評価★★★★【4点】(Netflix)
ホンの数百メートルの陣地を得るため300万人の兵士が死亡。
◆
第一次世界大戦中の欧州。
祖国のために戦おうと意気揚々と西部戦線に赴いた17歳のパウル。
だがその高揚感と志は最前線の凄惨な現実を前に打ち砕かれることに。
<Netflix>
◆
オリジナル映画から90年の時を経てドイツ語で再映画化。
傑作と言われる作品を鑑賞できるのは単純に嬉しいし、
現実でも、ロシアがウクライナへの軍事進行がある中で
こういった争いがいかに無意味であるかを再確認できますね。
序盤、パウルが立つ最前線は自分が思い描いていた姿とちがい
目の前の凄惨さ恐怖に顔つきが徐々に老人化していくところは
嘗てのロシア戦争映画『炎628』の少年とよく似ている。
戦争という行為の理不尽さや兵士達の人生や人間性が
どんどん破壊されていくプロセスは本当に恐ろしく
こんなにも生々しい映像を撮った監督は流石と言いたい。
敗戦を認めたドイツ軍ではあるが、将軍のメンツだけで
終戦時刻午前11時まで残り少ない時間も容赦なく命令を下す。
その僅か15分程度の中で若い兵士が再び死んでいく。
この犬死にのような光景に、速攻プーチンの顔がちらついて
アンタのやってることはコレと同じだと心で叫んでいたわ。
◆
【今週のツッコミ】
・1930年公開の第一作には冒頭の教師や、パウルが生き延び
最後母校へ出向き生徒たちに説くシーンがあるようですが
こちらはそんなシーンは全カットですね。
・それなのに40分ほど長くなったのは最新VFXによるリアルな
最前線を再現したかったというネライがあったのかな。
・雰囲気的に『1917』の前日譚みたいな感じで観ると興味深い。
・ドイツ映画だから知ってる俳優なんていないと思っていたら
ダニエル・ブリュールが重要な役でいるではないか。
・駐屯地で女性からもらったスカーフの香りはどんなニオイ。
パット見は使用済みパンティだと勘違い(←また妄想かよ)
・幼い少年に腹を撃たれた先輩兵士でしたが
あれで内臓が壊死するなんて、ある意味、細菌兵器か。
----------------------------------------------------------------------------------
監督:エドワード・ベルガー
脚本:エドワード・ベルガー、レスリー・パターソン、イアン・ストーケル
音楽:フォルカー・バーテルマン
出演:フェリックス・カマラー、アルブレヒト・シュッフ、アーロン・ヒルマー
『西部戦線異状なし』(2022年作品)
ホンの数百メートルの陣地を得るため300万人の兵士が死亡。
◆
第一次世界大戦中の欧州。
祖国のために戦おうと意気揚々と西部戦線に赴いた17歳のパウル。
だがその高揚感と志は最前線の凄惨な現実を前に打ち砕かれることに。
<Netflix>
◆
オリジナル映画から90年の時を経てドイツ語で再映画化。
傑作と言われる作品を鑑賞できるのは単純に嬉しいし、
現実でも、ロシアがウクライナへの軍事進行がある中で
こういった争いがいかに無意味であるかを再確認できますね。
序盤、パウルが立つ最前線は自分が思い描いていた姿とちがい
目の前の凄惨さ恐怖に顔つきが徐々に老人化していくところは
嘗てのロシア戦争映画『炎628』の少年とよく似ている。
戦争という行為の理不尽さや兵士達の人生や人間性が
どんどん破壊されていくプロセスは本当に恐ろしく
こんなにも生々しい映像を撮った監督は流石と言いたい。
敗戦を認めたドイツ軍ではあるが、将軍のメンツだけで
終戦時刻午前11時まで残り少ない時間も容赦なく命令を下す。
その僅か15分程度の中で若い兵士が再び死んでいく。
この犬死にのような光景に、速攻プーチンの顔がちらついて
アンタのやってることはコレと同じだと心で叫んでいたわ。
◆
【今週のツッコミ】
・1930年公開の第一作には冒頭の教師や、パウルが生き延び
最後母校へ出向き生徒たちに説くシーンがあるようですが
こちらはそんなシーンは全カットですね。
・それなのに40分ほど長くなったのは最新VFXによるリアルな
最前線を再現したかったというネライがあったのかな。
・雰囲気的に『1917』の前日譚みたいな感じで観ると興味深い。
・ドイツ映画だから知ってる俳優なんていないと思っていたら
ダニエル・ブリュールが重要な役でいるではないか。
・駐屯地で女性からもらったスカーフの香りはどんなニオイ。
パット見は使用済みパンティだと勘違い(←また妄想かよ)
・幼い少年に腹を撃たれた先輩兵士でしたが
あれで内臓が壊死するなんて、ある意味、細菌兵器か。
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監督:エドワード・ベルガー
脚本:エドワード・ベルガー、レスリー・パターソン、イアン・ストーケル
音楽:フォルカー・バーテルマン
出演:フェリックス・カマラー、アルブレヒト・シュッフ、アーロン・ヒルマー
『西部戦線異状なし』(2022年作品)
いやスゴい!です。アカデミー協会はエドワード・ベルガーに監督賞あげないといけません。
ダニエル・ブリュールは息子を亡くした政治家役で停戦訴えてましたね。
でもあのプライドを捨てきれない将軍の”戦え!”の言葉には唖然でした。プーチンの顔浮かびました。
ラスト近く、フェリックスと靴職人は生き延びることができるのか?とハラハラでしたが...。
戦争映画では常に悪役だったドイツもこういったすばらしい映画を提供できるってこと嬉しかったです。
反戦映画として間違いなく自分の生涯ベストに入る作品だと思っています。
途中でダニエル・ブリュールが出てきたときは迷子になった時の知り合い見っけ!みたいな感情でしたよ。
最後のスカーフの行方がなんだか本当に切なかったです。