西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「問題の出し方」井上ひさし著『ふふふ』より

2010-07-04 | 教育論・研究論
『ふふふ』というのは一種の「含み笑い」である。笑いは「は行」である。「ハハハ」「ヒヒヒ」「へへへ」「ホホホ」とこの「ふふふ」である。面白い井上ひさし著の短編エッセイ集である。

その中に「問題の出し方」という外国での大学入試問題の話が先ず面白かった。アメリカとフランスでの話しだ。アメリカで出された問題例:「ここにあなたの一生を書き綴った一冊の伝記があって、その総ページ数は300頁である。さて、その270頁にはどんなことが書いてあるだろうか。その270頁を書きなさい」

もう一つフランスの例:「夜更けにセーヌ川の岸を通りかかった君は、一人の娼婦がいままさに川へ飛び込もうとするところに出会う。さて、君は言葉だけで彼女の投身自殺を止めることができるだろうか。彼女に死を思い止まらせ、ふたたびこの世界で生きて行く元気を与えるよう試みよ」

ちなみにフランスでの問題に対し「「『わたしと結婚してください』と説得するしかありません」と書いてめでたく合格したアンドレ・マルローという生徒がいた。彼はのちに『王道』や『人間の条件』などの小説を書き、やがて文化相にもなった。」(32頁)

大変ユニークな生徒は最後までユニークであった。ふふふ

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