組合員の方から「古い写真が家にあったので」と当事務所に届けられたのが、上の白黒写真。さて、この場所はどこ?じっくり観察すると、後方の木橋の向こうに、見覚えのある鉄橋。そう、川は入間川で、木橋は当組合事務所のすぐ北側に架かる加治橋、釣り人のいる付近は成木川との合流点です。
地元の郷土史家がまとめた史料などによると、写真の橋梁は昭和3年11月に開通した初代加治橋です。住民期待のもと、交通難所の入間川に架けられた同橋ですが、自然の猛威に抗えず、18年10月の洪水で橋脚が一部流失。36年には豪雨により橋の中央付近が「くの字型」に折れ、通行止めになるという被害を受けます。
住民生活に欠かせない重要な橋梁です。測量などを経て38年に災害復旧工事が県によって開始され、翌39年に念願の鉄筋コンクリート造の永久橋、全長115メートルの2代目加治橋が完成し、これで入間川が出水しても住民生活は安心と安堵。さらに、新生加治橋は地域経済の発展に資する橋梁と地域は沸き返りました。
が、長きにわたり生活を支え、人々に愛された2代目ですが、老朽化が進んだことから架け替えが急務となり、平成13年に全長109メートルの現在の3代目が竣工しました。寄せられた古写真は、大きく損壊した昭和36年間際の撮影かと思われます。
ほぼ同一地点からの現在の風景です。当時、入間川の河川敷は広く、水量は今よりもずっと豊かであったことが分かります。古写真に写るランニング姿の釣り人は中学生。餌釣りでウグイでも釣っているのでしょうか。現代の写真にも釣り人が写り込んでいますが、釣法はフライフィッシングです。
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