近年、写真愛好家の間で撮影が増加を続ける森に住むヒメボタル。
これまで海外での展示やAwardでの発表を続けながら、ヒメボタルの生息域や生態調査を山形県内の森林で続けて来ました。
あまり知られていない事ですが、本州でのヒメボタルには遺伝子レベルでの違いから二種が存在しています。
体長7.8ミリほどのヒメボタルと体長5.6ミリほどの小型ヒメボタル(以降小型ヒメボタル)
それぞれ、大きさや生息域、発行間隔に僅かに違いがありますが、一般の方がみるぶんには大きな差はあまりありません。
小型ヒメボタルは西日本型とも呼ばれ、東北ではあまり多くはないという調査がされて来ましたが、ヒメボタルの生態はまだまだ調査が進んでおらず
まだまだ未知の部分が多い種です。
その双方の種の調査を続けていますが、
主にこれまでの山や森や川への関わりから推測しながらフィールドワークを続けています。
初めはただの推測と想像でしたが、それを確認する調査をすると予想通りの結果が多く得られていることも多いのですが、
自然はそう容易くなく、いつも疑問や自然に教えられてばかりかもしれません。
通う森のほとんどは、私たち人のテリトリーではありません。
そこは獣たちが住まう場所で、近年急速に増えるイノシシ、ツキノワグマ、カモシカなどの大型の哺乳類とも目の前で出会ったりしているのも現実です。
私は発表を始めた頃、気軽に場所を聞いてくる方が随分とおりました。
そういった方々との関わりを極力避けてきた理由は、獣が危険だからと言った理由も多少はありますが、どちらかというと、多くの人が訪れる事がホタル達にとっては迷惑であり、種の存続にとってプラスになる事はないからです。
これは、渓流釣りをしていた頃からの考えの延長にあり、人が多く訪れれば必ず悪影響があることを身を以て知っているから。
実際、昔このブログの中で、超有名河川や既に多くの人が訪れる渓流以外の場所を載せた事はなく
それは、自然環境と私以外のその場所を愛する人の為でもあるのです。
20代の末に松茸狩りを趣味としていた頃があったのですが、
松茸のポイントは誰にも教えない。という小話は耳にした事がありませんか?
素人さんがその場所を知ったら、松茸が生えなくなる。そんな事が現実だからなのだと、身を以て思いました。
釣りも松茸狩りも上手い人っていうのは自然を知り、優しい人なのでしょうね。
5年前「ホタルノキセキ」というプロジェクトを写真仲間と始めました。
蛍の調査をするという事が主になっており、細々と続けているのですが、
その中で見えて来たことに、実は自然と人との関わりがありました。
きっと、人側はそんなことには気付くことなく今もいるのですが、
大自然の中で撮影、調査をしていたはずなのに、嬉しくも悲しくもある人との関わりを知ることになるのは不思議でもあります。
そして今は、自然環境や気候変動を含め、知って来た多くのことを知ってもらうきっかけとなればと、
自然を美しさも厳しさも知っていくきっかけを作る機会として
ヒメボタルの鑑賞、撮影者向けも双方、そんなプロジェクトを進めれればと思ったりしています。
焦って上手く行く事でもありませんので
焦らず様々配慮しながら進める事が出来たらと思います。
これまで見知って来た自然を伝える機会が生まれたら嬉しいなぁと考えたりしております。
念の為、1枚撮りですのであしからず。
写真館コセキ PhotoStudio KOSEKI
山と森と川の形
「ホタルノキセキ」Project〜Yamagata,Japan〜
@isseycraft
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