昨年8月23日に立ち上げた、セブンファーム富里の代取。
通常、ヨーカ堂が農場をすると言えば、多くの人はさぞ大きい農場と思うに違いない。
しかし、セブンファーム富里は2haしかない。
3人の家族経営。
資本金は300万。
ヨーカ堂の出資10%。
農協が10%で農家が出せる金額から逆算。
出資5割以下の特例を使っていない。 なぜか?
普通考えれば、スーパーという販売チャネルはあるのだから、できうる限り拡大し、メガファームにするのでは?
それがたった、2haだ。
なぜか?
農協の施設を利用、出荷は農協に任せ、手数料は農協に入る。
たしかに富里農協のオープンマインドはよくわかるし、農協も優秀なのはよくわかるが、なぜこれほど農協と一緒にやろうとするのか?
しかもこのビジネスモデルを神奈川・埼玉にも広げるという。
こうした零細な経営をあちこちに作ってどれだけのメリットがあるのか?
何か変だ。
しかし、戸井さんの話を聞いていて、気づいたのは、
これはヨーカ堂の社会的貢献なのだということ。
富里周辺には、ヨーカ堂や、セブンイレブンが何店舗かある。
大事なのはこれらの顧客にヨーカ堂のスタンスに好意を持ってもらい理解してもらうこと。
ファン作りとは言わないまでも、好感を持ってもらうに越したことはない。
スーパーはとかく農業者には人気がない。
流通革命とか、バイイングパワーとか、で流通を支配した。
米価下落は、スーパーの参入で拍車がかかった。
単純に物事を見る農家にとって、スーパーは悪者だった。
しかし買い物は、スーパーに行く。
そんなアンビバレントな対象だ。
そこで、そうした大量生産大量流通時代のイメージから抜け出て、地域共生産業としての一歩を歩みたいというのが、ヨーカ堂の農業参入。
いわば、スタンス転換なのかもしれない。
そのための装置が「セブンファーム」。
とすればこれはすごい戦略だ。ウオルマートなどとは根本的に異なる新たなGMS戦略だ。
経営はとんとんで、従業員の給料が出ればいいのだろう。
むしろ農場が存在することによって、農協も、農家も、7-11も、ヨーカ堂も地域の人々の多くがウインウインの関係になればいい、、そんなビジネスモデルなのだろう。
これは、ヨーカ堂の究極のCSRなのではないか。
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ikkann
松良 千廣
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