今日の一貫

農政改革の焦点は減反見直しというが、、コメ問題は全農問題なのだ

27日から農政審で計画の見直し作業が始まった。
22年(10年)計画が出てくる予定。
17年計画は、官僚の鉛筆なめに終始したかなり問題な代物だった。

17年計画の反省総括が必要だが、おそらくやらないですぐ次の計画策定に入るのではないか。となるとまた同じ轍を踏む可能性も、、。

伝え聞くところによれば、今回は「コメ問題」が焦点と言われている。
コメ問題とは、生産調整、高額関税、担い手の壊滅、等々。
その生産調整の見直しが、農政改革の焦点だというのだ。
だが、コメ問題は農協問題だということを認識しておく必要がある。
コメ問題を対象にするとして、そのソリューションを考えていくと、全農・全中のビジネスモデルにたどり着き、はてはその崩壊なくして改革が可能なのかといった課題に行き着く。
審議委員には、農協中央会の関係者もいることから、これにどう対応するかが見物。やはり農協内部からの改革が一番なのだ。審議会は、これに無関心だと、コメ改革、農政改革はできっこなくなる。メンバーからみて、改革はあまり期待できそうにない。

全農モデルとは、今のコメシステム。
生産調整によって米価を維持し、その努力の上前を手数料としてちょうだいしてるのが農協・集荷業者だ。価格変動のリスクを仮渡し金などという仕組みで農家に転嫁してるのが、農協のコメビジネスモデル。いわば、生産調整のフリーライダーなのだ。

これを当事者意識を持って、、自分で販売し、リスクテークをするモデルに変えるのか、、あるいは邪魔だから全部撤退しろと言うのか、、、どちらかしかないのだろう。

前者は、全国のコメ農協が全農・全中に突きつけていること。コメは自己責任で単協販売をするから、全農にはつきあえないとする農協が全国に増えている。
この動き全国の農協に広がり、流通業者や商社などを背景にますます大きなトレンドとなっている。
全農は、これを押さえきれずに、集荷量の3割までは、単協販売を認めるから、後は全農にピンハネさせろ、、と迫っている。
これ、農協内部のことだから、見守ればいい話だが、、

ただ問題は、この仕組みを維持するために、減反制度や、高額関税や、1700億円の産地作り奨励金やらがあること。
これを改革の俎上にあげれば、政治問題化すること必然。

全中は最近とみに、民主党とのチャンネル作りに動くようになった(という人が一人ならずいる)。自民党に愛想を尽かせたわけでもないだろうが、、いや自民党一番と、言ってはいるが、やはり保険をかけておきたいのだろう。

保険をかけるなら、米流通で農民にリスクテークさせずに、自ら先物相場を作るなどしてリスクテークすべきだろう。また農中金も、1兆円もの資本増強を農協バンクに要請したが、1兆円で足りるのかどうかはともかく、これを農家にお願いするというのは、いかにも、だ。
農家は昨日の豊田の転用のように、土地成金がごまんといるわけでもあるまいに。
全ての関係者は腹をくくって対応しないと、日本の農業の夜明けはまた遠くなる可能性がある。

コメント一覧

kumasyu_seinenbu
見直し案?
 朝日新聞に、『見直し案が明らかになった。減反に加わるかどうかを農家の判断に任せる「選択制」に切り替え、政府によるコメの買い支えもやめる。供給増での値下がりに備え、減反に参加した農家にだけ一定の交付金を支払う』とありました。

 これって「見直し」でしょうか。現行システムでも、地域協議会の方針作成者の方針に参加しない、あるいは方針作成者としても参加しない農家には減反の割り当ては来ないから、実質「選択制」だった訳ですよね。

 「見直し」は「廃止」に近いものが考えられるのだろう、と期待していただけにガッカリしました。
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