マンガは今でこそ市民権を得た気がします。
大学もできて、仕事の幅も増え続けています。
でも、私が高校の時はまだまだ全然
「マンガは悪」でした。
うちの祖父母は明治末の生まれなので
その親は明治初~中期…
今回の新刊でも触れていますが
明治時代に政府がアンチ封じの為にマンガを規制した事を思うと、
祖父母世代からしたらやっぱり
マンガは「ド犯罪者のやる事」
…ヤクザの仕業に近い感覚だったのかも。
「反社」だわ。
うちの祖父はとにかく厳しい…というより
「子供が大嫌いでイジメるのが生きがい」という部分は確かにありました。
両親がいなくて、祖父母との夕食が多かったんだけど
サザエさんちやちびまる子ちゃんのような楽しい食事をした記憶が全く無く、
いつも夕食の時泣いていた思い出ばかりです。
(なぜ泣いていたのか、何を叱られたのかもうさっぱり覚えてないけどw)
認知症になってからはよく暴れた…。
多分…大好きなものを否定されて
でも、言いたい事を誰にも言えずわかってもらえず、やっと「窓」から伝書鳩を飛ばす気持ちで描いて
いつだったか、漫画家になりたいとか言ったかもしれない。
単に素直に無邪気に、憧れとして。
「お前はマンガ家にはなれない」
「防衛大学を目指しなさい」
と断定され
全ての夢を破壊されたようで
絶望して泣いていたのは覚えてます。
私にはマンガは夢でも、それは祖父世代には絶対言ってはならない事だったのでしょう。
一部の教師も同じだったかもなあ。
いわゆる「戦前、戦中」世代と
マンガがブームになった時代に育った自分がこんなに意識差あるとか
子供の時はわかりませんでした。
今回、コミケ新刊作成のために
マンガの表現規制、言論統制を見ていくうち
近代マンガというものは必要だから誕生し、
ゆえに前世代からは否定されたのだ
その時代の正論と常識には
コントロールされた結果もあるのだと知りました。
大人になってもマンガを続けている私は
祖父にはやはり許せない悪かもしれない。
ただ、私は戦前の常識の
「女は家畜と同然」でもないし
今は自由にやっていい
恵まれた時代です。
ましてや今が次の「戦前」などと思いたくない。
我々に禁じられたのは何だったのか
声を荒げることなく
もっと知り、もっと考える
その窓口前の案内板くらいなら
やっていけるかもしれないです。