今日の一貫

農業の産業分類 猪瀬直樹 週刊文春

先週の週間文春(1月26日号)「ニュースの考古学」に昆吉則、猪瀬対談の感想が載っていた。これは月刊「農業経営者」にすでに掲載されているが、その際の印象を猪瀬氏が語ったもの。

彼は、これまでにも何度か、農業の再生について語っている。建設会社の農業参入や、人材派遣会社の農業への関心をこのコラムで語ってきた。方向は、農業の再生について。特に農業の構造改革。
今回も、パソナのビル農場の話。古川のヒーローが技術指導している田んぼ。
ニートやフリーター活用や団塊定年活用が言われている。
ただ、こうした労働供給側からの発想は、(農業が、誰でもできるどうでもいい産業のようなイメージができてしまい)あまり好きにはなれないが、就農ニーズが多いことは確か。また社会教育にも農業が適しているのは確か。
問題なのは、就農の選択が制度的に、開かれてないこと。

就農ニーズがたくさんあるのに、その門戸が閉ざされているわが国の農業制度は確かにおかしい。

それはともかく、こうした猪瀬氏の主張と、昆氏の主張は合う、とかねがね思っていた。その対談が実現したのだから「農業経営者」はもっと売れていい。

それも余計なことか。
「農業から経営者を追放したのは農地改革、その農地改革をベースとした農業制度では、農業経営者は出てこない。」これは、昆の持論。
資本や企業という「ことば狩り」が行われてきた。これも昆の持論。
猪瀬氏がことさら面白いといって紹介しているのが、「新聞の株式銘柄の分類と同じレベルで、農業も少なくても5つぐらいに分けられそうですね」といったくだり。

農業は、農産物生産産業、に限られるのが、法律上の定義。
しかし、コメ販売者もいれば、野菜販売者もいる。生産業、販売業、サービス業が入り混じっている。
また生産業ひとつに限ってみても、養豚産業もあれば、花卉産業もある。

つまり、農業一般では、なかなか経営にはならないのです。
昨日のブログで、私は、「農業の業態」の話をしたが、水田農業にしても、「所有者共同組織=(集落農業と呼ばれるもの)」といった業態もあれば、建設会社が作業を行うコントラクターのような業態まで、いろいろある。

それを「農業」と一くくりにしてしまうと、農業の行く末を案じる身としては、すべて崩壊の方向へ導かれるような気がしてしまうのです。

コメント一覧

昆吉則
猪瀬氏は僕を過激だと言うけど…
http://www.farm-biz.co.jp
 小生のことをお取り上げ下さり有難うございます。猪瀬氏もこれから農業を本格的の勉強されたいとの意向であり、農業の非専門である同氏であればこその農業に対する建設的な批判を期待したいところです。

 でも、道路公団のことであれほどの発言をしていた人に、小生は過激だと評されてしまいました。それは、僕が過激であるというより、いかに農業のことが人々にまともに伝えられていないかではないのでしょうか。

 ところで、弊誌の最新号のコラムで、先頃の農協界の集落営農攻勢、日本農業新聞のロシア革命前夜を思わせる農民のコルホーズ囲い込み運動にカッとなり、つい

 「農業経営者よ村を背負うな」

 「今こそ村を捨てよう」

と書いてしまいました。きっと非難されるだろうなー。

http://www.farm-biz.co.jp/top/09_05_index.html

 でも、ムラに生み付けられたままではなく、自ら生まれ直すことなく、農業経営者たちが本当に村を背負うことは出来ないのだろうと思うのです。

 これは先生が日頃言われていることですが、個人の自立、あるいは民度が社会を規定するということ、さらにご指摘ください。

 ついでにもう一つ宣伝ですみません。

「脱・敗北主義の日本農業」というシンポジウムを行ないます。

http://www.farm-biz.co.jp/top/00_shinpo_index.html

足跡の越そうとして宣伝してしまいました。スミマセン。
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