するのだろうか?
学生に聞いてみた。
秋田。山形、新潟、岩手、などなど。
しかし、これらの県は確か2千億円ぐらいの販売額しかないと記憶している。
代わって販売額が多いのは、千葉、愛知、静岡といった諸県だったように記憶している。4千憶円前後の売り上げがあったはず。
これらの県、産業構成では、確かに農業販売比率は低いが、効率的な農業をやっているといえそう。儲かる農業をやっているともいえる。
一人あたり農業所得は和歌山南部や、田辺の梅果樹地帯が高い。
売れる農業は、行政主導でできるものではないように思う。
◆かつて、叶芳和さんが、「農業先進国型産業」を主張して、農業経済学者達の批判にさらされたことがあるが、現実の動きは叶さんの主張がどうやら正しそうだ。
農村の雰囲気が市場へ健全に向いていて、またその中に販売等で努力する人がいて、その人が頑張っているのを、いいこととする地域文化が根付いているところが、千葉や愛知や静岡なのだろう。
そうした意識を作るには、全くの山の中か、都市が近くにあった方がいい。まちとむらの意識をはじめとする様々な融合ができるから。また山の中は皆既にあきらめているからやりやすい。
◆行政が主導して様々な政策を打ち出し、農業を振興しようとするシステムは、「失敗モデルに入っている」と認識した方がいいのではないだろうか?
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