<解説>農協の在り方、論議を 課税優遇どこまで JAバンクの非組合員利用超過
2007/12/25, , 朝日新聞 朝刊, 26ページ, 無, 544文字
全国の農協の4分の1が農協法に違反していた。貯金、融資で非組合員の利用が農協法の上限を超過していた。「員外利用の制限違反」と呼ばれるこの問題は、存在意義をどこに見いだすべきか迷う農協の姿を浮かび上がらせる。=1面参照
JAバンクの貯金残高は約81兆円。郵便貯金にこそ及ばないが、メガバンク一角の三井住友銀行の預金残高を上回る。金融界からは、郵便局と並んで「民業圧迫」として批判を浴び、政府の総合規制改革会議も農協の員外利用率の徹底を農林水産省に求めてきた。それまで農協の員外利用率は、金融、保険、購買など事業別に農協法で定められながら、体系的に把握すらされていない「パンドラの箱」だった。
農水省や都道府県は建前では法令順守を掲げながらも、員外利用率違反に罰則を適用したり、公表したりしたことは一度もなかった。明治学院大の神門(ごうど)善久教授(農業政策論)は「農協は自ら法令違反を調べ直して公表し、誰のための農協か、真剣に向き合うべきだ」と指摘する。
離農者が増え続ける中、農家である正組合員を、非農家の准組合員が数で上回ることは避けられない。農家よりも非農家が多くなった農協の課税の優遇をどこまで認め、非農家の利用制限をどう時代に合わせるのか。本格的な議論が必要だ。
(歌野清一郎)
ついでながら今夜規制改革農林水産業メンバーの忘年会
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