私は、「人々とのつながり」「環境とのつながり」そして「歴史とのつながり」を回復し豊かにすることが重要だ、と訴えている。ところで、最近は、正月2日も郵便配達があるようで昼過ぎに賀状とともに『学士会会報』(2006-Ⅰ、No.856)が来たので、その雑誌をつらつら眺めた。中に、「時・場所・人」と神経学という論考があって私の目を引いた。著者は、北大名誉教授で神経内科の専門医である田代邦雄さんである。冒頭部分に「・・人の認知障害や意識障害では先ず時間が不明確になり、進行すると場所、そして最も障害が進めば人の認識が出来なくなってくるという進行をする・・」という記述があった。これは、赤ん坊時の認識発達と逆の過程だと思った。赤ん坊・子どもでは、先ず母親や父親、兄弟姉妹の認識が進み、次に周りの場所・環境への認識が進んで、最後にある意味では抽象的な時間的前後関係の認識が進むのである。後にいくほど「高度な」認識で、衰えるときは「高度な」ところから、ということになる。同じように、五感では触覚が最も原始的で視覚が最も「高度」なので、老化過程では視覚から衰えて最後に触覚が残ると思う。時間の記憶が失われやすいので、日記や手帳(最近ではブログ)に時系列的に行事を記録、メモし、視覚が衰えやすいので、記念写真を撮るのであろう。
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