満足度:★★★★【4.0点】
近年のアカデミー作品賞のなかでは納得感アリ!
◆
第二次世界大戦下、アメリカはナチス・ドイツに先駆けて
原子爆弾を開発することを目標に極秘プロジェクト“マンハッタン計画”を
始動させ、そのリーダーにイギリスやドイツの名門大学に留学経験のある
天才物理学者ロバート・オッペンハイマーを任命する。
ユダヤ人でもある彼は、ニューメキシコ州のロスアラモス研究所に
全米の英知を結集し原爆開発に邁進、
ついに世界初の核実験を成功させるのだったが…。
<allcinema>
◆
冒頭からモノクロ映像による公聴会が行われていくのと同時に
ドラマはオッペンハイマーが原子爆弾の完成に至るまでのプロセスを描く。
180分と長い上映時間に冬場から個人的に悩みの一つの尿近問題があって
最後までトイレに立たず鑑賞できるのかとても不安でしたがそこは大丈夫でした。
って、そんなことはどうでもよくて、この映画は娯楽性一切なしの
しっかりド直球のヒューマンドラマでした。
原爆開発を目指していくドラマと同時に随所で挿入される事後公聴会に
最初は戸惑うけど、これも時系列の魔術師ノーラン監督ならではの作りです。
第二次世界大戦中、ドイツが原子爆弾開発中の情報を得て焦るアメリカは
オッペンハイマーをリーダーに速やかに開発完成させることを要請する。
当初は抑止力のための開発と思っていたオッペンハイマーは政府の思惑を知り
徐々に困惑していくことになる。
《原爆の父》とアメリカで称賛されているがオッペンハイマーは
そんなことはどうでもよくて、むしろ今後の世界的な核戦争を危惧する。
その後、政府から水素爆弾の開発リーダーを要請されるが拒否し
以降、ソ連へのスパイ容疑で序盤から挿入されていた公聴会へと繋がっていく。
この緊迫した公聴会シーンが本作で最も迫力ある部分だと断言したい。
オッペンハイマーVSルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr.)
ここでロバート・ダウニー・Jr.の助演男優賞も納得の演技が披露されます。
◆
【今週のひと言】
・この映画は、原爆実験シーンが唯一の火薬シーンで広島、長崎への
原爆投下シーンはありません。ラジオ放送のみで投下を知る。
・映画を観るまでは恋人ジーンの死(風呂場で変死)を政府の陰謀論?
だったけどこちらでは死に至る詳細は描かれてない。
・オッペンハイマーに手渡されたメモ見て顔が曇るアインシュタイン。
あそこは舌出して戯けてほしかったわ(←なんだそれ)
・フランシス・ピューの裸体はオーディエンスへのご褒美ですか?
・穏やかなオッペンハイマーと対照的に妻の勝気な部分がある意味頼もしい。
・原子が核分裂反応するときに放出するエネルギーの説明が難しくて
字幕追うのをやめたわ(←とりあえず読んどけって)
------------------------------------------------------------------------------------------
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン
音楽:ルートヴィッヒ・ヨーランソン
出演:キリアン・マーフィ、マット・デイモン、エミリー・ブラント
『オッペンハイマー』
近年のアカデミー作品賞のなかでは納得感アリ!
◆
第二次世界大戦下、アメリカはナチス・ドイツに先駆けて
原子爆弾を開発することを目標に極秘プロジェクト“マンハッタン計画”を
始動させ、そのリーダーにイギリスやドイツの名門大学に留学経験のある
天才物理学者ロバート・オッペンハイマーを任命する。
ユダヤ人でもある彼は、ニューメキシコ州のロスアラモス研究所に
全米の英知を結集し原爆開発に邁進、
ついに世界初の核実験を成功させるのだったが…。
<allcinema>
◆
冒頭からモノクロ映像による公聴会が行われていくのと同時に
ドラマはオッペンハイマーが原子爆弾の完成に至るまでのプロセスを描く。
180分と長い上映時間に冬場から個人的に悩みの一つの尿近問題があって
最後までトイレに立たず鑑賞できるのかとても不安でしたがそこは大丈夫でした。
って、そんなことはどうでもよくて、この映画は娯楽性一切なしの
しっかりド直球のヒューマンドラマでした。
原爆開発を目指していくドラマと同時に随所で挿入される事後公聴会に
最初は戸惑うけど、これも時系列の魔術師ノーラン監督ならではの作りです。
第二次世界大戦中、ドイツが原子爆弾開発中の情報を得て焦るアメリカは
オッペンハイマーをリーダーに速やかに開発完成させることを要請する。
当初は抑止力のための開発と思っていたオッペンハイマーは政府の思惑を知り
徐々に困惑していくことになる。
《原爆の父》とアメリカで称賛されているがオッペンハイマーは
そんなことはどうでもよくて、むしろ今後の世界的な核戦争を危惧する。
その後、政府から水素爆弾の開発リーダーを要請されるが拒否し
以降、ソ連へのスパイ容疑で序盤から挿入されていた公聴会へと繋がっていく。
この緊迫した公聴会シーンが本作で最も迫力ある部分だと断言したい。
オッペンハイマーVSルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・Jr.)
ここでロバート・ダウニー・Jr.の助演男優賞も納得の演技が披露されます。
◆
【今週のひと言】
・この映画は、原爆実験シーンが唯一の火薬シーンで広島、長崎への
原爆投下シーンはありません。ラジオ放送のみで投下を知る。
・映画を観るまでは恋人ジーンの死(風呂場で変死)を政府の陰謀論?
だったけどこちらでは死に至る詳細は描かれてない。
・オッペンハイマーに手渡されたメモ見て顔が曇るアインシュタイン。
あそこは舌出して戯けてほしかったわ(←なんだそれ)
・フランシス・ピューの裸体はオーディエンスへのご褒美ですか?
・穏やかなオッペンハイマーと対照的に妻の勝気な部分がある意味頼もしい。
・原子が核分裂反応するときに放出するエネルギーの説明が難しくて
字幕追うのをやめたわ(←とりあえず読んどけって)
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監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン
音楽:ルートヴィッヒ・ヨーランソン
出演:キリアン・マーフィ、マット・デイモン、エミリー・ブラント
『オッペンハイマー』
映画観終わってから、いろいろ調べました、はい。
アカデミー作品賞らしい作品。
おっしゃるように、最近ちょっと違ってましたよね。
アカデミー賞としても直球でした。
日本での公開が難航したのは、
日本の扱いがきちんとされていなことと言われましたが、
この映画の時代背景を考えると、日本のことなど考える余地もない。
そんな政治的な背景もうかがえて、あえてラジオのみのシーンという監督の意図も正解のようなきがしました。
今では誰もが知る惨状を敢えて見せなかったんですが
オッペンハイマーが広島のスライド映像に目を落とすシーンで、こちらにしっかり悲惨さが伝わってきました。
こういう見せない演出もさすがノーラン監督だな~と思いましたよ。
日本公開がかなり遅れましたよね。半年以上?通常なら3~4週間後に公開されるのに、やはり当の被災国だけにいろいろな配慮があったんですね。
この描き方は良かったと思います。
一瞬被災した女性の顔が映る。
それは監督の娘さんとの記事を読みました。
投下後の映像もオッペンハイマーの表情だけ...
キリアンの顔が切なかったです。
全く知らない事でしたが、ソ連のスパイとか、陰謀に巻き込まれたオッペンハイマーが気の毒でしたね。
穏やかな男性って勝気な女性が好きなのかもです。
私もトイレ問題ありでしたが、なんとか頑張りました。でも字幕読むの疲れましたね。
そういう意味ではスピルバーグの「宇宙戦争」を真っ先に思い浮かべます。
水爆要請を拒否したせいでトルーマン大統領からの辛辣な言葉やソ連のスパイ疑惑とか、ここ辺りからアメリカのヒーローからどんどん滑落していく様は見てて辛かったです。
>穏やかな男性って勝気な女性が好きなのかもです。
これって日本なら「サザエさん夫妻」みたいな感じでいちばん平和的な夫婦関係かも知れません(笑)
上映時間とトイレ問題って結構深刻ですよね!でもこれから暖かくなるので冬場ほどの心配はないかも(どうだろ)
とても重たいテーマの作品だったと思います。
すごく見ごたえがありましたが、同時に当時の政治的なものに対する恐怖を感じました。戦中だけでなく、戦後の赤狩りとか根強かったんだな…とか。
ロバート・ダウニーJr.は流石でしたね!いやもちろん元から凄い俳優さんなんですけど。
こういった重要な任務に就いた時点で見返りも凄いけど拒否した時点で命さえも危ぶまれるというのが昔からの定説ですけど政治が絡むと本当に怖い!
>ロバート・ダウニーJr.は流石でしたね!いやもちろん元から凄い俳優さんなんですけど。
ワタシもしかしたら、ロバートのヒューマン系は初めてかもしれません。
どうしても「アイアンマン」のイメージが頭をよぎってしまって。。。(笑)
ただこの映画はオッペンハイマーの生涯を描いていて、反戦映画ではないんですよね、そこが我々日本人にしたらあまり気分が良くない点なのかなと思いました。
確かに反戦というテイストではなく、オッペンハイマーが政府から利用され捨てられる理不尽さだけが残りました。
そういう意味から言えば反省の意もないから日本での上映がかなり遅れたのもうなずけますね。