愛知県のお客様から、ダンヒルのバックル修理依頼が届きました。
リバーシブルのベルトです。
リバーシブルの回転軸のネジが緩んで外れてしまいました。
ダンヒルのこのタイプのバックルには非常に多い故障です。
このネジが緩んで外れてしまいます。
このネジを締め直すには、このようにバックルを分解しないとネジの頭にアクセスできません。
故障を想定していない作りですので非常に直しにくいです。
時々ご自分でバックルを分解しようと無理に抉ってしまって、バックを曲げてしまうお客様もいらっしゃいます。
このバックルの修理で一番の要は、バックルの分解なのです。
またネジを閉め直しても元々ワッシャが入っていないネジですので、そのままではまた回転しているうちに緩んで外れてしまいます。
ですので再び緩まないような組み立て方が必要になります。
分解した状態でネジを入れてみて引っ張ってみます。
緩んで外れたものだと確認するためです。
万一、緩んで外れたネジではなく引き抜けて壊れてしまったとしたら、違う修理が必要になりますのでこの見立てを間違うと、またすぐに壊れてしまうことになります。
ただ経験上、ダンヒルのこのバックルは十中八九緩んで抜けたものだという風に思います。
ですが念のため確認です。
やはり緩んで外れたものでしたので、再び故障しないようにネジの部分にワッシャー代わりの固着剤を塗って組み立てます。
リバーシブル部分の組み立てが終了しました。
後はバックル本体を組み立てれば完成です。
修理完了しました。
こちらのバックルは他のお客様からの修理依頼品です。
同じダンヒルのバックルですが、故障箇所が違います。
何かの拍子にバックル部分を支えているバネが 外れてしまったようです。
その際にバネがどこかに飛んでしまったのでしょうね。
バネが欠品ですのでバネを作らなければなりません。
冷間の手曲げでバネを作ることができる特殊な合金です。
キロあたり5000円以上します。
銅のような色合いですのでもちろん銅は入っていますが、その他いろいろ高価な金属を混ぜ合わせた合金になります。
この合金でこのバックルのサイズにあうバネを作って直します。
修理完了しました。
こちらのダンヒルのバックルはピン折れ修理です。
普通に使っていたら折れることはないと思うので、何かしらの強い力がかかったのだと思います。
断面が黄銅色ですので、真鍮で作られているのですが、それでも折れたということは踏んだか挟んだか、何かしらの力がかかったと思われます。
折れた部分のアップです。
メッキが割れてますので、おそらく曲げられたのだと思います。
曲げられて折れたか、もしかしたら曲がってしまって直そうとして折れたか、どちらかだと推察されます。
真鍮は曲げには強いので、一度くらい曲げられても折れることはないのですが、戻してしまうと折れてしまうことは多いです。
ただメッキの膜は真鍮ほど粘性がないので、ピンを曲げたり戻したりしたらメッキの膜はこのように割れてしまいます。
バックルが分解できるようにはなっていないので、ピンを取り外すには破壊しなければなりません。
慎重には作業しますが、どうしても周りに何がしかの傷がつくことはあります。
修理を引き受ける際は、予めその点はご連絡します。
新しいピンを取り付けました。
バックルのメッキがソフトニッケルと言う艶のないニッケルメッキですので、弊社にあるニッケルめっきのピンの表面を加工して、艶を落としてできるだけのバックルに馴染むようにしました。
修理完了です。
実はこのバックルのご依頼主様は、バックルを二つ送ってこられまして、一つはこちらのブログの後半で紹介しています。
バーバリーのバックル折れです。
なかなかバックルが二つ壊れるということは非常に珍しいですね。
ついていないと言うか、本来壊れないものですので 困りますよね
修理受付は、メールかLINEで、画像送付の上、お申込みいただくようお願いしています。
お電話でのお問い合わせも受けておりますが、お電話のみでは状態が確認できませんので、お見積りは出来ませんし、作業できるかどうかもわからない場合があります。
お電話いただく場合でも、まず画像をお送りいただいてからのお問い合わせであればスムースにお見積もり出来ます。
大体の価格感を知りたい場合は、弊社ホームページをご覧になってみてください。
こちらは価格を記載しています。
ブログだと年数経って価格改定した際に更新しきれないので、ブログには記載しないようにしました。
持込いただく場合、留守にするときもございます。
必ず事前にご予約ください。
土日はお休みですが、LINEの場合、時間があれば可能な限り返信してます。
私もお休みなので、即答は勘弁してください。
PCのメールは土日のチェックはほぼ行いません。
よろしくお願いします。
伊東金属製作所
03-3886-6271
info@itokinzoku.co.jp
東京都足立区足立2-34-2
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