今日の一貫

この間書籍を送っていただいた方に感謝

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○澤裏彰治著
『農業で利益を出し続ける7つのルール』ダイヤモンド社

ルール1 はじめての人が利益を出すために、成功者に共通するコツを学ぶ
ルール2 作物を商品化することで、利益は生まれる
ルール3 農家ならではの食品加工をすることで、利益率を高める
ルール4 経営規模に合った自分のお客様をつくる
ルール5 できる農家は毎日欠かさず日記をつけている
ルール6 手元資金があっても、設備資金は借金をする
ルール7 個人と組織を活かす「方針管理手帳」で、利益を出し続ける



○浅川芳裕著
『日本は世界5位の農業大国』講談社α新書

文字通り日本は世界5位の農業産出額を持つ
中国、アメリカ、インド、ブラジル、日本、フランスの順。
英国18位の184億ドル、オーストラリア17位259億ドルよりも多い。

これ昨年このブログで、書いたことと同じ

日本農業の問題は自給率が低いことにあるのではない。
何せ世界5位の農業大国なのだから。

問題は、国内市場だけをターゲットにしており、世界の市場を相手にしていないこと。
浅川は、
4章で「こんなに強い日本農業」を証明。
5章で「こうすればもっと強くなる日本農業」を書いている。
「農業は成長産業が世界の常識とまで書いているから、これは本物だ。

ともあれ、この本の特徴は、
①食料自給率という農水省が作り上げたコンセプトがあまり意味のある数字ではないことが証明されていること、
②日本農業弱小論が否定されていることがポイント。
日本の農家数はまだまだ多すぎると言い切っている。
農業からすでに撤退してるにもかかわらず、農家として利権を得ようとしている人々を温存しつづける農政が問題なのだ。
農家とは農業で飯を喰ってる人を言うべきだが、農家は農地を持ってる人といった定義になってしまった。
だから株式会社などが農地を所有する二には大反対。
農家の利権がなくなってしまうと考えているからだ。
これが農協中央会発想。

とすれば、農業を担う人を農家と言わずに農業経営者と言えばよいだけで、それらの人々をターゲットにした農政をすれば、日本の農業は成長するのだ。



○天明伸浩×佐藤準二著
『転身リアル農家』新潟日報事業社

佐藤さんはもと新潟日報社の論説副委員長。
農政記者だった方。
天明さんは上越市吉川区の限界集落に移り住んだ方。
天明さん以外にも、佐藤さんが取材した新潟県内の農業経営者の事例が出ている。
いずれもユニークだが、この本からいえること。

「農業をやるなら、何か一つヒット商品を作れるようにすべき」。
みんなと同じ米を作っても野菜を作っても、農業で生活はできない。
、組織のユニークさ、商品のユニークさ、を語っている。



○村田泰夫著
『戸別所得補償制度の衝撃』農林統計協会

村田さんは元農林漁業金融公庫理事だが、その前職は朝日新聞編集委員。
現在明治大学客員教授。

中身はこの間の農政の神髄がコンパクトに書かれている。
後生の研究者や学生が、2007年から2010年までの農政を調べようと思えば、確実にこの書を紐解くことになるだろう。
章や節のタイトルもおもしろい。
1章 戸別所得補償制度の衝撃
2章 自民党農政はなぜ破綻したのか?
   米価下落防止のドグマが足かせ等々、まるで、記者会見での質問のようなタイトルが表題に並び、論証を踏まえて自らそれに答えている。なかなかの評論だ。

著者の主張は第3章、4章にある。
3章 米政策ではなく穀物政策をと4章国内農業保護と市場開放の両立
がそれ。

3章は高木勇樹氏を委員長に昨年10月に記者発表した、食料安全保障会議の提言がベースになっている。村田さんはやはり元朝日の早房さんと一緒にこの事務局長として実質的なとりまとめをやった。
200万トンの輸入飼料作物を国内の資料用米に置き換えるとの政策もこの会議の主張。


○また以下の3点に関してはどこかで論評するので、今回は御礼のみ。

○山下一仁『亡国農政の終焉』 ベスト新書
○山下一仁『企業の知恵で農業革新に挑む! 』ダイヤモンド社
○山下一仁『農業ビッグバンの経済学 』日本経済新聞出版社


皆さんこの間ご送付ありがとうございます。
記して感謝です。
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