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正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官

2009年09月19日 22時32分08秒 | 映画 さ行
評価:★★★★[4/5]


水を得た魚くん?酒屋ショップのクリフ・カーティス。


本作は、自由と夢を求め、無断で国境を越えて来た
不法就労者、不法滞在者らの取り締まりをする機関と
当事者らの関わりを「正義」という名のもとに壮大に描き出す。

ICE(移民税関捜査局)の人情味あふれる捜査官に
その歳でまだまだ現役として駆け回るマックスを
あのハリソン・フォードが演じている。



ロサンゼルス市内のサンペドロで
7つのストーリーが同時進行していく。

【ケース1】
メキシコから国境を超えてきた女性ミレヤは
不法就労者として縫製工場で働いていたが
ある日、一斉摘発で捜査官らが工場にガサ入れをする。
マックスは一瞬、ミレヤを見逃そうとするが、同僚に見つかり
仕方なく任務を遂行するのだった。


【ケース2】
バングラデシュ出身の女子高生タズリマは
ある日、授業で9,11に関する小論文を発表すると
クラスメイトからの非難の嵐に遭ってしまう。
たちまち、危険分子だとされた彼女とその家族は
ICE、FBIらの強制捜査を受ける。


【ケース3】
韓国出身の高校生ヨンは家族仲良く暮らしているが
コリアンタウンの不良グループからの誘いに
断ることが出来ない。
ある日、車に同乗して行った先で、度胸試しとして
リカーショップに覆面強盗を一緒にさせられてしまう。


【ケース4】
プロのミュージシャン志望で南アフリカ出身のギャビンは
ユダヤ人学校の講師の職を得る。にわかユダヤ教徒になりすまし
グリーンカード(永住査証)を取得しようとする。


【ケース5】
ギャビンの恋人のクレアはオーストラリア出身で
ハリウッド女優を目指している。
ビザの延長手続きに嘘をならべ係員と押し問答の末
街で偶然起きた交通事故から移民判定官のコールと出会う。
彼は、ある条件と引き換えにグリーンカードの許可を与えるという。


【ケース6】
マックスの相棒ハミードはイラン出身。
ハミードの父サンジャールが市民権を得て、実家で華やかな
ホームパティーが開かれている。多くの著名人らが招待され
マックスも呼ばれるが、バラエリ家の問題児でハミードの妹の
ザーラが不倫中の男と何者かに惨殺される。


【ケース7】
ナイジェリア出身の幼い少女アリークは孤児。
養護施設で里親が現れるのを2年間もじっと待っている。
彼女を担当する移民弁護士デニスは、遂にある行動を起こす。


このように、群像劇となる本作は、ケースごとの単独劇でなく
脚本の上手さからストーリーが見事にリンクされている。

今や、アメリカに於ける不法滞在者は1100万人という。
日本でも先日、強制送還させられた両親と取り残された少女という
事件が記憶に新しいです。
とはいえ、実際にワタシの身近にそういう問題もないわけで
本作を観ても、イマイチその深刻さが伝わって来ないのは
ワタクシの問題ですかね^^;


真面目に作った社会派ドラマであるが故
受ける印象は、地味というひとことですかね~^^;

でもしかし、唯一、エンターテインメントとして
結構、熱くなるシーンがありました!
【ケース3】で紹介した高校生ヨンらがリカーショップで
強盗するシーンがそれです!
偶然、そこで買い物をしようとしていたICE捜査官・ハミードが
強盗を目撃してしまう。
商品棚の陰から様子をうかがうハミードに極度の緊張が走る!
これは、こういう物語であるからこそ、凄くリアルに感じた部分です。
そして、ヨンと対峙したハミードのショットに痺れました!



おまけ)
・アシュレイ・ジャッドを久々に劇場で見ましたが
 インディーズ映画ながら、こういう良い作品に出演することで
 今後、ゆっくりと復帰して行ってほしいです。

・ハリウッド女優を目指しているクレアは
 ニコール・キッドマンのようになりたいらしい。

・プロのミュージシャンを目指しているギャビンは
 『ラスベガスをぶっつぶせ』のジム・スタージェスくん。
 あっちではトム・クルーズにも似ててダスティン・ホフマンにも
 似ていると言っていた(ワタシが)が、こっちでは
 ポール・マッカートニーにも見えてしまった(爆)

・バングラデシュ出身の女子高生タズリマの演技は
 少々くどい様な気もしたが、基本的に演技はお上手!
 しかも、あの口元が“空気人形系”で可愛いのです!

・リカーショップで背を向けているハミード(クリフ・カーティス)が
 床に“ある”物を置くシーンは、何回目のテイクアウトだったのか!?
 あれを一発で決めたらお見事!というしかない!^^

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監督:ウェイン・クラマー
脚本:ウェイン・クラマー
撮影:ジェームズ・ウィテカー
音楽:マーク・アイシャム


出演:ハリソン・フォード/レイ・リオッタ/アシュレイ・ジャッド/
   クリフ・カーティス/ジム・スタージェス/サマー・ビシル/


『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』



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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆クリフは☆ (TiM3)
2009-09-20 00:59:54
テロリスト役じゃなかったんですね・・(⌒~⌒ι)
返信する
画像でももそう見えますよね (ituka)
2009-09-20 08:57:54
TiM3さん おはようございます。

ワタシもてっきり捜査官と容疑者なのか?
なんて思ってこの画像をみてました(爆)

野球の投手でいえば球速は遅いが速く見せるコツを知っているベテラン投手という印象のクリフでした。
返信する
ブーリン家の長男 (オリーブリー)
2009-10-17 12:28:54
ジム・スタージェスが一番美味しかったですよね。
あんな簡単で良いのか?(笑)

日本人にはイマイチその深刻さが伝わって来ませんね。
見せ方も淡々とした感じだったし。
バングラデシュの少女は、元々両親が不法滞在者だったんだから仕方なのでしょうね~。
返信する
カメレオン俳優 (ituka)
2009-10-17 23:09:21
オリーブリーさん こんばんは。

あれでいいのかギャビン!
いや、ギャビンじゃなくて合衆国の方ですね(爆)

日本のその数はアメリカの数に対してミクロの世界なんでしょうね~
なので社会現象にでもならない限りピンとこないんでしょう。
バングラデシュの少女のひとり熱演は浮いてなかったですか?^^;
返信する
☆観て来ますた~☆ (TiM3)
2010-01-24 13:02:44
レイリオのおっつぁんは、イヤな役でしたね~。
しかしあんなに露骨にエッチシーンがあると、どうにも気後れしてしまいます(⌒~⌒ι)

>リカーショップで背を向けているハミード(クリフ・カーティス)が
>床に“ある”物を置くシーンは、何回目のテイクアウトだったのか!?
>あれを一発で決めたらお見事!というしかない!^^

アレはCGでしょう。 ←おい!
返信する

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